希死念慮が消えたきっかけ

2018年

私は静かに終わりを迎えるため
ものを整理し、行きたかった場所を巡った。

"目的"　のための行動を起こしていた。

ある朝床で寝ていると、結構な揺れが下の奥の方からやって来た。

寝ていた脳でもはっきりと、これが只事ではないことを認識した。

後でわかった情報だが、
地震の発生元がここからとても近かっようだ。

私は万年不眠症。薬でドロドロに眠り込んでいたにもかかわらず
掛け布団を投げ飛ばして飛び起きた。

そこから
急いでガスの元栓を止め、ドアをあけ
普段見向きもしないニュースをつけた。

そういった
"生きるための行動"は無意識だった。

義務教育では真面目に防災の授業や訓練に参加していたりもしたな。

結局
うちは少し棚の物が落ちたくらいで大丈夫だったけど
震源地付近や山間部では死者やけが人も多く、停電や断水も起きた。

ニュースを見てひどく胸が傷んだ。

地震発生からは１週間くらいだろうか。

少し時間が経って
余震もなくなった頃
何だかホッとしたのか部屋で一人号泣した。

正直怖かった。地震怖かった。

同時にこう思った。

心は消えたいともがいていたけれど、無意識下で生きたがった自分の命。

私は感情がある人間である以前に、 ひとつの生命なんだよな。

そんな感覚になってごめん。

ごめん、ごめん..って

自分に謝った。

その日から 5年経った今、まだ心はわからないけれど
自分のいのちの存在はとても尊い。

別に人生はたいして変わってない。
だけど希死念慮は感じない。 ㅤㅤㅤ

このいのちをどう生かすか。これを見つけ出すために
怒ったり、泣いたりという感情を使うのが今回の私の人生のテーマなのかと気づいたみたいだ。