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社会的フレイルに鍼灸師ができることって?

こんにちは。てっちゃんです。

”フレイル予防シリーズ”第3回となる今回は『社会的フレイル』について解説していきたいと思います。

第1回『フレイルの全体像』の記事はこちら👇

第2回『フレイルの概念』の記事はこちら👇

第3回『社会的フレイル』の記事はこちら👇


1.社会的フレイルに陥る7つの原因

前回も紹介した柏ステディによると、社会的フレイルの項目について全18項目を評価した結果、7項目の社会的な要因が介護認定リスクを高めることがわかっています。

【介護認定リスクを高める7つの社会的要因】
⑴.町外への外出が週に1回未満
⑵.半年前と比べて外出の頻度が減ってきた
⑶.月に1度程度、食事をする友人がいない
⑷.助けを求められるくらい親しい家族・親族が1人もいない
⑸.独居or同居者がいても孤食
⑹.年金を含めた年入が男性で140万未満・女性では世帯収入が120万未満
⑺.食事や社会的資源へのアクセスビリティが悪い

上記の項目をご覧になってみて、皆さんの普段担当している方で当てはまる方はいらっしゃいますか?こういった患者さんって意外と訪問現場だと沢山出会うのではないでしょうか?

訪問で出会う要介護状態に陥っている方は上記の項目が当てはまりやすく、社会的フレイルの状態だった方も必然的に多くなってきます。

また、上記の項目の中において現実問題、変えようのない項目も存在します。⑷−⑺は環境による影響も大きいため変えることは困難ですが⑴〜⑶であれば本人の意識変容によって改善することのできる項目です。

上記の項目に該当する患者さんに対し、「週に1回出かけることのできる通いの場があること」で社会的フレイルを未然に予防することに繋がります。

2.男女による社会的フレイルの原因に差がある

さらに、フレイル予防においては、男女による社会的な要因に差があることも注目です。
男性では外出の頻度が低下することで生活範囲が狭くなっていくことが原因因子であり、女性では友人とのつながりが疎かになることで生活範囲が狭くなってしまうということが原因因子となります。

従って、男性であれば友人との繋がりを作ることを目的としたアプローチではなく、外出するキッカケとなるような就労・ボランティアなど役割を与えて生き甲斐を持ってもらうことが重要ではないかと考えます。

一方女性であれば、1人で運動することを目的にするのではなく、複数人で参加し会話も楽しめるようなコミュニティ運営が重要だと考えられます。

男女によって特性が異なることから、関わり方も変わってきます。もしかしたら男女同じ空間でコミュニティ運営するよりも別々に分けて取り組む方が良い結果が生まれるかもしれませんね。

3.鍼灸師がフレイル予防に対して関わる上でのポイント

これまで出会ってきた在宅鍼灸師と話をしてきましたが、皆さん共通しているのは「地域のために何かできることはないか」と考えている人が多いと思います。

「地域で介護予防教室を開催したい!」ないし「開催することになった!」そういった際に、成果を出すために必要な条件を全国でうまく行っている成功事例にある共通項をご紹介したいと思います。

■フレイル予防をやる際の3つのポイント
⑴.フレイルを知る・気づくためのプログラムになっている
⑵.フレイルを自分事化する仕組みがある
⑶.住民が主体となっている

上記3つのポイントについてここから詳しく解説していきます。

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