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社会メモリーチェックの進め方

はじめに

日能研で配布され、一般でも売られている、みくに出版の「メモリーチェック」(メモチェ)。毎年7月末に発売されるため、「夏休みに取り組む」「追い込みに使う」という印象が強い教材です。また社会の「暗記」部分を象徴する教材です。
時事問題が多くなった現在、全体的に古くなりつつある印象はあります。ですが、知識のチェックにはまだまだ非常に有効です。それに時事問題が多くなったとはいえ、答えることそのものはメモチェに載っていること、という学校も多いです。そこで、メモチェの取り組み方の例を挙げたいと思います。

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メモチェの特徴

メモリーチェックは、社会の三分野(地理、歴史、政治)を、全部で80の単元に分けています。そして見開き2ページが一つの単元で独立しており、左ページにはその単元の解説、右ページに問題、という構成になっています。80単元を全て終わらせると、社会の知識がおおむね完成する、という教材です。「弱点診断テスト」もついています。

塾による違いと本稿のターゲット

サピやそこから分かれた塾は、メモチェに取り組む必要は低いと思います。普段から取り組む量が多いですし、コアプラスもありますから。ただ、コアプラスは「見て覚える」教材で、「書いて覚える」教材ではありません。そのため「書いて覚える」必要があると思う人は、メモチェに取り組むとよいでしょう。
また、早稲アカと四谷は「四科のまとめ」で知識の確認が可能です。「四科のまとめ」は、質量ともに十分なので、あえてメモチェに取り組む必要は薄いです。ただ「四科のまとめ」は、すでに知識を持っていることが前提なので、解説を見ながら解き進めることはできません。またメモチェには毎回最後に(四科のまとめでは少ない)記述問題があります。基盤となる知識が弱い人、「四科のまとめ」が全然進まない人、記述問題の練習をしたい人は、メモチェに取り組むのもよいかと思います。
日能研は、メモチェに取り組むことが前提になったカリキュラムになっています。進め方はそれぞれの先生によって指示が出るでしょうから、そちらを優先してください。
こうしたことからこの文書は、「塾のテキストに追加してメモチェをやる人」「大手塾に通わないで受験対策を進める人」がメインターゲットになっています。

始める時期

基本的には新しい年度のものが発売されてからすぐ、夏休み中に始めるのが良いでしょう。80単元を進めるのはかなり時間がかかります。

取り組む回数

知識の確認をメモチェだけで行う方は、最低2回は取り組むことが必要です。1回やって終わりではなく、2回目で正答できるようになることが重要です。中位~下位クラスでは3回やると、社会の知識問題はほぼ問題ないレベルになります。
他の教材と併用する方は、1回でもよいでしょう。ただし正確に書けているかのチェックは必要です。

ノートについて

メモチェを進める際は、専用のノートがあると、大幅に効率が上がります。日能研だと、1冊終わらせるともう1冊もらえるそうです。みくに出版のWeb通販や、ジュンク堂のWeb通販で入手できます。フリマサイトに上がっているかもしれません。終わらせる予定の冊数を準備しておくとよいでしょう。

各回の進め方

何も見ないで取り組むのが理想ですが、実際は時間ばかりかかって、得られるものは少ないでしょう。そこで左側の解説を読んでから、あるいは読みながら進めていきましょう。
各回の最後には、長めの記述問題がついています。ここまで完璧に解こうとすると、かなり時間がかかってしまいます。また回によっては、全然書けない回もあるでしょう。そこで1回10分~15分と時間を決め、その時間が来たらもう終わりにして、模範解答を書き込むようにすると良いでしょう。書くだけでも意味はあります。
また、いつ、どの時間に取り組むかという問題もあります。これは空き時間を活用したいところです。学校から帰ってきて1つ、学校が早く終わる日に2つ、といったように。週間のスケジュールに組み込んでもよいでしょう。

1回目と直しが重要

1回目は特にていねいに取り組みたいところです。特に漢字とカタカナ言葉は、お家の方がチェックした方がよいでしょう。1回目の○つけを雑にしてしまうと、間違ったまま覚えてしまう可能性があります。「墾田永年私財法」とか。
またメモチェは地理→歴史→公民の順に並んでいますが、1回目は順番に進めた方がよいでしょう。バラバラにやってしまうと、特に歴史は「流れ」がつかめなくなってしまいます。2回目以降は弱点から始めてもよいでしょう。
そしてもっとも重要なのが、「1回終わったらきちんと○×をつけ、直してから次に進む」ことです。○付けをせずにどんどん進めてしまう人もいますが、これはよくありません。なぜならミスを見過ごしてしまいがちになりますし、知識がしっかり定着しないからです。1回を完全に終わらせてから、次に進むようにしましょう。

過去問との関わり

10月を過ぎると、過去問を進めていくことになると思います。過去問に入る前に、メモチェを1周終わらせておくことが重要です。知識の「基礎固め」ができていないと、過去問の効率が大幅に下がってしまいますから。これはコアプラスや4科のまとめも同様です。過去問に取り組むのは、暗記系のテキストをひと通り終わらせてからがよいでしょう。

終わらせることが重要

メモチェに取り組んだ場合は、とにかく1周でもいいので「終わらせる」ことが重要です。特に下位クラスのお子さんは、勉強全てに自信がないことが多いですが、メモチェを1回終わらせると自信がつきます。2回終わらせれば、知識問題をほぼ問題なく解けるようになります。自信と安心感を得るためにも、メモチェは活用できるのです。

おわりに

メモチェは、反復練習や暗記といった、社会のネガティブなイメージを象徴したような側面を持っています。ですが達成感を育てることができますし、過去問を解くのに必要な「基礎固め」をすることができます。
うまく活用し、合格につながる実力を身につけていきたいものです。

追記

11月から始める人は、とにかく1周を目指しましょう。左側を見ないですらすら解けるようなら、基礎知識は問題ないです。そうでない場合は、1回ごとにきちんと直し、正しい知識を確かめながら進めましょう。

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