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Take-22:映画『NOPE/ノープ(2022)』は面白かったのか?

【キャッチコピー】
『最悪の、奇跡が起こる』

【作品の舞台】
 年代は現代:ロサンゼルス郊外のサンタ・クラリタにある広大な牧場。

 主人公の家が建てられたロケ地はカリフォルニア州アグアドゥルセにあるファイアーストーン牧場(Firestone Ranch)。

【原題】
『NOPE』

 タイトルの意味は本文中にて。

【上映時間】
2時間10分

 Amazonプライム・U-NEXT・Hulu・TELASA・YouTubeにて現在配信中


 さて皆様、夜空、星空、見上げてますか?

 N市の野良猫、ペイザンヌでございます。

 ボクはいまだに見上げます。

 東京とはやはり違い、長崎は星の見え方がやはり違いますな。

「星が綺麗だな~」とか「月が綺麗やね~」

 まあそんな理由もあるにはありますが、常に頭にあるのは、

「UFOいねえかな……」ですw

 衝撃映像なんかでもよくありますやね、遠目に謎の飛行物体がチラチラ映ってるやつ。

 あんな虫が飛んでるような映像ではイヤなのであります。ふと見上げるとマザーシップ並みのでっかいやつが「バーン!」と、そりゃもうハッキリ、見紛うことなく「ズババーン!」と。そこにいてほしいのであります。

 てか、そもそも「なんでわしゃ子供の頃からこんなにもUFOを欲しているのだろう……」と考えると、まあ結局は女の子が大人になっても白馬の王子様を待っているのと同じ感覚なのであろうな、と。
(-_-;)

映画『未知との遭遇』のワンシーン
映★画太郎のMOVIE CRADLE 2

『自分の中の既成概念のようなものを一度完膚なきまでぶっ壊してほしい。ああもうメチャメチャにして! 私をさらって逃げて!』という願望がめちゃめちゃ強い……のか、どうかは知らんけど、ヘタすると「それが生きてるうちに叶うのであれば、そのまま地球が侵略されようが人類が滅亡させられようがもう構わないやい!」──くらいの勢いすらあります。

 まあ、幽霊なんかは極度に苦手なボクでありますが、とはいえそっちの方も「いるんなら一度ハッキリと! この目で直に見てみてスッキリしたい!」と半ばヤケクソな怖いもの見たさがある。これも同じ理由でしょう。こちらの方はさすがに「ああ私に取り憑いて! 呪い殺して!」などとは思いませぬが……

 んで『NOPE』。
 思わず「のペ」と読んでしまいそうなのをグッと堪えます。
NOPE=「ありえない」という訳で映画の中にも何度か台詞で出てましたが「NO」のスラングというかカジュアルな言い方ですね。ちなみに「YES」の場合は「YOP」です)

 鑑賞直後、いわゆるワインなどを口に含んだ時に例えて言うならばファースト・アタックってやつですが、正直、

「これまた、やっかいな映画だな」

 と思いましたやね。
『ザ・ホエール(2022)』の時も同じこと書いた気がします。(映画『ザ・ホエール』は面白かったのか?

映画『NOPE』のワンシーン
映画.com

 まあ、映画ってのはどんな作品でもおおよそ上映時間は二時間くらいですが、されど二時間にあらず。

 むしろ観終わった直後から新たな旅が始まる、思考回路が動き出す──と言っても過言でないのもまた映画。

 ボクの場合、何をしてても「あれはどういうことなんやろ」てな反芻作業をどこか頭の片隅でやっているような──そんな感覚がその後36時間ほど続きます。

 この間、なるべく他の人の考察やら感想は見たくない。まずは自分の中でケリをつけたい。なので鑑賞直後と消化し終えた後の評価が反転することもザラです。
 前々回に感想を上げた『いつかの君にもわかること(2020)』の時もそうでしたが、むしろこういうことは頻繁に起こります。

 おっと、閑話休題。

 まず前半、「え……どこ連れてかれるんだ? この映画……?」という先の見えなさ、得体の知れなさ、そういったパズルのピースの散りばめ方は半端なくワクワクしましたね、マジで。

こういう映画をボクは【『注文の多い料理店』方式映画】と勝手に命名しております。
「さあさ、よくぞ来られました。ま、奥へ奥へ」と。訳もわからず誘い込まれ服を脱がされていく感覚。

