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意外と座学研修していない『宿泊業と飲食業』

現場で学ぶ以外の社員研修を『OFF-JT』と呼びます。

OJTはよく聞く現場実地研修のことですが、座学などの研修がOFF-JTに分類されます。

実は、お堅いイメージのある宿泊業と飲食業のOFF-JT実施率はどの業界よりも低いのです。

今回は、意外と座学研修していない『宿泊業と飲食業』について紹介します。

OJTは、実際の仕事を通じて指導する方法

「OJT」とはOn the Job Trainingの略で、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対して、実際の仕事を通じて指導し、知識、技術などを身に付けさせる教育方法のことです。

だいたいの企業は、トレーナーと呼ばれる教育担当と一緒に行動し仕事を覚えていきます。

メリットは、仕事をしながら教育できるので成長が早いこと、先輩社員が悩みを聞けるので離職率を下げることができます。

デメリットは、指導する社員のスキルがバラバラなこと、指導社員の時間が取れないことです。

わたしは、OJTで電話受付対応を教えてもらうときに、電話が鳴らなくてそのまま仕事が終わった日があります。

OFF-JTは、通常の業務から離れ時間や場所を取って指導する方法

『OFF-JT』とはOFF-the-Job Trainingの略称であり、日常の仕事を通じて教育を行うOJTに対し、職場や通常の業務から離れ、特別に時間や場所を取って行う教育方法です。

おもに新入社員が受ける座学の研修が『OFF-JT』になります。

『OFF-JT』のメリットは、○○業界とは、こんなものであると講師が一斉に教えることができるので、知識の共有が早く、均一化して教育することができます。

デメリットは、従業員が仕事参加できないまま給与を支払うので、コストがかかりすぎることです。

『OFF-JT』を行っている企業は69.8%

厚生労働省が発表した令和2年度の能力開発基本調査では、『OFF-JT』を行っている企業は69・8%でした。

『OFF-JT』の内容は、「新規採用者など初任層を対象とする研修」が76.4%となりました。

OFF-JT実施率トップ3

①複合サービス事業(郵便局や農協)⇒94.8%

②電気・ガス・熱供給・水道業⇒94.1%

③金融・保険業⇒93.0%

公共的なお仕事ほど、安定した収益があるので、人材育成のために人件費と時間を投入できるのですね。

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OFF-JT実施率ワーストは、宿泊業・飲食サービス業の54.4%でした。

意外にも人と接する機会が多い宿泊業・飲食サービス業のOFF-JT率がダントツで低かったのです。

とくに宿泊業はOFF-JTができるスペースも担当者もいそうなのに低い結果でした。

宿泊業はしっかりしているイメージなのに

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ホテルの受付などしっかりしているイメージの宿泊業が、OFF-JTをできない理由は、人材不足で時間も研修者を遊ばせておくことができないことでした。

早朝・長時間労働や年間休日は96日しかなく、連休が取得できないので離職率も高く、現場から離れて教育ができないのです。

最後に

今回は、意外と座学研修していない『宿泊業と飲食業』について紹介しました。

OJTはよく聞く現場実地研修のことで、座学などの研修がOFF-JTに分類されます。

実は、お堅いイメージのある宿泊業と飲食業のOFF-JT実施率は、どの業界よりも低く実施率が54%しかありません。

どちらの業界も就業環境が過酷なので、人材不足になり現場を離れて教育ができないのです。

ホテルマンだから一流の研修を受けているというイメージは、幻想でした。
旅行に行ったら従業員さんに優しくしてあげてくださいね。

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