8/9 カタカタ

昨日から30時間ほど連続でパソコンをカタカタしたせいで、少し寝た今日もまだ脳みそがカタカタ揺れています。

今アルバイトでやっている動画編集というのは、カロリーの消費が大きい割にはお金もさしてもらえず、正直なところ早くやめたいです。

昨日もやっと終わりかというタイミングで先方から電話があり、「この素人が噛んだところをさ、ちょっと面白い感じでイジってよ」と屈辱の発注を喰らいました。

肌に合わない注文なので「テロップいれるとかですか?」と適当にはぐらかしているうちに「そんなダサい事しないよ」となぜか怒られてしまって、僕がダサくなったところで電話が切られました。

先方はずっとこんな感じなので自分としては伝えたい言い分も沢山あるのですが、先日彼の首元と肩の二か所に昇り龍の入れ墨を確認したところなので、こちらとしてはもう返す言葉もありません。歳も18個上だし。


編集作業を覚える言い訳にパソコン自体の理解をおろそかにし続けたツケが回ってきたのか、最近パソコンの調子が常に悪いです。

僕の大学生活は4年目になるのですが、使ってるパソコンの数は既に4代目を数えます。

前使っていた3台は、当たり前に使っていたらある日突然画面が真っ暗になって意味不明な文字列に覆われ、色んなボタンをカチャカチャ押してるうちにいずれも散っていきました。

パソコンに強い父親から毎度「すごいなお前どうやったんだ」と聞かれても「何ってパソコンを触っただけだが?」と返すことしか出来ず、その後は父親の顔を見ながら大胆に泣きわめくなどして次のパソコンをおごってもらい、当代に至ります。代金はすべて出世払いを約束させられてるので、未来もそんなに楽しくなさそうです。


調子の悪いパソコンは下手にいじると危ないと経験則として身についたので、昨日はうめき声をあげてもっさり動くパソコンを前にしても終始キスアンドクライみたく手を合わせて祈り続ける事しか出来ず、自分の無力さに呆れて手首を切ってしまいました。


パソコン自体の操作も大変なのですが、編集という行為そのものもなかなかに苦しいです。

技術を学んでいくたびに最終的に大事なのは「頭の中で自分の作りたいものが描けるか」に収束していくのが分かりました。技術をたくさん身に付けていくほどに、頭でビジョンを描けず技術を持て余す自分が嫌になります。


そういえば最近、絵を描いていません。

小学生の頃は、校内で毎年絵のコンクールがありました。地元に住んでる90歳くらいの画商が独断で審査するどうしようもない企画だったのですが、学年でたった1人だけに与えられる「金賞」という称号になぜか強く惹かれて毎日絵描きに明け暮れていました。

結果、4年生以降に銅賞、銀賞とひとつずつ順位をあげて、最後の6年生でついに金賞を獲得する事ができました。

とても嬉しかったのですが、直後に金賞を取った直後に入賞した絵を別のコンクールに出したら、銀賞の作品が文部科学大臣賞に選ばれるという痛ましい事件が起こります。(風化させない)

金賞に輝いた僕も無事に奨励賞(参加賞)を貰うことが出来たのですが、この人生初の噛ませ犬体験は以降の人生に大きく影響を与えて、それ以来はまったく絵を描いていません。

画商も死んだらしいです。


頭の中で自分のビジョンを描くために自分を助けてくれるのは、多すぎても足りないほどのインプットです。

世の中には編集工学という学問もあるらしくて、東京大学を卒業したご立派な先生が書いた本を少しだけ読んでみた事があります。出だしから長ったらしくかつ難解な文章が永遠に続いていてたいへんに読みづらく、一体こんな本だれが編集したんだと思ったら編集工学の先生が編集していました。


基本的に編集はもっと良くしていこうという向上心の塊なので、より理想の生活を目指そうとすると日常が編集まみれになります。


Twitterも動画もぜんぶ編集だし、noteも、あとメイクとか、教育とかも編集っぽい。パソコンを連続でカタカタするのはもうこりごりですが、人生で自分が楽しかった瞬間は編集っぽい事をしているように思います。やっぱり編集が好きなのかもしれません。そういえば動画編集はもともと好きで始めた気がします。


予想外に苦しんだものの、カタカタの甲斐あってか動画は今日無事に提出できました。しばらくは満足いくまで休めます。


あしたは髪を編集していく予定です。素材がボサボサなので、いつもの倍くらい時間かかりそう。


おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?