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ファイトキャンプ時になにする?(序章)

Fight Camp(ファイトキャンプ)とは、特にMMAで使われる言葉で、試合決まってから試合1週間前までのいわゆる【追い込み期間】のことです。

どうも、アスレティックパフォーマンスコーチのタケダイグウジです。

今、格闘家のピーキング戦略について書いてますが、序章として
この期間中に
何をやるべきではないのか?
何をすべきなのか?

を書いていきます。今回はサラっと。選手向けの内容では無いので書いてること???なこと多いのはご了承下さい。

ストレングストレーニングでやるべきではないこと

あれもこれもとやりたいのは分かるし、チーム競技ではないので、個々に追い込みたいのも分かります。

僕らストレングス系のコーチでやりがちなのが3つ

  1. 筋トレさせすぎ

  2. 走らせすぎ

  3. 他の選手と同じメニューさせがち

こういうことして、スパーや打ち込み時に疲労が残ってしまうからスキルコーチから僕らは嫌がられるんです。

勘違いと思考と知識止まってるオッサンは選手のパフォーマンスを落とすだけでなく怪我のリスク上げてしますので、自戒の念を込めて気をつけたいところ。

順に解説していきます。

1.筋トレさせすぎ
殆どの格闘家は試合前の追い込み期間中に『減量』という体重減少を伴います。摂取するカロリーはマイナスになってエネルギー足りないのに練習ハードになってくると筋量や筋力が落ちるリスクがあり、特に身体のぶつかりが多いMMAや当然レスリングはそこら辺を残しておきたいところ。
BUT この時期に追い込む筋トレさせるコーチが多いんです。筋トレで疲れさせたり、いわゆる筋肉痛残す様なトレーニング処方したら怪我のリスク増やすでしょ。ピーキング考えて筋トレは最小限の量にし、更にテーパリングで徐々に量を減らしつつ強度のみ保ちます。そもそもピーキングについての考えも格闘技界ではコーチ陣が知らないということが多すぎですが、その辺りは後ほど別の機会に。カタカナ多くてすみませぬ。

2.走らせすぎ
スタミナつけたいのは全アスリート共通の願い。特に格闘技は1対1でおこなうのでスタミナが切れる=やられ放題になるリスクが高く、皆鍛えたい。
BUT やはり限られた時間とエネルギーの中で走り(ロードバイクやHIIT含)のトレーニングに時間を取り過ぎるとやはり疲労が残ってしまいます。僕はHIITでガンガン追い込みますが、量は最低限ですし、こちらもテーパーかけて徐々に量を減らして最後の週は50%くらいの量です。

3.他の選手と同じメニューさせがち
全ての選手を均等に指導するのは不可能なので優先順位は出てきます。そのなかで試合前の選手とまだ決まってない選手達を筋トレやランメニューで一緒におこなうこともあるでしょう。ですが、上記の通り無駄に疲労は貯めたくない。
僕は基本的にメニューを変えますが、一緒におこなうことをさせるコーチはレップス、インターバルタイム、距離、時間等調節してあげましょう。

ストレングストレーニングでやるべきこと

上記の反面教師で。

プラス

事前にアセスメントして状態を知り、トレーニング計画をしっかりとアスリートに伝えましょう。仮にいきなり決まった試合であっても、普段から試合の〇週間前から何をすべきか決めておくんです。その中で選手のレベルや階級を考慮してアレンジしましょう。

例えば僕なら大きく分けて2つ

・ストレングス&パワー
・持久力

この2つをどう向上させるのかに注力します。

パワーの部分ではピークパワーなのかピーク速度なのか、連続発揮でのバネの部分等、どこ伸ばしたいor残したいのか。削りながら尖らすイメージで研磨していきます。

更に疲労が溜まってきたときの落ち込みを〇%くらいと認識しておこなわせるのか。それ以上いったらやらないor極端に量を減らすという選択もとりましょう。

以前、倫也のyoutubeで軽く計測風景流してましたが、リフティングとかでも測るのでその辺りを見てます。

持久力の部分では試合時間やラウンド数でボリュームコントロールしつつ、階級や選手の伸ばすべきパート(打撃でのスタミナor寝技でのスタミナ)そのパートでのステップなどを考慮してメニューを作りましょう。

因みにピーキング戦略は10数年前に水垣偉弥に聞かれてガラッと内容を変えました。

彼はトライアスロンが好きで専門誌でコラム書いてたりしたんですが、当時の世界チャンピオンのピーキング戦略を「これってどうなんですかね?MMAでも活きますか?」と触りの部分を教えてくれて、指導していた方の論文や著書を読みまくって活用している次第です。それを機に他競技のトレーニング戦略のことを調べるのが好きになり、様々な競技に活かしています。

これらのことを気に留めつつ選手達のパフォーマンス向上に寄与していきましょう。

ピーキング戦略の書籍紹介

最後にそんなピーキング戦略の第一人者ムジカさんの著書が翻訳版出てるのでどうぞ。

僕は彼の著書何冊も持ってて、先日来日された時もまだ日本で発売されてない最新著書を直接購入し、サインまで貰いました😂

25000円したけど満足

ピーキングについてムジカさんのを踏まえつつ更に分かりやすく書いてるのは河森さんの著書です。コチラの方が読みやすいかも。

https://amzn.to/4ayTwjF



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