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UFC298と格闘代理戦争について

どうもアスレティック・パフォーマンスコーチのタケダイグウジです。

もう先月になりますが、2/17(現地時間)に開催されたUFC298に中村倫也選手が出場し見事フルマークで判定勝利し、3/15(金)から始まったABEMA企画の格闘代理戦争に中村京一郎選手が出場し、1R90秒ちょっとでKO勝ちしました。

両者のサポートについているので何をしていたのかをちょこっと。

僕の立場でおこなうことはパワー&持久能力向上、動きの質向上、動きの分野からの分析です。

技の練度を上げたり武器を増やすのは個々の練習でおこないますので、僕は動きでどう精度を上げ、対戦相手のタイプ的にどう動くべきなのかを高めていきます。では、UFCでの中村倫也の試合についてから。

vs カルロス・ヴェラ

当初はヒースタンドというスイッチレスリングガンバルマンが対戦相手の予定だったのですが、怪我してヴェラさんに代わりました。
試合を見られた方は、直ぐに引き込む柔術系の方なんかと思われたかもしれませんが、スイッチくるくるキックマンです。

立技はテコンドーベースで離れたところから飛び込み系の蹴りとスピンキックでパンチは下手。チームメイトで元ONEフェザーチャンプのタン・リーの試合はめちゃくちゃ見ていたので、ヴェラさんの試合と合わせてイメージはつけやすかったです。因みにリーさんはパンチ上手いんですが基本的にスイッチステップバックからのカウンターファイターです。

寝技はレスリング付き合わずに下から足関からの作りorわざとバック取らせての振り向きギロチンが得意で、ライアン・ホールというアメリカの足つぼ十段今成正和的な方のところで習っているのでこれもイメージしやすかったです。

ヴェラさん自身は始まると喧嘩四つで構えて、相手の外にステップしながらミドル、そこからスイッチして相四つに変化してスピンキックorサイドキック、これが基本なので、倫也に指示したポイントは
・開始直ぐに必ず相手の外を取る
・スイッチして下がったらスピンキック意識
・出来るだけ喧嘩四つのまま斜めに下がらせる

これにこの試合用に数種類コンビネーションをチームで作っていました。

試合自体はご覧いただいた通り、しっかりと最初の距離と角度を潰して打撃いったら詰まって、そこからグラウンドゲームを延々とおこない、相手の仕掛けを潰しながらコントロール&パウンドでフルマークの判定勝ち。

最初に外取ってどう動いてくれるのかで選択肢潰してたので予想通りの動きしかしてこなかったです。

ヴェラさんは1Rで左肩脱臼、倫也もパウンドで右拳を折ってしまい展開が少ない試合になってしまいファンの期待には100%答えられなかったかもしれませんが、僕はUFCファイターの試合を20試合以上経験しているので、『勝つこと』が一番大事で、派手な結果はあのレベルだとタイミング次第になってしまうので正直ノーランカーのあのレベルで判定29-28で勝っても嬉しいです。

試合後のホテルにて

あっ、日本のイズマイウの如く通訳せずに、ただただただただ、映りに来て申し訳なかったです。倫也の英語力がさらに伸びてて、Youtube英語学習素晴らしス。

裏のメディアインタビューではお手伝いしましたのでご了承ください。。。

代理戦争で映った倫也をご覧になった方は感じたと思いますが、手術を回避して固定療法で順調に治ってきているので秋口に進化した彼をまた観られるはずです。素晴らしい才能とマインドを持った稀有な選手ですので引き続き応援宜しく御願いします。

中村京一郎について

EXFIGHT所属の中村京一郎(けいいちろう)選手ですが、去年の秋口から正式に指導を始めたのですが、倫也や鈴木崇矢の指導時にいつもいたので以前から動きはちょこちょこと見てました。手足長くて器用な選手だけど根本的にまだMMAにアジャスト出来ていない感じだったので、僕のムーブメント指導はまず野球をベースにして、外野や内野守備からバッティングをやって→MMAだとこう動くんだよと伝えたらバックステップも遠めからのステップインやスイッチも直ぐに上手くなってきて、流石名門高校で野球してただけあるなと。

因みに野球ベースだと石原夜叉坊も左のサイドスローで高1時に140km超えてたらしいので、センスとバネはありましたね。

高谷さんに習ってる打撃を自分の体型やタイプに上手く合わせられてきて、10月、12月と1R KO勝ちして、今回の代理戦争のオファー受諾。

格闘代理戦争 vs ホンデ

抽選で前日の夕方決まったので、急いで映像チェック。

って、えっ、ブレイキングダウン出てるの???

僕はあのイベント全く見ないので知らなかったのですが、対戦相手のレベルが低すぎて良い部分をピックするしかなかったですが注意させた点は

・短い右から振ってくるので当たる角度と位置にいない
・MMAの距離でステップインは出来ないはずなのであえて誘うor関節蹴りで止める
・外取った時に左フックor左ミドルでちゃんと止めてくるのか測る
・喧嘩四つの斜めインサイドからストレート入れる
・2R目から組みを入れながらチャンスがあったら倒してパウンド

京一郎は最初の20秒くらいで全部やって、早々に前手でフラッシュダウン取ってたので、後は得意の左をどのタイミングで入れようかで終わってました。

彼自身の分析力と遂行能力の高さにびっくりしていますが、キック上がりの選手はMMAの距離でステップインが最初出来ないので遠かったと感じたはずです。 ステップバックが上手い選手多いのはルールの違いでしょうね。

そんなこんなで来月も格闘代理戦争の準決勝があり、ギレルメ・ナカガワ選手になりましたので応援よろしくお願いします。


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