小山壯二

高校から写真を始めて専門学校へ。プロの道へ入って45年。いまだに迷いながら新しい技術に…

小山壯二

高校から写真を始めて専門学校へ。プロの道へ入って45年。いまだに迷いながら新しい技術にも挑戦しています。目標は少しくらいトリミングされても崩れない、構図に縛られない、映えない、でも心引かれる、そんな写真を撮ることです。

最近の記事

PSEでポスタライズに挑戦

デジタルカメラの色彩や階調を調整する作業では、概ね滑らかな階調を維持したまま調整を行う場合が多いのですが、Canon PSEでは階段状の階調を指定し、ポスタライズ表現が可能です。 どの様な仕上がりになるのか、例を紹介します。 画像処理アプリのフィルターなど特殊効果で見かける映像ですが、PSEではこうした表現も可能です。 中身は以下の様になっています ポスタリゼーションのような階調表現のためには、基本設定で階段状のカーブを描くことです。RAW現像アプリでは可能ですが、カメラ

    • カメラを選ぶか?レンズを選ぶか?

      過去私のメインカメラはトヨビュー24G改とハッセルブラッドやペンタックス76などの中判がメインの時代が長くありました。35mmカメラがメインであった時期はありませんが、一通りのレンズを備えてはいました。カメラの選択肢は現代ほど多くなく、自分の撮影スタイルにマッチする、トータルでの組み合わせの善し悪しで選択していたように思います。 デジタルの時代になって、様々なスペックの競争からか、レンズはさておきカメラに対する注目度が最大になった時代が到来します。デジタル一眼は300万画素に

      • このレンズが好きです。TTArtisan-40mm-f28-C 

        B級グルメじゃない、見事なマクロですね。 花の多い季節では大活躍します。 フルマニュアルですが、作りがしっかりしていて良く解像するし、何より画面コーナーでも玉ボケが円形のままなのは凄いです。 KindleBookでもお手伝いしている齋藤千歳氏が紹介しています。 Kindle  ← 一度目を通してみてください。 このレンズが15000円程度で購入できます。 安価なサードパーティーが多い昨今ですが、「安物買いの・・・・」とはなりませんよ。

        • 自分好みのお気に入り常用色彩を作る

           私自身は長い間CANONユーザーですが、その色彩のファンではありません。 撮影時に頻繁に色彩を設定し直す事は面倒なので、殆ど設定は変えません。撮影時はもっと目の前に集中したいと考えています。どうしても必要だったら、RAW現像で後から何とかしようと考えます。 しかし、お気に入りの色彩を見つける事が出来ると、ファインダーにも反映するので、撮影中のモチベーションも上がり、シャッターを切る瞬間の満足度も高くなります。  今回は、私自身が普段最も多く利用している「高彩度ポジフィルムへ

        PSEでポスタライズに挑戦

          ピクチャースタイルエディターで、モノクロ制作-4

          ハイコントラストでモノクロ硬調印画紙のオマージュ 高齢と言われることに慣れそうでまだまだと抗う年齢ですので、最初に写真と出会った頃はモノクロフィルムを自分で現像し、プリントしていました。 モノクロのフィルムは現在のデジタルカメラからは創造出来ないくらいダイナミックレンジが広く、1枚のフィルムから様々なテクニックで、多彩な階調表現をしていました。使用する印画紙には号数というコントラストを表す指標があって、数字が大きいほどコントラストの高い仕上がりになります。最近Web上で目に

          ピクチャースタイルエディターで、モノクロ制作-4

          デジタルにおける色彩をしっかり学べる「色々雑学」の紹介

          デジタルにおいて色彩を正しく観察する為には、最小限の正しい知識を理解する必要があると、私が初めてパソコン(マッキントッシュ クアドラ900)を使い始めて痛切に感じたことです。 しかし当時はネット上に多くの知識が存在せず、カラーマネージメントを業務としている企業に飛び込みで教えを請うことで、少しずつ理解を深めてきました。そこで多くの師匠にであったことを幸運に思います。 ネットが普及し始めた頃、何年前か分からないほど前から存在し、分かりやすく且つ誤魔化さないで解説したサイトを紹介

          デジタルにおける色彩をしっかり学べる「色々雑学」の紹介

          ピクチャースタイルエディターで、モノクロ制作-3

          AdobeCameraRAWを越えるシャドウ再現のモノクロを目指して DPPは純正のRAW現像アプリですが、モノクロ生成について調整範囲は限定的です。カメラの性能を比較するのではなく、RAWデータから最大限シャドウ階調を引き出すには、CameraRAWの方が優れているといえます。 以下は、ピクチャースタイルをスタンダードとしたカラー画像と、CameraRAWでモノクローム生成した場合のシャドウ階調を比較しています。 カラーでは完全な黒と思われたシャドウ部も僅かながら階調が

          ピクチャースタイルエディターで、モノクロ制作-3

          311万画素機+Topaz Photo AIで2400万画素に対抗出来るか?

          Topaz Photo AIは最近非常にお世話になっているアプリです。 リサイズ拡大、ノイズ除去、シャープネスを1本にまとめたアプリを使って2700万画素越えの拡大処理をしてみました。 撮影 カメラ EOS 30D  レンズ EF 17-35mm F2.8L iso 100 1/500 F8.0 Topaz Photo AIを使って X 3倍のリサイズとシャープネスを加えた画像を作ってみました。 現代の2400万画素クラスに匹敵するかと言えば、ひいき目にも肯定は出来ませんが

          311万画素機+Topaz Photo AIで2400万画素に対抗出来るか?

