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青ブラ文学部・オススメ記事

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オススメの記事の紹介したり、個人企画への応募作品を収録します。 たくさんの方に読んで頂きたいと思った記事のまとめ。
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#ショートショート

いやんズレてる【ショートストーリー】(青ブラ_第3回変態王決定戦参加作品)

いやんズレてる【ショートストーリー】(青ブラ_第3回変態王決定戦参加作品)

 「わたくしカブラギ商事の葛城桂子と申します」
 「はっ」
 「かつらぎ・けいこです!」
 「ボヘミア〜ン?」
 「はあ? あっ、すみません」桂子は、言われることを分かっていつつも恥じらった。
 「はあ、とは何ですか。顧客に向かってその言葉遣いは?!」
 「だって、山田様あまりにもふざけているものですから」
 「・・・・・」山田は思わず黙りこくった。
 「私がカツラだからって少し軽く見ていませんか

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【#青ブラ文学部】可愛い同僚

【#青ブラ文学部】可愛い同僚

 僕の同僚に信じられないほど可愛い子がいるが、必ず語尾に「だほほほ〜ん」とつけて話すので、毎回吹き出しそうになる。

↓今回参加した企画はこちら

【ショートショート】君に届かない(761字) #青ブラ文学部

【ショートショート】君に届かない(761字) #青ブラ文学部

 仕事帰り、スーパーに寄った。買い物を済ませて外に出ると日が傾き始めていた。買い物袋を片手に坂道を下りながら、空はどんどん色を変えていく。
 向こうから女の子が歩いてきた。黒のボブヘア。膝丈のスカート。グレーのブレザーで近所の高校の子だとわかる。
 俯きがちにとぼとぼと歩くその子。やれやれとゆっくり歩く私。やがて私たちはすれ違った。
 その時、私はふとあの心もとなさを思い出したのだった。
 あのく

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【#青ブラ文学部】くされ縁

【#青ブラ文学部】くされ縁

おい、腐れ縁。
そんな所にいたのかよ。
またパチンコで負けて、ベンチで寝っ転がっていたのか?
いい加減、そろそろ目を覚ませよ。
社会はお前のために養っているんじゃないんだぞ。
確かに上司にセクハラされたのは辛いと思う。
だけど、毎日タバコと酒に溺れて、パチンコや競馬に行っていたら本当に腐っちまうよ!
なぁ、頼むよ。
頼むから、あの頃の可愛い緑に戻ってくれ!
黄金のアイドル時代のトップに君臨していた

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腐れ縁だから

腐れ縁だから

ドスッ

「っす」
挨拶らしき吐息と同時に真由の右膝蹴りが冬馬の尾てい骨にヒットする。

「……」
ってぇ、という言葉をなんとか呑み込み、なるべくバレないように尻をさする。いやかなり痛い。これを小学生の頃から毎朝食らっている。そのうち骨折してしまうんじゃないだろうか。なんていうんだっけそういう蓄積していくやつ、そう疲労骨折。

「授業なくてラッキーだよね」
今日は年度始めの体力テストデーだ。保育園

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突然ショートショート「帰りたい場所の話」/青ブラ文学部

突然ショートショート「帰りたい場所の話」/青ブラ文学部

 帰りたい場所の話をしよう。
 毎日を楽しく過ごしていられるのは、帰りたい場所があるからだという話を聞いたことがある。

 どこで聞いた、とないう訳ではなく、今思えば何かのCMだったような気がする。
 だとしてもあれはいい言葉だった。そうでもなければ数年も私の脳裏に残ることはないだろう。

 さて、今日も私はとある大企業の一員として、日々汗を流しながら働いている。
 いつも遅くまで働いているので、

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SS【帰りたい場所】#青ブラ文学部

SS【帰りたい場所】#青ブラ文学部

山根あきらさんの企画「帰りたい場所」に参加させていただきます☆

お題「帰りたい場所」

【帰りたい場所】(1122文字)

「あなたが帰りたい場所はどこですか?」
 白衣の男にそう聞かれた。
「聞いてどうするんですか?」
 わたしは聞き返した。答えたところで帰してくれるわけでもなかろうに。
 それにしてもここはどこだろう。白内障のせいかよく見えない。病院の中だろうか?
 白衣の男は、目元を和らげ

