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ティーンエイジャーとシーグラス

シチリア島最終日、オリエンタルな雑いパレルモに着いた
宿が高すぎるので久々のドミトリー、10人部屋、まずは右足の無いロン毛からこの辺の流儀を教えられ、とぐろ巻きドレッド黒人がウィンクをして合図を送ってくる
神経質そうなつり目がチラチラ目配せ
サンシャインゲストハウス完璧だ
そのままカタコンベを見学、何千体もの骸骨とミイラの地下であった
ただただ規模がすごい、是非行ってほしい
パレルモの夜、締めで踊りたかった
中々いい感じの場所に出くわさず、ウロウロしてたら爆音で音楽が流れて踊り狂ってる広場を発見
あらゆる人種が踊り狂ってる超ラッキー
早速その渦の中心を目指す
とぐろ巻きドレッド黒人のプッシャーが話しかけてくる
あどけない顔と成熟しつつある女の肌の波
あらがえないティーンエイジャーのオーバーリミットな色気が押し寄せる
いつだったか?
10代の右利きの女の子が店に来た
左手にはテキーラの瓶を携えて、その腕には複数ある自傷の痕が澱んだ色気をはなっていた
女の子と女が同居している旬のテキーラだ
いま飲んでみたい、いま飲んだら腑から焼かれるだろう
「わたしのテキーラ飲めないの?」
かすかな死臭もあるのでタチが悪い
ロシアンルーレットを試しても、微笑と共に確実にわたしが撃ち抜かれるだろう
パレルモの夜、女群の中を泳ぐようにバキバキに踊り狂った
理性が飛びそうでも出来るだけクールに、東洋人の神秘を最大限に利用して
あくる日、二日酔いと男臭さを洗い流す為、船の時間まで海で泳いだ
波打ち際にキラキラと光る物を発見、シーグラスだった
すごい量がある、夢中になって拾っていた
結構楽しい
長い年月をかけてガラス破片は丸くなっていて可愛らしい
シーグラスは水に濡れてる時がキラキラしてて1番綺麗だ
乾燥するとくすんでしまってちょっと残念な感じになる
そんなに色の種類は無いみたいで、赤いのが5000分の1と言うのをWikiで調べた
赤を1つ拾えた超ラッキー
あの女の子達も波打ち際の様に、そんなに変わり映えのしない日々を送ってとんがりが取れて丸くなってしまうのだろう
選択肢もおおいい様に見えてたが実は少ない事に気づいていく
誰もがそこはあらがえない
逆もありえるだろうか?
とんがっていくもの
こだわり、我執、後悔、性質‥
うーんまだ弱いな
パレルモの夜を思い出す
ティーンエイジャーとランバダを踊ってる
テキーラショットを7杯流し込む
その先にあるもの‥
「ぱぱぷぉーん」
船の汽笛が鳴った
さぁナポリを目指そうか

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