茂一

日常生活の中で見つけたホッとしたことや心和む体験を書いて、徳島新聞「読者の手紙」という…

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日常生活の中で見つけたホッとしたことや心和む体験を書いて、徳島新聞「読者の手紙」というコラムに投稿しています。気がつけば10年以上が過ぎていました。過去を振り返り、自分史を再発見するような気持ちで紹介していきたいと思います。

最近の記事

大河ドラマで楽しむ紫式部

 2024年4月11日 徳島新聞「読者の手紙」に私の拙文が掲載されました。 読んで頂ければ幸いです。  今年のNHK大河ドラマは、平安中期に世界最古の長編小説「源氏物語」を執筆した紫式部の人生を描いています。いちずではかない恋心、秘めた情熱、きらびやかな平安貴族の権力闘争、身内同士の謀略が、不思議な緊張感を醸し出しています。  無官で貧しい学者の娘が、紫式部へと覚醒する様を楽しみながら見ています。登場人物一人一人の性格や感情が繊細に表現され、時代や文化を超えた人間の普遍心理

    • 羽ばたけ佐々木麟太郎選手

       2024年3月12日の徳島新聞「読者の手紙」というコラムに、私の拙文が掲載されました。読んで頂ければ幸いです。  高校歴代最多の140本塁打を放った岩手県花巻東高の佐々木麟太郎選手が、アメリカの超名門・スタンフォード大へ進学することが決まりました。「野球選手だけじゃなく人間としても広い世界で学んでいきたい」と語っており、学業も含め高いレベルを見据えて覚悟を持った選択をしたのだと思います。  麟太郎という名前は、今から約160年前に幕府の軍艦「咸臨丸」に乗船し、太平洋を横

      • 車いすテニス 国枝氏に感銘

         2023年11月5日徳島新聞「読者の手紙」に掲載されました。読んで頂ければ幸いです。  徳島市のテニスアリーナに、車いすテニス界のレジェンドで、国民栄誉賞を授与された国枝慎吾氏が来られました。さわやかな笑顔とがっちりした体形。醸し出されるオーラに圧倒されました。  デモンストレーションでは、気合が入ったストローク、ボレー、サーブに、会場全体がくぎ付けとなりました。車いすテニス教室では、片手でラケットを持ったまま両手で均等に車いすをこぐことの難しさ、また、どうしても打点が低く

        • 投打二刀流の復活を信じる

           2023年10月5日「徳島新聞」朝刊の「読者の手紙」に私の拙文が掲載されました。読んで頂ければ幸いです。 「投打二刀流の復活を信じる」  米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の右肘手術成功とのニュースを聞き、ほっと胸をなでおろしました。 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、彼の投打にわたる八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍が侍ジャパンを優勝へと導きました。休む間もなく大リーグでは2年連続で開幕投手を務め、唯一無二の投打二刀流でフル回転。想像をはるかに超え

        大河ドラマで楽しむ紫式部

          旧知との再会 人生の贈り物

           41年ぶりに県外在住の旧友3人と再会しました。大学を卒業してからは年賀状でのやり取りだけで、ずっと会っていなかったのです。  青春時代を過ごした徳島の地に彼らを向かわせたのは、還暦を過ぎて芽生えた望郷の念かもしれません。体形がぽっちゃりして、髪が少し薄くなったことを除けば、あの頃と何ら変わりません。「久しぶり」と一言、思い出をかみしめるように微笑み合いました。  真っ先に向かったのは、私たちが通った大学です。以前の校舎はなく、そこにはりっぱな建物が立ち並び、今浦島の気分でし

          旧知との再会 人生の贈り物

          WBCと甲子園 母校に感謝

          2023年4月12日の徳島新聞「読者の手紙」に私の拙文が掲載されました。 読んで頂ければ幸いです。  野球のワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)決勝戦。最後の最後まで予断を許さない緊迫した展開に終止符を打ったのは、投手・大谷翔平の芸術的なスライダーでした。その歴史的な歓喜の瞬間を見届けたのは、城東高校甲子園応援ツアーのバスの中でした。  母校が甲子園に初出場する記念すべき日に、こんな瞬間に出会えて心が高ぶりました。甲子園球場に足を一歩踏み入れると、外野に広がるまぶ

          WBCと甲子園 母校に感謝

          阿波踊りは県民の心の古里

          徳島新聞「読者の手紙」(2023年3月22日)に私の拙文が掲載されました。読んでいただければ幸いです。   「阿波踊りは県民の心の古里」  早春を感じる上旬の休日、「徳島城阿波おどり」のプレイベント・蜂須賀桜編を見るために徳島中央公園を訪れました。この時期、この場所での阿波おどりイベントは初めての試みだそうです。助任川沿いの蜂須賀桜は、美しい濃いピンクの花をつけ始めていました。  桜の下、県阿波踊り協会徳島支部の19連、約450人の踊り子と鳴り物による流し踊りが披露されました

          阿波踊りは県民の心の古里

          母校のセンバツ出場 感無量

           城東高校が、3月に開催される選抜高校野球大会に21世紀枠で選ばれました。春夏を通じて甲子園初出場です。  選出理由は、「部員13人で主体的に考える野球をテーマに多くの練習メニューを選手自らが考案し、練習時間やグランドの狭さを創意工夫で補ってきた」とのこと。練習では、部員の人数不足を補うため女子マネージャーがノックをして、チームに貢献しているそうです。  母校の選抜出場という報道をうれしく思い、仕事帰りに城東高校のグランドをのぞいてみました。ナイター照明に小雨が光る中、選手た