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【#青ブラ文学部】門限は19時。

【#青ブラ文学部】門限は19時。

 家に帰りたいけど、妻に渡された買い物メモがどれもRPGのダンジョン並に難易度が高すぎて死にそう。

↓今回参加した企画はこちら

全体ビュー50万|文学トリマーと帰りたい場所。

全体ビュー50万|文学トリマーと帰りたい場所。

文章を読んで「空白」を埋めなさい

問題を解くたびに
私はいつも心が重くなります

書くことでも
描くことでもない

埋めることはまるで
空白の死を意味しているみたい

無垢な空白を
埋葬しているような

悲しい気持ちになります

進路を決める時期が迫っていても

私は答えを探しつづけました

空白を埋めない
私だけの色を

就職か
進学か

2択じゃない
未来の選択肢を探し求めて

文学トリマー

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君に届かない【青ブラ文学部】【ショートショート】

君に届かない【青ブラ文学部】【ショートショート】

第二外国語はドイツ語を選択した。深い理由はない。好きなサッカー選手がドイツ人だったからだ。授業を受け持ったのはドイツ人女性のハンナ先生だった。

「ドイツでは男女平等の認識が高くて、様々な分野で女性が活躍しています。ドイツを代表するメルケル前首相も誕生しましたね」

授業の初めに時事ネタを話すのが通例だった。

「ジェンダー問題で想いが届かず苦しんでいる人たちがたくさんいます。最近はようやく日本で

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【短編小説】君に届かない(#青ブラ文学部)

【短編小説】君に届かない(#青ブラ文学部)

 《約2400文字 / 目安5分》

 誕生日にミサンガを貰ったことがきっかけだった。

 部活が終わって、外はもう暗くなり始めていた。ぞろぞろと部活仲間は帰っていく。友達からは一緒に帰ろうと誘われたが、今日は一人で帰る気分だと言って断った。カッコつけんなよとバカにされたが、僕はそれでよかった。

 なぜなら、同じ部活の女子から一緒に帰ろうと誘われたからだ。

 その人のことが好きだったわけではな

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【#青ブラ文学部】大事な話

【#青ブラ文学部】大事な話

〜〜〜〜!!!
〜? 〜〜〜!!
〜! 〜! 〜!
〜〜〜〜? 〜〜〜!!!
〜〜〜〜???
〜〜〜〜?!
〜〜〜〜!?

……あ、ごめん。マイクをミュートにしたまま喋っちゃった。
 これじゃあ、いくら話しても君に届かないよね! アーーハッハッ!
 ハハハ……え? 何を話していたのかって?
 あぁ、それね……今なら100%儲かる株の話が……って、あれ?
 もしも〜し? もしも〜し!
 マイクのミュ

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SS 最高の彼女 【君に届かない】青ブラ文学部用(730文字位)

SS 最高の彼女 【君に届かない】青ブラ文学部用(730文字位)

 君に届かない、並んで歩きながらいつも感じる。

「なんか猫背気味?」
「だって身長がまた伸びて……」

 彼女は170cmを軽く越えていた。だから自分と一緒に歩くときは、かかんで歩く。

「気にしないでくれ、俺は平気だから」
「うん……まぁ……そうだけど、バランス悪く見るかなと?」

 心が痛い、確かに美人で頭も良くて背が高い彼女と並ぶと、まるで弟みたいな気分だ。

「身長ごときで、コンプレック

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【#青ブラ文学部】永久欠番のあなたへ最高の名誉を

【#青ブラ文学部】永久欠番のあなたへ最高の名誉を

永久欠番のあなたへ

 あなたが私達に与えてくれた恩恵は計り知れません。
 まず、人をぶん殴る事以外使い道がないと思われた木の棒をバッドという魅力的な道具にしてくれました。
 次に水分補給や防具ぐらいしか価値の無かったヤシの実をボールという画期的な使い道がある事も教えてくれました。
 他部族との抗争に疲弊しきっていた我々に野球という刺激的なスポーツを教えてくれたあなたに我々から永久欠番の名誉を送り

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