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エッセイあれこれ、それ、どれ?

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ふと思って、ふと書きたくなったこと。思いつきをただ書きつづっただけ。まとまりのないものを、ここにおさめようと思っています。また、他のクリエイターさんの記事で、心に刺さったものを、… もっと読む
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2023年6月の記事一覧

枕の上から天井を見下ろす

枕の上から天井を見下ろす

Neat'sという歌手がいて、その人の「MOA」というアルバムに入っている歌に出てくる歌詞の一節。

残念なことに、どの歌だったか忘れてしまった。

この歌詞を見た時、ハッとした。

そうだ! と思った。

私は眠れない時、いつも枕の上から天井を見下ろす。無重力の暗闇を漂うような感覚でいる。

天地が逆になって、枕の方に重力が働くのではなくて、天井に引っ張られていくような、不思議な感じ。

眠たい

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読書感想文ーー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』

読書感想文ーー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』

コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』を読了した。

この本は、アメリカに「ウェブスター」という日本で言う「広辞苑」みたいな存在の辞書があり、その辞書編纂者(著者)のオフレコというか、辞書編纂という仕事への信念というか、このように仕事をしている、英語への愛、というようなことが書かれた実録本。

三浦しをんさんの『舟を編む』の、英語版(小説ではない)と思ってもらえればいいと

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灼熱の砂上を歩むTバック

灼熱の砂上を歩むTバック

🌻俳句🏖️

灼熱の砂上を歩むTバック

しゃくねつの|さじょうをあゆむ|てぃーばっく

黒光り松崎しげるかもしれぬ

くろびかり|まつざきしげる|かもしれぬ

→松崎しげるはたぶん夏の季語。

潮風に君が好きだと告る夏

しおかぜに|きみがすきだと|こくるなつ

🌻川柳🏖️

ジジババよ!エアコンつけな!死んじゃうよ

→無理せずエアコンを使ったほうがいいお年寄りのほうが我慢しがち。無駄

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🤔文学を科学する | 球体の鏡の中に入ると?

🤔文学を科学する | 球体の鏡の中に入ると?

 文学と科学。文系と理系。好みがどちらかに偏る傾向があり、文学は文学、科学は科学と別個のもののように考えることが多い。
 この記事では文学作品を科学してみようと思う。

(1)江戸川乱歩『鏡地獄』

 江戸川乱歩の作品に『鏡地獄』という作品がある。
 全面鏡張りにした球体の中へ入ると、どのように見えるだろうか?
 作品の中ではハッキリと書かれていないが、再現した動画がある(↓)。
 ちょっと想像し

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短編 | ラスコーリニコフその後

短編 | ラスコーリニコフその後

 なぜ私はここにいるのだろう?犯行前後は意識が混濁してしまった。しかし、理論的には瑕疵がなかったという思いは消えていない。なんとなくな日々がつづいている。今夜はこのモヤモヤした気持ちを何とか整理したいものだ。

 消灯の時間がやってきて、辺りの喧騒がおさまった。私は自分と向き合うことにした。

 まず、もう一度、私の殺人理論に誤りがなかったかどうか、確認してみよう。

 食うに食われぬ前途有望な1

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戯曲 | 街クジラ

戯曲 | 街クジラ

👩「『街クジラ』って知ってる?」

👨「まじクジラ?」

👩「ははは、違うってば。ま・ち・く・じ・ら。『街クジラ』ね」

👨「なに『街クジラ』って?」

👩「教えてほしい?」

👨「いや、べつに… …」

👩「気になるでしょ?」

👨「いや、それほどでも」

👩「じゃあ、『街クジラ』っていう言葉で連想したこと言ってみ😃」

👨「連想ゲームか… …それは楽しそうだな。じゃあ、思

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引用も創作の1つ

引用も創作の1つ

引用のルール

「noteの使い方」をたまに読む。引用について、このように(↓)書かれている。

「出所を明示すれば、著作権者の許諾なしに利用できるものとされています」とある。

「出所を明示する」とは具体的にどうすればいいだろう?

 大学で論文を作成するときに指導されたのは、「著者名」「タイトル」「出版社名」、「ページ」、できれば「発行年」(改版される場合もあるので)を書くことである。
 また

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短編小説 | カルデラ

短編小説 | カルデラ

(1) 彼女と出会ってから、半年以上が経った。初めて会ったときから、ひかれるものがあった。
 最初に、ルックスに魅せられたことは否定しないけれども、会話をしても、とても楽しい。

 どちらが先に誘ったのかわからないくらい、行ってみたい場所も、一緒にやってみたいことも、こわいくらい一致した。

(2) 初めてのデートのときも、天気のよい日だったから、海に誘ってみようと電話しようとしたら、携帯に「海に

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短歌 | 👩‍❤️‍💋‍👨ハグするブラ👙

短歌 | 👩‍❤️‍💋‍👨ハグするブラ👙

👙ハグするブラ👙短歌👙

ワ 若くない
コ こんなあたしを
ー 一番の
ル ルックスだよと
の のろけながらに

ブ ぶっちゃけて❗
ラ ラブな言葉を…
ン ん?!無理か⤵️
ド どんな時でも
の のんびり行こう!

ブ 文庫本
ラ 羅列ばかりの 
短 短歌でも 
歌 歌にのせれば
に にわかに響く

し 詩を書くも
て テーマはいつも
み 未知のもの🙄
た 試して転び
よ ようやく浮かぶ

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エッセイ | 書くことがない

エッセイ | 書くことがない

「今日は書くことがないなぁ」と思うことはありますか?
 私は結構「書くことがない」と思うことがあります。今日も「書くことがないなぁ」という感じなのですが、「書くことがない」ということについて書くことにしました。

「書くことがない」とは何か?

 一口に「書くことがない」といっても、その意味するところは、さまざまだろう。
 思い付くままに「書くことがない」の意味を列挙してみる。

①書く「ネタがな

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エッセイ / 旅の思い出は文字で残せ!(redundancy)

エッセイ / 旅の思い出は文字で残せ!(redundancy)

 携帯電話が普及した頃は、まわりに誰もいないのに話している人を見ると奇妙な感じがした。
 しばらく経った頃、携帯のアンテナを長く伸ばして話す人、そのまま話す人がいるのを見るのが楽しかった。

 スマホが普及してくると、何でも写真を撮るのが当たり前になった。今では、カメラで写真を撮る人より、スマホで写真を撮る人のほうが多いだろう。

 しかし、簡単に映像を保存できるようになったが、撮った写真や動画を

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短編小説 | 慈雨

短編小説 | 慈雨

 昭和○○年のある初夏の頃、こんなことがあった。

 買い物を済ませた帰宅途中、大雨が降りだした。遠くで雷鳴が響いていたが、ここにこんなにも早く雨が降るとは思っていなかった。
 あっという間に、まるで川が氾濫したかのような深さになった。

 なんとか無事に家にたどり着くことができた。ぐっしょりと濡れた衣類を脱ぎ、シャワーを浴び、新しい服に着替えた。そのときやっと、気持ちが落ち着いてきた。

 気持

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はじめての恋

はじめての恋

 高校は女子校だった。だから、3年間、ほとんど男の子と話す機会はなかった。恋愛に興味がなかったわけではない。けれども、受験が終わるまでは、勉強に集中しようと決めていたのだ。

「あと、半年でセンター試験が始まるね。高3って、定期テストとか、実力テスト、週末には模擬テスト。テストばっかりだよね。普段の勉強時間よりテストしてる時間のほうが長いような気がしてくるよ」

「ホントそうだよね。せっかくのJK

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