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エッセイ | 食品ロスについて

 食品の価格が上昇している。物価上昇に、賃金の上昇が追い付かないという状況がつづいている。
 家計のやりくりに苦心していらっしゃる方も多いのではないだろうか?

 安い店を選ぶこと、その時期にお買い得な食材を使った料理を作ること、ポイントの多くつく曜日に買い物へ出かけること、ご近所で協力して業務スーパーを利用すること、など実践している人も多いだろう。

 そういった努力の一方で、いまだに大量の食品ロスがあることが問題になっている。
 食べ残し、期限切れ、過剰な除去(例えば外側のキャベツの葉を剥きすぎる)が主要な原因だという。
 ひとり当たり、およそご飯一膳分が、毎日捨てられている計算になるという。

 私がこの記事で問題にしたいのは、家計における食品ロスのことではなく、スーパーをはじめとする小売業における食品ロスのことである。というのは、みな自分が直接お金を支払って購入する商品については気にするが、店舗で生じる食品ロスに関しては、関心が低いからである。

 よくコンビニやスーパーなどで、なるべく新しい商品を買おうとして、商品を後ろから取ろうとする人を見かける。
 一般的な消費者は、目に見える手前のものから購入するから、店側は「先入れ先出し」しているが、1日でも期限の長い新しい商品を買おうとして、後ろから商品をとる人が多い。

 その人ひとりにとってはそれでいいかもしれないが、店側から少し考えてほしい。
 新しい商品から売れると、古い商品の売れ残りが増える。そうすると、期限切れの商品を売ることはできないから廃棄せざるを得ない。
 たいていの加工品は、1日くらい古くても品質や味が大きく変わるということはない。その日のうちに食べられる分量を購入し、消費すれば何の問題もない。

 最近コンビニで、「商品を後ろからとらないでください」という張り紙を見かけた。「消費期限の切れていないものならば、気にしない」という意識をひとりひとり持つことができたならば、店舗における食品ロスは大幅に減らすことができるだろう。そして、店舗でのロスが減れば、消費者もヨリ安い商品を購入できるようになる。

 同じお金を払うなら「ヨリ新しいものを!」という考え方は改めたほうがよいだろう。商品を並べられている順番に購入することが、長期的に見れば、小売業にとっても、消費者にとっても大きなメリットになる。
 せっかく後ろから商品を選んでおいて、結局食べないで捨ててしまうのならば、二重の意味で食品ロスにつながる。


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