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神と呼ばれた男

昨日の予報は終日雨

記事を投稿し
届けられた記事にニヤニヤしていると

外の雨は一時的と思われるが止んでいた
笑っていると運に恵まれるのではないかと思ってしまう

目の疲労感もあり
予定を変更しランニングに出かけた

「明日の記事は健康か運動に関するものにしよう」
「一人でもよいから、ためになる記事にしよう」

そんなことを思いながら走っていた

いつものようにお地蔵様に手を合わせ
折り返した頃
小雨が降り始めた

同時にある記憶が降ってきた


そう
かつて神と呼ばれた男がいたことが…

その男のことを語るには
30年ほど時を戻さねばならない

またか…とあきれている方も
もう少し話にお付き合いいただければ幸いです


私がまだアルコールを燃料としていた頃

先輩に連れられて以来
店の常連となったお気に入りのスナックがあった

飲み屋街の中心に近いビルの3Fにあるそのお店
5,6席のカウンターと2つのボックス席のこじんまりした感じ

スタッフは
お母さん的な気のよいママ
看板娘のフクちゃん
常駐ではないが他にアルバイトの子が数名

ただ酒を飲みながら
魅力的な嬢たちと会話を楽しむ
時にはカラオケも披露する
他業種、世代の違う常連さんとの会話も面白い

興味を持たない同僚に
金の無駄遣いと罵られたが
私にとっては心地よい空間なのだ

足を運ぶ回数が増えると
ツケも利くようになる

ツケだけ払いに行って
結局終電まで飲んでしまうのだけれど

そのうち
「persiくんは、もう身内やね💕」
なんて言われるようになると
リップサービスだと分かっていても
なんだかうれしくなる

私が店を訪れると偶然にも
お客さんが多くなることが多かった
特に週末はそうなる

お客さんが多くなると
「persiくん、ごめん、席詰めてくれる?」
いつからか
言われる前にカウンターの隅っこに移動する

他のお客さんと話もするが
スタッフは当然忙しい
放置プレイとなる

「身内だからしょうがないよね」

正常化バイアスが発動し
アイデンティティは保たれる


人間の嵯峨だろうか
いや私だけなのかもしれない
独占欲

身内といえども
可能であるなら独り占めしたい

アルコールの抜けたある火曜日の午後
外は雨

こんな日はお店も暇に違いない
欲望を満たすには都合が良い

仕事を終え
足元の緩い中

雨の日も捨てたもんじゃないな

そんなことを想いながら
店へ向かう足取りは軽い

扉を開くと
「persiくん、いらっしゃい」
思惑通りお客さんは一人もいない

会話の内容はもうどうでもいい
仕事に疲れた私には
最高の癒しの時間だ


欲望は悪なのか
幸せの時間は都合よく続かない

気が付けばいつもの席に座っている

そんなことが数回続いた頃

看板娘のフクちゃんがつぶやいた

「ほんまpersiくんって、福の神やなぁ~」


気づかないうちに神になっていた


そんな雨の日をふと思い出した






なんのはなしですか

最後までお読みいただき、ありがとうございました😊

表題画像はノラ猫ポチさんにお借りしました
いつもありがとうございます

では、良い1日を✨

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