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会いたい人に会う①「何をするか」



やほまる☻ あっきーです。


最近は、何年も疎遠だった友人や先輩に勇気を出して連絡取ってみたりしている。


時間を作って貰い、実際に会って話をするのだ。



今日は、
高校のときに「アメリカに行きたい。」と純粋で強い意志を持って渡米した同級生と、6年ぶりに再会した時の話である。


「どこでするか」じゃなくて「何をするか」
“Where” じゃなくて “What/How” なのよ。



一度は聞いたことがあるような言葉。
しかし、これが本投稿のテーマだ。



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少しだけ彼女の説明を。

高校2年生の春。
突然彼女は、クラスメイトである僕たちに渡米を打ち明けた。

素直に受け止めるには余りにも大きすぎる決断だった。

その後、
アメリカで高校を卒業し、大学に進学。
そのままアメリカで職に就いたらしい。

残念ながら、コロナ禍をきっかけに帰国。

ざっくりこんな感じである。
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あと5ヶ月で社会人になる僕は、働くことに対する理想を貫き通せるのか不安だった。過去投稿「働く意味を探す旅」で述べたことは、結局のところ綺麗事だろうという思いが拭いきれないのである。


だから、強い意志を持って行動決定をしてきた人と話がしたいと思ったのだ。


自分の進む方向が実現可能なのかを考えたいのだ。



面白いことに(悲しいことかもしれないが)、過去25年出会ってきた人を思い浮かべたところで、「この人と会えば何かに気づくことができるかもしれない。」「刺激が貰えるかもしれない。」と感じる人物はそういないものだ。まぁ、自分だってそちら側の人間だから、、と納得した。



6年ぶりの再会にも関わらず、彼女は僕の悩みに対して真摯に耳を傾けた。
そして、彼女がアメリカと日本で生きて感じたことを教えてくれた。






「まず始めに言っておくけど、私はアメリカで5年過ごしたこと自体を凄いとは思わないし、それをひけらかすのは嫌いなの。」
彼女はちょっと笑って、でも真剣にそう言った。


「わかってるよ(笑)そういうタイプじゃないのは知ってるつもり。」


「なら良いけど。えっと、、、働くことについてよね?働くことに対する価値観で、日本に帰って来て少し悲しかったことがあるんだけど…」


「悲しい?」


「仕事を楽しいって言ってる人がいないの。少なくとも私の周りには。」


「わかる。僕の周りもそうだ。」
近年、転職が当たり前なんて風潮であるが、キャリアアップを見据えてなんて理由は少ない。嫌になったからとりあえず辞めて、とりあえず次の職に就くのである。


「でしょ?もう一つの話に繋がるんだけどさ。」
彼女からは、今から話すことが“僕”が聞きたかった話だと思うよ、と言わんばかりの雰囲気が出ていた。


「もうひとつ?」


「日本で友達に会って、『今なにしてるの?』って話題になった時に必ずと言っていいほど『○○で働いてるよ。』って返ってくるの。」
至って普通の回答である。


「それのなにが悲しいの?」


「そう、それが普通なのね。でも、私は悲しいの。」
困惑する僕を差し置いて、彼女は真剣だった。


「申し訳ないけど、何を言ってるかよくわからない…。今どうしてんの?って聞かれたら、そりゃそう答えるんじゃない?」


「アメリカでは『プログラマーとしてこんなシステム作ってるよ。』とか、『セールスマンとしてこんなもの売ってるんだ。』って言うの。何をしてるか。何を頑張っているか。それを言うの。次に『それはどこでやってるの?』って話題が広がっていくのよ。」
あー、腑に落ちた。これだ。


「なるほど…。」


「どこでなんて興味ないの。その人が何に取り組んでるかが大切で、実際みんなそう思って働くのが普通なのよ。」
それがまさに僕が目指す姿なのだ。


「『どこでするか』じゃなくて『何をするか』
“Where” じゃなくて “What/How” なのよ。」


図らずも彼女の口から聞きたかった言葉が聞けたことに、嬉しさを隠せなかった。


彼女は続けて言った。
「だから“僕”の働く上での価値観は素敵だと思うよ。周りが給与や福利厚生だけを気にしてる人が多いから“僕”の価値観が理想論かもしれない…って後ろめたい気持ちになってしまうのは可哀想だね。その価値観を信じる信じないの話じゃないの。実際に、“僕”の価値観がスタンダードな国も地域もあるんだから。」


「…ありがとう。」


彼女からすれば、ありがとうなんて言われる筋合いは無かったかもしれない。けれども、思わずそう伝えていた。


「だから、最初に言った通り。私はアメリカで5年過ごしたこと自体を凄いとは思わないし、それをひけらかすのは嫌い。留学なんて、言語が違うだけで日本と同じ生活をしてたとしたらただそれだけ。ただそれだけなの。






そのあとは小説の話なんかで盛り上がった。
僕が森見登美彦を読んでいることに、下半期1番テンションが上がったと興奮していた彼女は素敵だった。


万人受け森見。ミステリー森見。THE・森見。いろんなタイプの森見登美彦がいるらしい。


まだ2〜3冊しか読んでないから読んでみようかな。ミステリー森見なんて気になるな…(笑)



帰り道、「僕は僕のまま生きるんだ。」と
ちょっと晴れやかな気持ちで夜を歩いた。


夜は短し、歩けよ僕。

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