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エッセイ | 戦争と科学技術、ノーベル賞


(1) #戦争と科学技術


 インターネットが、もともと軍事的な目的から発展してきた技術だということは比較的よく知られている。
 電子計算機も爆弾・ミサイルなどの軌道を正確に計算するために発達してきたものだ。
 戦争には断固反対の立場だけれども、戦争が科学技術を発展させてきた事実は悲しい現実である。


(2) #ハーバー・ボッシュ法


 ハーバー・ボッシュ法とは、アンモニアを生成する技術であり、高校の化学で学んだ人も多いことだろう。
 化学肥料の増産を可能にした画期的な技術だった。

 しかし、その一方で、爆薬をつくる際にも転用できる技術であったことは覚えておいてもよいだろう。


(3) #安全保障と原子力発電


  福島原発の事故は記憶に新しい。可能ならば、再生可能なエネルギーへと転換していったほうがよいだろう。
 一度事故が起きれば、甚大な被害を及ぼすことは誰にも否定できない。

 しかし、もし自分が総理大臣ならば(なるつもりも、なれるわけもないけれど)、すべての原発を廃炉にする決断はしないだろうと思う。少なくても数基は残す。

 原発があるとテロの標的になりうるという危険があるが、ご存知の通り、原発の技術を持っているということは、潜在的に核兵器をつくる技術を持っていることを意味する。

 日本には、核兵器を持たず作らず持ち込ませずという「非核三原則」がある。この立場を厳守した上で、平和利用を目的として原発を持つということは、安全保障上、ギリギリの判断だと言えるのではないかと。

 核抑止力というものが正しい考え方なのかどうか、議論のあるところだが、潜在的な能力まで放棄してしまう(=すべて廃炉にする)ことは、取り返しのつかない選択なのではないか、と考える。

 科学技術の理想と現実は、きわめて高度な判断がからむ問題であり、一筋縄ではいかない。


まとめ


 今週はノーベル・ウィークである。
 もともとノーベル賞とは、ダイナマイトで巨万の富を手に入れたアルフレッド・ノーベルの遺産を基金として成立したものである。

 日本人がノーベル賞をとるか・とらないかということに注目が集まるが、科学技術と平和について考える期間にしたい。



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