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障害者採用を考え始めた方にお伝えしたいこと

突然ですが、皆さんは障害者採用にはどのようなイメージがありますでしょうか?私が法人営業をしていた際に、よく人事の方から聞いた言葉として、

「うち、ビルが古くて、車椅子の方向けのトイレもフロアにないんです…」
という声がありましたが、障害者採用におけるファシリティ面というのは実際どの重要性が高いものなのか?ということについてお話したいと思います。


障害者採用におけるファシリティ面の重要性は?障害者の転職支援サービスの登録者数を分析


当社が提供する障害者に特化した転職支援サービス「dodaチャレンジ」の新規登録者数(直近3か月)のうち、身体障害者手帳をお持ちの方の中でも、
ファシリティに関する配慮を希望することが推測される身体障害のある方(上肢・下肢機能障害のある方・体幹機能障害のある方等)は、全体の15%程度でした。
障害者手帳をお持ちではなくても、駅からの近さや階段の有無は気になるところだと思いますので、重要なのは間違いないと思いますが、障害者採用で大事なのはファシリティ面だけではないというのはご認識頂ければと思い、数字を出してみました。

(当社も2月に田町駅徒歩1分から品川駅徒歩10分程度にオフィス移転がありましたが、駅近は魅力だったな…と個人的にも感じております…w)

現在の障害者採用市場における、各種障害者手帳を取得した就職者数

この記事を読んでくださっている皆さんは、ご存知の方も多いと思いますが、改めてお伝えさせていただきますと、現在の障害者採用市場における就職者数は、精神障害がある方が身体障害がある方の二倍以上となっております。

下のグラフはハローワークへ新規就職申し込みをした方の障害の種類別のグラフです。

2013年度より新規申し込み件数は身体障害がある方より精神障害がある方が多く、それに比例するように就職者数も精神障害がある方が多い状況となっております。

精神障害者保健福祉手帳とは?

何らかの精神障害(てんかん、発達障害などを含みます)により、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方を対象とし、医師の診断書を基に各市区町村にて発行されています。 対象となるのは全ての精神障害で、次のようなものが含ます。

気分障害(うつ病)
ストレスや病気など、様々な要因によって脳のエネルギーが足りなくなり、気分の落ち込みやイライラ、集中力の低下などの機能障害が起こる状態

双極性障害
躁うつ病とも呼ばれ、気分が高まっている躁状態と、気分が落ち込むうつ状態を繰り返す精神疾患

精神障害者の雇用状況は?就業上の配慮と雇用時のポイント

ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
Autism Spectrum Disorder (Disability)、略称ASDは自閉症スペクトラム障害と訳されます。自閉症、アスペルガー症候群(AS)などが統合された診断名です。特徴として、社会でのコミュニケーションや人との関わりに困難さを感じることが多いとされています。また興味や関心、行動が限定され、独特のこだわりや反復行動がみられます。

ADHD(注意欠陥多動性障害)
Attention Deficit Hyperactivity Disorder、注意欠陥多動性障害と訳されます。不注意、多動性、衝動性の3つが特徴で、集中が必要なことに集中できない、注意が長続きしない、落ち着いていられない、必要のない動作や行動が多くなる、衝動的に行動する、他人を遮って自分が行動する、といった症状がみられます。

LD(学習障害)
Learning Disability、一般的に学習障害と呼ばれます。全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のどれか、もしくは複数の能力において習得や実践に困難を感じる障害のことです。

発達障害者の雇用まとめ ~特性、定着率、雇用状況、採用・安定就労のポイント~

統合失調症
幻覚や妄想といった症状が特徴的な精神疾患。

てんかん
脳の神経細胞によって、突然意識を失うなどの症状(てんかん発作)を引き起こす疾患

不安障害
パニック障害やPTSDなどの、緊張すると発汗や赤面、動悸などが起こり、その不安が大きいことで生活に悪影響を及ぼしてしまう疾患

高次脳機能障害
事故による外傷や脳卒中などにより脳にダメージを受けたことが原因で、失語症や集中力の低下などの症状が起きる疾患

精神障害者の雇用状況は?就業上の配慮と雇用時のポイント

精神障害がある = 安定就業が難しい ではない

精神障害がある方々には、これから治療に向かう方やご自宅等で療養中の方もいらっしゃれば、障害と向き合いながら就業している方もいらっしゃいます。

中でも、当社のdodaチャレンジにご登録頂く方は多くの葛藤を抱えて、障害者手帳を取得され、障害者採用枠での就業を目指す方たちとなっております。
元気そうに見える方でも、体調が辛い時期を乗り越えての今であり、体調安定の為に多くの努力をされていらっしゃいます。(一文でさらっと書かせていただきましたが、登録者の方の障害への配慮事項や経緯などをお伺いしますと、ご自身の理解の深さなどに驚くことが多々ございます…。)
一般的に精神障害がある方と言いますと、安定就業が難しいというイメージがありますが、実は安定のための努力、自己認知を行い、一定の安定就業を実現している方も多くおられますので、是非この点だけは知っていただきたいと思います。

思ったより長くなってしまったので、今回はこれまでとし、
次回は「精神障害がある方が就職活動で関心があるポイント」「定着に向けて」をお話しできればと思っております。

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