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恋文・ラブレター

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みんなのフォトギャラリーでイラスト・画像をご利用してくださった方の記事。 そして💬コメント欄には、書ききれない熱い想いをここに綴ろうと思います。ラブ❤️レター💌といっても、同性に対… もっと読む
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#私の作品紹介

連載小説(34)漂着ちゃん

連載小説(34)漂着ちゃん

 朝になった。

「そろそろ帰ったほうがいいわね。甘美な一夜になりました。ナオミさんも心配しているでしょうし。朝食をとったら、私が送ります」

「いろいろお世話になりました。これから、私たちはまた会えるだろうか?」

「もう所長はいませんしね。あなたが良ければ、マリアと一緒にいてくださったら嬉しいですけど。しばらく、ゆっくり休んで考えましょう」

 エヴァと一夜を明かしたことで、私には不思議な感覚

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短編小説🍑桃太郎MOMOTARO💘

短編小説🍑桃太郎MOMOTARO💘

 2年前に書いた短編小説「桃太郎」。
最初に投稿した時は、5回に分けて投稿しましたが、今回は1つの記事にまとめてみました。ぜんぶ合わせても5,000字弱の小説ですが、当時、ふだん1,000字に満たない記事しか書いたことがなかった私には長く感じたものでした。

 現在、創作大賞応募用に「漂着ちゃん」という小説を書いていますが、今のところ、35,000字程度です。

 大体の着地点は考えていますが、ま

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[1分小説]  きもち

[1分小説] きもち

月曜日の6限目の授業中、佐山 美弥子は、窓の外を見るともなく眺めていた。

『陽が傾くのが早くなったな』

終業のチャイムが鳴るまで、あと3分。

すでに宿題のページを終えた彼女は、ぼんやりと時間が過ぎるのを待つ。

中学生の頃、両親が離婚した。

「ママね、パパとお別れすることにしたの」

両親の壮絶な言い争いを見続けて数ヶ月が経つ頃、母親が口にした言葉である。原因はパパの浮気らしい。

「美弥

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掌編小説 | 出獄

掌編小説 | 出獄

 はじめて夫に触れたのは、彼の心臓が動きを止めて、およそ、三時間ほどが経ったころだ。
 いつでもガラス越しに、眺め、言葉を交わしていた夫の口もとは緩み、やさしく微笑んでいる。顔に触れてみれば、思いのほか柔らかかった。細い腕は、その印象よりもずっと逞しく、手首から肩にかけて何度か擦っていると、やはり、このひとに抱かれてみたかったという切ない思いが溢れて、涙がこぼれた。
 このひとは長い間洗脳されてい

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詩 | 明日が見えなくて

詩 | 明日が見えなくて

明日はきっと君に会える
明日はきっと君に会えない
君に会える 君に会えない

会える 会えないって
花びらを何回もちぎってみたら
君にぜったい会えるって思った

今日 やっと君に会えるって
ぜったい会えるって思ってたのに
いつまで経っても君は現れない

見えていた明日は
いったいなんだったんだろうね
君に会える日なんて
来なかったじゃないか

明日は君に会える 
ぜったい君に会えると思ってみても

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短歌 | すれ違い

短歌 | すれ違い

ただ聞いて
ほしいと思った
だけなのに
わきみちに逸れ
わたしのせいね

ひとはみな
地球のヘソに
生きていて
メタの視点を
得ることもなく

文字の先
想像力が
足らなくて
病んでる君に
気づくことなく

ズタズタに
切り裂かれゆく
精神も
見た目変わらず
人知れず病む

最悪の
タイミングほど
来るLINE
既読スルーも
難しいもの

ひとはみな
いつもどこでも
泣き笑顔
涙隠して
無理に微笑

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~6/2お題 | [ 青ブラ文学部 ] a fatal bond...?

~6/2お題 | [ 青ブラ文学部 ] a fatal bond...?

「#腐れ縁だから」というお題で作品を投稿してみませんか?
#募集要項はこちら
「#青ブラ文学部」というタグをつける。
一応の締め切りは2024/06/02(日)とします。

お題は「#腐れ縁だから」ですが、「腐れ縁」という言葉がタイトルまたは本文中に使われていればOKです😊。

エッセイ、小説、詩、写真・イラスト、音声、動画、楽曲など表現方法には制約はありません。

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有料記事について

有料記事について

 最近「有料記事」が目に付きやすくなった。今までそれほど有料記事か無料記事かということを気にせずに、タイムラインに流れてくる投稿された記事を開いて読んでいた。しかし、タイムラインの仕様が少し変わって、有料記事には「○○ポイント」みたいな表示されるようになったから、目立つだけなのかもしれない。

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短編 | 智宏と朋子

短編 | 智宏と朋子

 高校を卒業して、ある地方の大学に進学した。第一志望の大学ではなかったから、自己肯定感なんてもてなかった。
 それでも、サークルに入って友人が増えてきて、この大学でも良かったのかな、と5月半ばの頃には思えるようになった。

 講義が終わって、なんとなく体を動かしてみたくなってテニスコートに行くと朋子さんがいた。

「あ、智宏くんだ。ちょっと軽く運動したいなって思ったんだけど誰もいなくて。よかったら

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