          アプリの進化は四半世紀前のカメラを復活させる!?

          Canonのデジタル一眼で最初にCMOSセンサーを使ったカメラが2000年発売のEOS D30だと記憶しています。当時はCCDの方がメインでCMOSは廉価版のような空気でしたが、現在ではほぼ全てがCMOSです。有効画素数は311万画素ですがカメラとして最初からパッケージされた、最初のCanonデジタル一眼として、長らく愛用しました。 昨今のAiを使ったアプリの進化に興奮して、初代CMOS機は現代のアプリで生まれ変わるのか、強い興味が湧き当時撮影したRAWデータ(形式はCRW

          アプリの進化は四半世紀前のカメラを復活させる!?

          ピクチャースタイルエディターで、モノクロ制作-2

          前回はPSE(ピクチャースタイルエディター)でモノクロのPSを作る方法をお知らせしました。 今回は感色性の異なる常用出来るモノクロPSを2種紹介します。 始めに今回制作した2つのPSとCanon内蔵のモノクロームの比較を見てください。 今回の目標 オルソクローム風(オルソ1/2でしょうか) 青空が明るくなるのが特徴ですが、そこはあまり明るくしないで、赤付近が暗く再現されるような特性を目指しています。 パンクロマチック風 赤色の再現がかなり明るく、上のお花畑のように肉眼で感

          ピクチャースタイルエディターで、モノクロ制作-2

          ピクチャースタイルエディターで、モノクロ制作-1

          様々に自由な色彩設計が出来るPictureStyleEditorという仕組みで、様々なモノクロ再現にチャレンジします。基本的にモノクロは想定していないようですが、コントロールの「六軸色」で全ての彩度を最小にシフトすると、結果的にモノクロになります。ただしデータはRGBのままです。 では何故モノクロの設定を作れるのでしょう 「六軸色」で6個の色彩全ての彩度を-100とすれば、結果的にモノクロになります。このときに各色の明るさを調整することで、モノクロの感色特性をコントロール出

          ピクチャースタイルエディターで、モノクロ制作-1

          ピクチャースタイルは普段何を使ってますか?

          2回ほど面倒くさい話が続いたので、少し小ネタです ピクチャースタイルの選択にあまり頓着無く、後からなんとかするので、何でもいいや。という人やよく分からないので触らない変えない、という人が多いように思います。 ものぐささんには「オート」をお薦めします。 「オート」PSは被写体によって効果が微妙に変化する特性です。スタンダードとの差が全く分からない場合もありますが、大きくスタンダードとは違った仕上がりになるのが、青空を含む画像だと思います。参考のために2回目で紹介したVIVI

          ピクチャースタイルは普段何を使ってますか?

          ピクチャースタイルエディターにしか出来ない事-2 彩度で切り分け

          鮮やかに仕上げたいとき、RAW現像でもPhotoshopでも、急に現実感がなくなって、立体感とディテールを失ってしまうことは無いでしょうか。 後処理で単純に彩度+20とした場合にはチューリップ全体に彩度が上がり、現物感が薄れたように感じます。 原因はすでに高彩度である部分までが、さらに不必要なほどに彩度が上がったことだと考えます。 スタンダードで現像したデータの彩度をグレースケールで表します。 同じ花弁の中でもグラデーションがあり、彩度の差がみてとれます。この状態で真っ白

          ピクチャースタイルエディターにしか出来ない事-2 彩度で切り分け

          ピクチャースタイルエディターにしか出来ない事-1 輝度で切り分け

          ピクチャースタイルエディター(以後PSE)は、一般のRAW現像アプリや、Photoshop等の画像処理アプリでも不可能または、とても面倒な作業になることを、比較的簡単にこなす能力があります。 色彩をコントロールするときに、特定の色範囲をどの様に選択するか、切り分ける手段が豊富なのです。これから数回に分けて面倒であまり紹介されていない点を、解説します。 初回は、 同じ色合いでも明るさで切り分けて異なる処理を加える 画像処理アプリでも、RAW現像アプリでも、特定の色相で指定

          ピクチャースタイルエディターにしか出来ない事-1 輝度で切り分け

          デジタルカメラの色彩コントロール-3

          春にふさわしいトーンを求めて 長らくデジタルカメラと付き合ってきて、鮮やかで強烈な色彩の色設定は様々にあるのですが、私には春のイメージと合いません。日差しがどことなく柔らかく、日に日に鮮やかさを増してくる春の風景は、特別な存在と感じています。今回紹介する「春うらら」は、カメラに登録しても良し、現像時に選択しても良し、汎用性は高いと思います。 EOSの鮮やかモードを代表するピクチャースタイル(以下PS)「風景」と比較して紹介します。 4つの作例を並べましたが、空の色合いのせい

          デジタルカメラの色彩コントロール-3

          山歩きのお供カメラは、ズーム範囲と重量

           健康のため数年前から始めた山歩きが楽しくて、根っからの写真好きとして必ずカメラを携行しています。 私の常用しているセットとそれぞれのお気に入りポイント等を紹介したいと思います。 基本的に山ではレンズ交換したくないので、ズームレンズになりますが、トータルでの重量とズーム範囲が拘りポイントです。 可能であれば軽くて小さいフルサイズ換算で24mm〜135mmのズーム範囲があり、拡大率0.2倍程度には近接が出来る仕組みが好ましいので、必然的にAPS-Cになってしまいます。 FIJ

          山歩きのお供カメラは、ズーム範囲と重量