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なぜAIは役に立たないのか?②

汎用AI、特化AI、強いAI、弱いAI

前回以下の記事を書きました。

一般の人が期待する「AI」と、実際の技術として活用されている「AI」にはギャップがあり、その原因が言葉の定義の問題であることがわかりました。

それでは「役に立つAI」と「役に立たないAI」を定義してみましょう。

「役に立つAI」 = 「汎用型AI」、「強いAI」

「役に立たないAI」 = 「特化型AI」、「弱いAI」

一般の人がイメージしている人間のように考えて動くロボットは「汎用AI」、「強いAI」と呼ばれています。SFに登場するアンドロイド、ヒューマノイドがイメージが近いですね。日本語でいうと「人造人間」という言葉が近いでしょうか。ここではこれらのAIを「役に立つAI」と呼ぶことにします。

一方、将棋AIや画像認識等の特定の分野だけで人間並み、あるいは人間以上の能力を発揮できるAIを「特化AI」、「弱いAI」と呼ばれています。現在、「AI」と呼ばれている機能、サービス、製品はすべてこのAIのことを指します。ここでは「役に立たないAI」と呼ぶことにします。

【note】AI用のスライド2

現在の「AI」は何ができて何ができないのか?

上で説明した現在のAIである「特化型AI」、「弱いAI」は何ができるのでしょうか?

簡単に整理すると以下のとおりです。

■できること

 ・認識、分類、検知、分析、予測、統計、計算、その他

ではできないことは何でしょうか?

■できないこと

 ・概念理解、思考

上記は例ですが、人間として重要な「概念理解」「思考」ができないのがポイントです。ここが「役に立たないAI」と「役に立つAI」の大きな違いになります。

「猫」の画像の認識する場合、結果だけ見ると「猫」という概念を理解したかのように感じますが、実際のところは大量のデータから特徴量を抽出して分類しているだけです。結果だけ見ると「人間と同じ働きをしている」と錯覚してしまいますが、人間として重要な「概念理解」はできていません。

まとめ

今回は「役に立つAI」と「役に立たないAI」の違いを整理しました。ポイントは「概念理解」と「思考」です。

では、これらが実現できるAIができれば「役に立つAI」ができるのでしょうか。

つづきは次回で。

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