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青ブラ文学部・オススメ記事

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オススメの記事の紹介したり、個人企画への応募作品を収録します。 たくさんの方に読んで頂きたいと思った記事のまとめ。
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#note投稿企画

伏見の鬼 16 l 気になる口癖

伏見の鬼 16 l 気になる口癖

 おれは運がいい。
 既に口癖である。
 それは師である近藤勇から伝授された。いつも魂魄にそう抱いておれば、幸運は先方より訪のうてくるものだと。
 鋒が地表を這うが如きの地擦り下段のまま、抜き身の白刃を下げた相手に、沖田総司が肉薄する。総司は地表の砂埃を舞わせる、一陣の旋風と化す。唇を堅く結び、数瞬にて間合いを詰めていく。
 その足音に、正面の男が青筋を逆立てて驚愕する。彼の振り返りざまに、下段か

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~6/9  [青ブラ文学部]| お題 | 気になる口癖

~6/9 [青ブラ文学部]| お題 | 気になる口癖

「気になる口癖」というお題で、記事を投稿してみませんか?

 上司、先生、親友、パートナーなど、印象の残る口癖ってありますね。

 ふだんの「青ブラ文学部」は、小説や歌詞、詩など、文学的な作品からお題を探していますが、今回は池辰彦さんのこちらの記事を拝読して決めました。

 「適当に」「要するに~」「なるほど」など、なにげなく口にする言葉にその人の考え方や人柄が現れるようです。
 実生活の人間観察

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あなたは誰? #青ブラ文学部

あなたは誰? #青ブラ文学部

昔から、縁を切りたくても切れない。
決して、嫌いなわけじゃないんだけど、たまにあなたのことが誰だかわからなくなる時がある。

例えば、漢字1文字だけを見続けていると、記号に見えてくることはないですか?

「字」という文字をずっと見続けていると、私はなんの意味も持たない記号に見えてくる。
初めは、「ウ」という文字と「子」という文字に別れて見えるんだけど、それを通り越して見続けると、なんの意味なのか全

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[青ブラ文学部] 腐れ縁だから / 帰りたい場所

[青ブラ文学部] 腐れ縁だから / 帰りたい場所

#募集要項はこちら #青ブラ文学部 #腐れ縁だから
(締め切り2024/06/02)#青ブラ文学部 #帰りたい場所
(締め切り2024/05/26まで)毎週金曜日の深夜(土曜日0:00頃)にお題の記事を投稿しています。
翌週の日曜日を締め切りにしているので、土日には2つのお題が重なります。
両方のお題を1つの記事にしてくださる方もいらっしゃるので、今回は2つのお題の記事を分けずにご紹介したいと思い

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~6/2お題 | [ 青ブラ文学部 ] a fatal bond...?

~6/2お題 | [ 青ブラ文学部 ] a fatal bond...?

「#腐れ縁だから」というお題で作品を投稿してみませんか?
#募集要項はこちら
「#青ブラ文学部」というタグをつける。
一応の締め切りは2024/06/02(日)とします。

お題は「#腐れ縁だから」ですが、「腐れ縁」という言葉がタイトルまたは本文中に使われていればOKです😊。

エッセイ、小説、詩、写真・イラスト、音声、動画、楽曲など表現方法には制約はありません。

ご応募していただい

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[恋文ラブレター] | #帰りたい場所[青ブラ文学部]

[恋文ラブレター] | #帰りたい場所[青ブラ文学部]

#青ブラ文学部 #帰りたい場所 #募集要項はこちら
#南かのんさん

南かのんさんは、歌で企画に参加してくださいました。ありがとうございます。
今回は珍しく、ロックの曲です💝。

もう1つ御紹介したい記事があります。
flower seed 2周年企画で、かのんさんが詩の朗読をしてくださいました。

とても心のこもった朗読で、noteをやっていて本当に良かったな、と思いました。これは聞かないと

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[個人的に今日の注目記事](非論理性) | [青ブラ文学部](帰りたい場所)

[個人的に今日の注目記事](非論理性) | [青ブラ文学部](帰りたい場所)

#個人的に今日の注目記事 #aiさん
#早織さん

 人との関わりの中で、生きづらさを感じている人も多いと思います。
 人間付き合いとは、自分とは異なる個性を持つ人と触れあうこと。極端な言い方をすれば、自分以外の人との交流はすべて異文化コミュニケーションだと言えます。
 
 考え方も感じ方も、誰1人として自分と全く同じだということはあり得ません。もちろん相性がいい・悪いというものはありますが、基

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青ブラ文学部1周年💝「帰りたい場所」作品紹介

青ブラ文学部1周年💝「帰りたい場所」作品紹介

 強い明確な意思をもって始めたわけではない「青ブラ文学部」ですが、本日ちょうど1周年をむかえました。

こちら(↓)が
1番最初の「青ブラ文学部」。

 ここまで続く企画になるとは、当初はまったく思っていませんでした。

 基本的にnoteの記事は、それぞれのクリエイターが自分自身で思ったことや、創作した作品を自由に書くものだと私は考えています。

 note以外の実生活のほうが大切なことは、言う

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伏見の鬼 13 ♯君に届かない

伏見の鬼 13 ♯君に届かない

 宵闇が深くなった。
 総司は階下の一室に座していた。
 二階では娼妓の嬌声や喘ぎが漏れてきて、己が獣を抑えきれなくなる。
 膳には酒の癇が添えられてはいたが、手を付けずにいる。小鉢物のつまみだけを箸で掬いながら首尾を待っていた。
 階上から小刻みな足音が降りてきて、そのまますたすたと襖の前に立つ気配がする。それに、応と声を掛けた。
「で、首尾は如何であったか」
「薄雲さまから、是非ともお上がりく

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#君に届かない

#君に届かない

 遊歩道はひび割れていた。
 炎熱と風雪の痕跡だろう。
 石段に走る隙間から、新芽の息吹が顔を出していた。
 冬枯れの遊歩道を歩き続けて、汗ばんできている。歩を止めると吹き下ろす北風に意地悪を感じる。
 夜景で有名なスポットで、恋人たちが願掛けに来る場所だ。
 むしろ夜の方が賑やかかも知れない。都心から進出して来た洒落たバーガー店もとっくに閉店して、お知らせの貼り紙も色褪せている。
 展望台からは

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