「???」となりつつも、塩や調味料を体にすりこまれていき「ああ、きっとこの奥にはそれはそれは素晴らしい料理が待っているのだろうな……」という、そんな感覚とまさにそっくりなのであります。そこで想像を越えるドンデン返しがあればもう言うことはありませぬ。完璧なのですが。

映画『NOPE』のワンシーン
映画.com

 『NOPE』では時折耳に入ってくる「黒板をひっかくような音響」が不安さに拍車をかけるんすよね。いい仕事してました。

 ジョーダン・ピール監督の前作『us/アス(2019)』など思い起こすと、心理的にめちゃめちゃ不安させるその手腕は近年稀に見ぬものだったなと感服しており、ラストも突飛というか「飛躍しすぎだろ!」くらいに哲学的で個人的にはかなり好きな作品でありました。なんならその前のデビュー作、『ゲット・アウト(2017)』より好きかもしれません。

映画『ゲットアウト』のワンシーン
映画.com

 ジョーダン・ピール監督の作品って、なんか「考えるM・ナイト・シャマラン」みたいだなというイメージがいつの間にかついてしまったなとw
 とにかくまあドでかい「大嘘」がひとつ真ん中にドンとありますからね。

 シャマラン監督の劇場第三作目も宇宙人とシンクロニシティを扱った『サイン(2002)』だったことを考えるとただの偶然ではないように思えてきますな。

映画『サイン』のワンシーン
映画.com

 今回は前知識は最低限で挑みました。まあ「UFOが中心のストーリー」くらいはさすがに知っておりましたけど。
 が、これは観た方の大多数がそうではないかと確信にも似た気持ちがありますが、この映画でいっちゃん怖いのはどう考えても「UFO」ではなく「チンパンジー」だったな、とw

映画『NOPE』のワンシーン
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 ちなみにテレビ収録中にチンパンジーが突然暴れ出し、出演者を骨格が変わるくらいボッコボコに叩きのめしたあのエピソードは昔実際にあった事件をもとにされてるそうですな。

 まあ野良猫なんか撫でてる時もよくあるんですが、いままでおとなし~く撫でられてた猫が急に大きな音がどこかで鳴ったりすると突然「シャッ!」と爪を立てて豹変することもあるんですよね。あの自然界の生物の「突然何をしでかすかわからない恐怖感」。

 序盤でまずその恐怖を植えつけられ、大筋であるUFOが出現してからも、その恐怖感が今度はそのままUFOに上書きされて記憶に居座り続ける。「チンパンジーですらあんなに怖かったんだからコイツはさらにとんでもないんちゃうか?」──と、怖さが存続する。その辺もウマいやね~

映画『NOPE』のワンシーン
映画.com

 さて前述した通り、ペイザンヌはときどき夜空を見上げます。

 んでですよ。そこにヒョッと何かが飛び去るのが視界に入ったり、またはそれこそ「バーン!」とですよ、もし実際に、トートツに、何の前触れもなく「ズババーン!」とそこにUFOが「あった」場合、『あ、まさにこんな感じちゃうかな……』と、ちと圧巻でした。

 大きいスクリーン、デカい音響で観たのも良かった。I-MAX万歳です。実際にリアルの生活の中で遭遇してしまったら「きっとこんな感じに違いない」と、かなり妄想通りの疑似体験ができたのは、もうそんだけで個人的には十分過ぎるほど。元の1900円などペロッと取り返した感じ。そういう意味で前半のツカミというか、これから怖いこと始まりますよ〜という「兆し」?「予兆」?

“いい意味で”SF映画っぽくない生々しさがあってヒジョーに良かった!