          母校のセンバツ出場 感無量

          「眠りと死」〜すごい名前の日本酒〜

           徳島県にある酒蔵「三芳菊酒造」の馬宮亮一郎さんが、「眠りと死」という意味深な銘柄の日本酒を造りました。花束を抱えたまま川面に浮かぶ女性がラベルとなっています。  これは、1851年~1852年にミレイによって描かれた絵画「オフィーリア」(ロンドンのテート・ブリテン美術館所蔵)をオマージュしたものです。 馬宮さんは、以前からこの絵画が気に入り日本酒のラベルにしたかったのですが、著作権の問題があり実現しませんでした。そんな折、友人が「オフィーリア」を写真で再現したことを知り、日

          「眠りと死」〜すごい名前の日本酒〜

          「思い出多いボウゼの姿ずし」

           2022年10月17日 徳島新聞「読者の手紙」掲載に私の拙文が掲載されました。読んで頂ければ幸いです。  徳島に秋の訪れを告げるボウゼの姿ずしは、農林水産省の郷土料理百選に選定されています。私にとっては思い出の味です。小学生の頃、秋祭りの時季になると、北島町の母の実家でよく食べたものです。  背開きにしてたっぷりのスダチやユズの果汁で締めるため、魚臭さはほとんどなく、子供の口にも優しかったです。満腹となったところで、蛭子神社のみこしや餅投げ、いとこと一緒に積みわらの中に

          「思い出多いボウゼの姿ずし」

          本公演が楽しみ

          「オペラ カルメン」のプレイベントを鑑賞するために、あわぎんホールへと足を運びました。初めてオペラ歌手の生の歌声を聴き、その声量、澄んだ音質、高音と低音のハーモニーのすばらしさに圧倒されました。 「オペラ カルメンを100倍楽しむために」と称し、カルメンのストーリーや名場面、そこに込められたメッセージを解説しながら、迫力ある歌声を披露してくれました。まるで別世界に飛び込んだようでした。 「徳島の夏は阿波踊り、冬はオペラ」という取り組みが、2019年から徳島の経済同友

          本公演が楽しみ

          記憶よみがえる懐かしい味

           いとこから過日、アメゴの塩焼きをもらいました。小松島市にある自宅を朝4時に出発し、那賀町木頭まで出かけて釣ったものだそうです。  オーブンで温めると、川魚特有の上品な香りが部屋いっぱいに広がり食欲をそそられました。頭からガブリと頬張ると、濃厚なうま味と絶妙な塩味に、自然と笑みがこぼれました。この味をかみしめると、50年ほど前の記憶が鮮明によみがえりました。  当時、私が通っていた徳島中学校は、木頭中学校と友好校の関係にありました。そのため、所属していた剣道部は夏休みに木頭で

          記憶よみがえる懐かしい味

          「春の阿波踊り」継続を熱望

          2022年5月15日、徳島新聞「読者の手紙」掲載に私の拙文が掲載されました。読んで頂ければ幸いです。  徳島中央公園一帯で「阿波おどり春の祭典 紡ぐ」という新しいスタイルの踊りイベントが開催されました。有名連など33連、約1000人の踊り子たちが、鷲の門広場の輪踊り、お花見広場の流し踊り、そしてバラ公園前の水上舞台の3か所を巡って踊りを披露してくれました。  久しぶりの鳴り物、「よしこの」のリズムに、阿波っ子の血が騒ぎました。踊っている人も笑顔、見ている人も笑顔、やっぱり徳

          「春の阿波踊り」継続を熱望

          「プロ野球の全12球団に注目」

          本日の徳島新聞「読者の手紙」というコラムに私の拙文が掲載されました。読んでいただければ幸いです。 「プロ野球の全12球団に注目」 「まり投げて 見たき広場や 春の草」この句は、正岡子規が野球について読んだものです。球春到来を喜ぶさまが目に浮かぶようです。今年もプロ野球が開幕しました。観客の人数制限を設けずに行われるのは3年ぶりで、自然とテンションが上がります。  164キロの速球を投げるロッテ・佐々木朗希投手のピッチング、奇想天外な発想で魅了する日本ハム・新庄剛志監督のパフォ

          「プロ野球の全12球団に注目」

          「羽生結弦選手の挑戦に拍手」

          本日(2022.2.27)の徳島新聞「読者の手紙」に私の拙文が掲載されました。読んでいただければ幸いです。  北京冬季五輪が終わりました。日本は18個のメダルを獲得し冬季大会過去最多となりました。連日の熱戦に胸躍り、スポーツの持つ力を実感しました。強さと美しさ、そして芸術性。人間が持ち得る才能と努力の結晶がそこにあります。  私は、フィギアスケートの羽生結弦選手の五輪3連覇を期待していました。ショートプログラムでリンクにできた溝にはまるというアクシデントがあり、最終的にメ

          「羽生結弦選手の挑戦に拍手」

          青春の思い出 漫画ドカベン

           徳島新聞(2022年1月26日)「読者の手紙」に私の拙文が掲載されました。読んでいただければ幸いです。  野球漫画の第一人者である水島新司さんが亡くなりました。彼の漫画の中で一番好きなのは「ドカベン」です。タイトルは、主人公の山田太郎が、ドカッと大きな弁当箱を持っていたことに由来します。野球選手らしくないずんぐりした体形。ポジションもキャッチャーで、最初は地味なキャラクターだと思いました。  今までの漫画のスマートな主人公像とはかけ離れたものです。しかし、連載が進むにつれ

          青春の思い出 漫画ドカベン