8/30 地図②

(地図を2つ買った話を勝手にさせて頂いており、1つ目の話を前回書いたので今回はその続きということです。)

もう1つは北海道にある夕張市の地図を買いました。夕張市というのは、もう自分にとって全く縁もゆかりも無いような土地であるので、「メロンとか黄色いハンカチで有名になった道南の炭鉱街」といった感じの、僕が大好きなクイズをやる中で培ってきたような浅くて薄い知識と印象しか持ち合わせていませんでした。

ただ本当になんでもないと思っていたこの夕張市がとんでもないやつらだったようなのです。聞くところによるとこの夕張市、なんともう10年ほども前に「財政破綻」というものを経験して、街として完全にオワコンになったと言うではありませんか。

どういう経緯でそうなったのかについては別に知らないし、財政破綻を経験する事で結局一体何がどうなっていくのかなんて大学を留年してしまった僕なんかが知るはずもない上に、そもそも興味すらありません。(だってクイズに出なそうなので)

ですが、「市が破綻している」という事実を文字通りに解釈するとそれはもう普通に考えて世紀末とか2XXX年みたいな事だと思うし、そんなめちゃくちゃな街が本当にあるならかなり行ってみたいと思います。そう思い立って行動力にだけは定評のある僕は、すぐに泊まれるような宿を情報ごとにまとめた例の便利なサイト探しをしました。ですがその期待もむなしく、やはり終わっている街なのでそんな終わっていないサイトの情報など見つかるはずもありません。どうやら自分で探して自分で直電しなければ泊まることすら出来ないようでした。のっけから繰り出す先制パンチも、中々に終わっています。

それでも僕は早く夕張に行くことで、「自分より終わっている存在がいる」という事実を目の当たりにして大きな心の支えにしたいのです。夕張はオフィシャルで終わっている事が確定している、日本で唯一の反面教師によるパワースポットなのです。

そんなこんなで地図に話を戻すと、今回買った2つ目の地図は、そんな街が完全に終わってしまう何十年も前、具体的に言うと1930年頃に作られた手書きのイラストによるかなり味わい深い代物です。

当時は終わっているどころかまだ始まってもいねぇと言った感じの血気盛んな状態で、炭鉱業が急成長を遂げている最中だったこともあってかそれはもうおそらくウッキウキで書き込んだと思われる巨大な炭鉱施設のイラストとか社宅群のイラストがもうビッシリ描かれていました。80年後、これらの全てが完全に終わってしまうなんてこの時誰が予想したでしょうか?

80年前の地図を見ながら現在の夕張とリンクさせ、いかにしてこの街が終わっていったかに思いを巡らせてみるのは中々おもしろそうな道楽ではないでしょうか。

日々悩めるレディース&ジェントルメンの皆さんは、限界を迎える前に1度夕張へ足を運んでみることをオススメします。

おそらく、あなたなんて夕張にくらべたらまだまだ捨てたもんじゃないはずです。

おしまい。

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