見出し画像

短編 | ヘルプ商店街

 昭和の頃に賑わった商店街は、平成を何とか持ちこたえたものの、令和になって壊滅的な打撃を受けた。その原因は言うまでもないだろう。いわゆる「小人19」(コビト・ナインティーン)のせいだ。
 
 「小人19」は、「いろは坂48」の人気にあやかって結成された男性アイドルグループである。
 顔はそこそこだが、頭はスカスカ。僕なんかはそう思うのだが、世の中わからないものである。

「小人19は、素晴らしい」
「小さいのに頑張ってる」
「常に進化している!」
というのが、ファンの声だが、頭、おかしいんじゃないの?

 僕にはなぜあんなに小人19が流行したのかわからない。
 「マスクがいい!」からと、世の中みんな同じマスクをするようになった。アイドルのクセに、ファンからは二メートル以上の距離を保ったままじゃなければならないとか、ワケわからん。

 小人19はよくメディアに出てきた。

「買い物はやめましょう。多くても三日に一回だけにしましょう」

 おかげで我が商店街は「ヘルプ、プリーズ、ヘルプミー」状態のままだ。

(440文字)


#毎週ショートショートnote
#ヘルプ商店街
#短編小説
#私の作品紹介
#スキしてみて

この記事が参加している募集

スキしてみて

私の作品紹介

記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします