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戯曲 | 好きっていう感覚がわからない。


戯曲 | 好きっていう感覚がわからない

あたしという女は
こういう奴です😃

小倉くん。勢いあまって、坂井さんとの電話を切ったあと、坂井さんのアパートへ車に乗って向かう。

アパートに到着した小倉くん。携帯で坂井さんに下まで来たことを告げる。
坂井さんは二階の自室から、ゆっくりと階段をおり、小倉くんと、車の中で会話を始める。


「前からね、小倉くんがわたしに好意を持ってくれてたのは知ってたよ」

「坂井さんには今、お付き合いしてる人とか、好きな人がいるの?」

「なんかさぁ、人を好きになるって言う感覚がわからないんだよね。大学の頃、彼氏はいたよ。だけどね、絶対にこの人じゃなきゃダメっていう感じじゃなかったんだよね」

「じゃあ、なんでその人とお付き合いしたの?」

「なんだろう?タイミングかな。いきなり彼が留学するとか言い出したときは、会えなくなるのが嫌で喧嘩とかして。でも、胸が締め付けられるとかそんなんじゃなくて、ただ淋しくなるなって。こういうのが好きってことかな、と考えたりしたけど」

「考えたりしたけど?」

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