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キャリアと資本 

Xにて、フエコさん(@hakoili)より、山口周さんのNoteの記事をご紹介いただきました。
この内容が非常に興味深かったので、記事にまとめてみました。

山口周さんのNOTE記事「キャリアというゲームの構造原理について」はこちらです。

キャリアにおける資本とは

こちらの記事にある、下記の図に注目してください。
自ら持つ資本(Asset)の構成を示しています。

私なりには、以下のように解釈しました。
時間資本:10代~20代など、若いうちにある「時間」という資本。
人的資本:スキルや知識、コンピテンシーなど、個人が稼ぐための原資となりうる資本。
社会資本:対外的な周囲の評判や信用などの資本。
金融資本:いわゆる「お金」としての資本。

「キャリアというゲームの構造原理について」(山口周さん)より

これらの4つの資本が次のように繋がっている、ということを示しています。

“つまり、キャリアというのは、   時間資本を用いて人的資本を生み出し、人的資本によって社会資本を生み出し、社会資本によって金融資本を生み出すという、超長期にわたる投資の連鎖   として定義できるのです。”

「キャリアというゲームの構造原理について」(山口周)より

興味深いところ


このお話が面白いのは、以下の4つです。

  • 人的資本は直接的に金融資本を生み出すわけではない。

  • 金融資本を生み出すのは社会資本である。

  • 人的資本は有限であるが、社会資本は無限である。

  • 人的資本と社会資本は非対称である。

以下に一つずつ具体的に書いていきたいと思います。

人的資本は直接的に金融資本を生み出すわけではない。

人的資本(スキルや人間性、能力など)がなければ、社会資本を生み出せません。ですが、人的資本が直接的に金融資産を生み出すことは少ないわけです。
例えば、〇〇という難関資格を取った!という事実があったとします。当人は「めちゃくちゃ努力して取得した。その資格を持つ私はすごい。評価されて当然」と思うかもしれません。
しかし、現実はそんなことはありません。(お勤めの方なら会社から奨励金などを貰えるかもしれませんが)
なぜなら、仕事は仕事の結果(+向き合い方)で評価されるものだからです。だれかがあなたの仕事を評価する。その評価が社会資本に相当するものです。

金融資本を生み出すのは社会資本である。

私達が行った仕事は誰かに評価されて、その評価に応じた対価を受け取ることになります。
評価・信用。例えば、大谷翔平さんは世界中から愛され、高い評価を受けています。この高い社会的評価が大谷さんの社会資本です。
彼が野球がうまいだけではなく、名だたる球団が認め、世界中のファンが認めることによって彼の社会資本が構成され、それによって金融資本に転換されているわけです。

我々の身近なところに目を向け、以下のような例を考えてみます。

"中小企業診断士の資格を取った。その資格を活かして、中小企業経営者の支援が出来るようになり、その会社の売上を上げ、経営者に喜んでいただけた。その経営者がお知り合いの経営者に評判を口コミで伝わり、その診断士は収入を増やすことができた。"

この例では、資格を取り、支援をするところまでが人的資本であり、
売上を上げて経営者の信用を得たところ、口コミで経営者間で信用が増しているところが社会資本に相当します。
社会資本が収益をもたらしています。

私個人の意見ですが、すぐにマネタイズに結びつかなくても、社会資本を作っておくことが大切だと感じています。
私はXを通じて、たくさんの友人ができました。お会いした方々と仕事をした訳ではありませんが、「人となり」は伝わっているはず!(と信じたいです笑)。
将来一緒に仕事しましょう!といってもらえるように、社外のネットワークを作っておくだけでも、心の平穏が全然違うと思っています。

人的資本は有限であるが、社会資本は無限である。

先ほどの大谷翔平さんのお話が最もふさわしいと思うのですが、彼と同じ能力の選手が実は普通のサラリーマンで、趣味で草野球をやっていたとすると…
人的資本は極めて高いのに、社会資本は低めですよね。
日本のプロ野球で活躍し、その後大リーグで活躍されて、世界有数の社会資本をもつ選手になられています。
人的資本はある一定レベルまで行くとそれ以上増えなくなります。しかし、評判や信用には上限がないのです。小さなコミュニティでは小さな社会資本ですが(これはこれでいいと思います)、コミュニティが地域・地方・国・世界と広がるにつれて、社会資本は無限に広がっていきます。

人的資本と社会資本は非対称である。

先ほどの野球選手の例でいれば、野球選手の能力(人的資本)が給与ほどの差があるとは思えません。会社員でも、社長がこなせる仕事と、他の社員がこなす仕事のレベルがそこまで違うかというとおそらく違わないはずです。
でも、給料は全然違ったりします。人的資本が違わなくても、社会資本が違うからです。

我々はどう戦う?

では会社員として、ビジネスパーソンとして我々はどう戦えばいいのでしょうか?
ここまで読んでいただければわかるように、社会資本が大切なことは理解されたと思います。
結論的には誰にどのように評価され、社会資本を増大させていくかが大切で、そのために、自分の能力や成果をどううまく他人に示すかがカギとなります。
もちろん、その回答はだれも分からないわけですが、ご興味があれば山口さんの上記記事の有料部分を読んでみてください。

以上、お読みくださり、ありがとうございました!

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