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フォルマシオン・ミュジカルで何が教えられるか?

フォルマシオン・ミュジカル、聞いたことあるけれど、一体何をどうやって教えればいいのかな?と思っていらっしゃる方はたくさんいると思います。今日はそんな方に少しでもフォルマシオン・ミュジカルの魅力が伝えられればと思って書いてみます。

フォルマシオン・ミュジカルは1978年にフランス文化省が制定した、それまでのソルフェージュに取って代わる総合基礎音楽教育です。こういう風に書くと難しく聞こえますが、言ってみれば音楽を学ぶ上で大切なことを丸ごと教える教育なんです。
ですから、どんな楽器をやる子供にも必要なものです。楽譜が読めなければ演奏することはできないですし、その楽譜に書かれていることだって、ただの音の高さとリズムの羅列ではなく、楽譜に書かれている音楽を読み取るのは一朝一夕でできるようにはならない。
音とリズムの全てを読めるようになる前の段階から、その他の音楽の要素を読み取っていく、音楽を立体的に理解できるように音楽の作られ方を教えていく、そういった教育だと認識しています。

楽典的な要素も少しずつ、なんとなく、繰り返し繰り返し学んでいくことで知らず知らずのうちに身につけていくというのがフランスのフォルマシオン・ミュジカルのやり方でもあるのですが、では、フランスとは違ってソルフェージュだけで別の時間を取れない場合、どういう工夫ができるでしょうか?

ソルフェージュは「読んでなんぼ」というところがあるので、レッスンでやっている楽譜、名曲の抜粋(ほんの一部なら初心者でも読める、という部分がある曲はあります。音名だけでいうのならベートーヴェンの運命の出だしを読むということだってできますよね?)、知っている歌を駆使して色々読んでみる、その過程で音楽について、音程についてちょっとずつ解説していくことはできます。名曲の抜粋を使ったのなら、その作曲家について少し話をしていくことで、生徒さんの音楽知識が深まります。

従来のソルフェージュのための教材を使うのはそれはそれでいいことですが、それだけにしてしまうと「ひたすら漢字の書き取りの練習だけをして国語の勉強をする」という感じになってしまうので、そこに生きた音楽を入れてみようということをお勧めします。

一言でまとめると、フォルマシオン・ミュジカルとは「音楽で音楽を教える教育」なのです。

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