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Apple Vision Proをいま買わない理由を書いてみました

周りの友人に購入者が多いのでどきどきしますが、Apple Vision Proを体験して感じたことを正直に述べます。

はじめに、親切に手ほどきしながらゆっくり体験をさせてくれた2人の友人に、心からのお礼を。多忙な中、貴重な時間を割いてくださって本当にありがとうございました。

私はVRコンテンツ制作を生業としていて、VRの世界に2,500人ほどフレンドがいます。毎日1〜2時間、長いと6〜8時間、VRヘッドセットをかぶって生活しています。この5年程度で述べ5,000時間は、VR空間で生活しているでしょうか。

スマホアクセサリメーカーでもあるので、ガジェットは大好きですし、誰よりも早く注目のガジェットを入手したいですし、したらドヤりたいし、見せて回って喧伝もしたい。

むしろVision Pro入手に奔走する側に近くはありますが、いまの自分は、アメリカ発売の初号機を苦労して入手することはないだろう、という結論に落ち着きました。

私はそもそも、重くて大きいVRへッドセットをかぶりたくてかぶっているわけではありません。
かぶらないとその実在感をもって会えない人がたくさんいて、体験できない世界も見られない世界も、そこにあるからです。
VRの世界で出会ったたくさんの友達とおしゃべりしたり、お出かけしたり、仕事をするために、ちょっとめんどくさいなって思いながら、毎日、Meta Quest 3やPICO 4をかぶっています。

マルチプレイが可能なVRは、現実で難しいことの代替ができすぎるんですね。遠く離れた人と秒で会える。エンタメやスポーツも豊富にある。アバターを介して物理を超えた交流ができる。いま生活のコミュニケーションの3割はVRでまかなってます。

反面、現時点でのVision Proは、現実世界や他のデバイスやで代替できることの方が、まだまだ多いように感じました。

空間コンピューティングでの仕事は、まだ、目の前のMac Book Air M2 の方が扱いやすそうです。持ち運びも薄いラップトップの方がらく。イマーシブコンテンツはVRで代替できますし、ペルソナを使ったZoomもリアルでいいかな.. というより、初回挨拶以降は音声と画面共有のみで行うことのほうが多いです。自分の顔を映したいと思っている人の方が少ない。

Vision ProのVision Proらしさを体験するのはめちゃくちゃ楽しかったです。その画質の高さや音響のすばらしさ、滑らかな操作性、未来を引き寄せるコンセプトに、すごいすごいと興奮しました。

ただ、自分の直近の生活に置き換えたときに、Vision Proを使うためにVision Proを使いそうだなぁと…。ナチュラルに自分の生活に溶け込んでいるイメージが見えませんでした。

この先サングラスくらいのサイズになって、ポケットから取り出し、移動中に広い空間で仕事をしたり、AIが私設秘書のように手伝ってくれたり、出会う人や目に映るものの情報をすっと取得できたり、視線を追えるなんてマーケティングツールとしては最強ですし、ほんやくコンニャクみたいなアプリが実装されて世界中どこでも言葉に困らない、今のスマホのように無いと生活に支障が出る、そんな世界が何年か先に必ずやってくると思います。未来の片鱗は、30分程度の体験からでも充分イメージできました。
 
初号機は未来に投資するための開発機、という結論です。ディベロッパーの皆さんが開発される、未来のアプリやサービスを楽しみにしつつ、次、または次の次あたりのバージョンを楽しみに待ちたいと思います。

などと言いながら数ヶ月後に予想される日本発売時に買っているかもしれません(笑)

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