 そういえば実際、二年前くらいに米空軍が飛行中にUFOではないかという映像を捉え公開したことがありましたやね。こちらはかなり信憑性が高いと言われてたりもします。

BBC NEWS JAPAN

 なんとなく、いよいよSFやオカルトではなく、実際に人類が「次のステップへ移行しようとする何か」が行われてるんではないかと真顔で考えてしまいそうになる空気感がありました。

 また、こんな記事もあります。

『──2017年に米国防総省が行っていた極秘のUFO調査プログラムが明らかになったことなどを受けて、近年このテーマに再び関心が集まっているが、米軍はこれらの物体を「未確認空中現象(unidentified aerial phenomena)」、頭文字をとって「UAP」と呼ぶようになっている

 そうなんですよ奥さん。現在、もはや「UFO」という言葉は過去のもの「UAP」という言葉に変わりつつあるのです。映画の劇中でも言ってましたが「UFOと言うと外野がわらわら寄ってきてウザったくてしようがない。UAPだったら『何だそりゃ?』って人が多いので政府間ではそっちを使うことが多いらしい」なんて台詞はニヤリとするものがありましたな。あくまで「物体・空飛ぶ円盤」でなく「現象」ですからね。

映画『NOPE』のワンシーン
元ボクサーの一念発起

 映画内に登場するのUFOの造形もなかなか面白かったですね。時に気球やパラシュートとようにペラペラになったりするのもいい。これまでの映画でそんなアイデアはなかったかというと別にそんなこたないのだが、今回に限ってはアレを思い出しましたやね。ロズウェル事件のアレ。

「墜落したUFOを回収した」という次の日の新聞に「あれは間違いで観測用の気球だった」って写真w 実は回収された未確認飛行物体も本作のようなUFOだったかも……なんて。

 いわゆる「死んじゃったUFO」で気球のようにヘニョ~ンとなってただけかも? なんてことを考えたかどうか知りませぬが、あれが今回『NOPE』のUFOを造形するうえで発想の元となったりしたのでは……などと妄想が尽きませんw

NEWSポストセブン

 UFOの内部(口の中?)から見た映像──もよく出てきましたが、地球上の生物にはないような無機物感というか、触手触覚なども食品売り場の共同冷蔵庫の入口にぶらさがってる、冷気を逃がさないためのあの刺身コンニャクみたいなビラビラ──思わずあれを想像してしまいそうなw

 UFOは実は乗り物でなくそれ自体が生物である──てので真っ先に思い出したのが『ナビゲイター(1986)』という映画。

映画『ナビゲイター』のUFO
MOVIE WALKER PRESS
映画『ナビゲイター』のUFO内部
MOVIE WALKER PRESS

「UFOは生きていた」まんま、そんなキャッチコピーだった気がします。まあ生き物というよりは高性能A.I.みたいな感じであり、主人公を乗せて飛んだりするので結局のところ乗り物やねw 
 B級SFにしてはなかなか面白かった記憶がある。さっきwikiを見て気付いたのだが『セックス・アンド・ザ・シティ』のサラ・ジェシカ・パーカーも出てたんだなと初めて気付きましたね。

映画『NOPE』のワンシーン
映画.com

 これは余談ですが、最近特に思うんですけどね、まあ仮にUFOが本当に存在するとしてですよ? もはやアレって「乗り物」とは思えなくなってきてるんですよね、自分の中じゃ。昭和ならともかく、よくよく考えると宇宙を、果ては銀河をですよ? 横断するのにですよ? 「乗り物」って概念はもう古いというか「なんだかなぁ~」って思いが凄く出てきて。わざわざ乗ってくるって無駄ありすぎじゃね? 電車じゃないんだからって。少なくともドローンタイプ──そう、UFOってワームホールみたいなのを形成できる、そういう類のドローンタイプのマシンなんじゃね?──そういう思考の方が断然強くなってきたんですよね。 

 これも仮に宇宙人が地球にやってくるとして、とにかく先にそのドローンUFOを飛ばしちゃってですな、先に入口と出口を作っちゃって「どこでもドア」みたいに降り立つくらいの方がまだ理にかなってるような……コストもリスクも少ない気がすんですよね、うん。皆様はどうお考えでしょうか?


 前述した『ナビゲイター』という映画もそうだけど 「UFO自体が生命体」ってのが80年代にはやってたのか『ニューヨーク東8番街の奇跡(1987)』なんて映画もありましたね。こちらはクリスマスの飾りのようなちっこい、可愛らしい生命体UFOがたくさん出てきます。

映画『ニューヨーク東8番街の奇跡』のUFOたち
ネタ・ヴァレー

 製作がスピルバーグ、『ドライビング・ミス・デイジー(1989)』でオスカーを獲ったジェシカ・タンデイなどが出演。立ち退きをさせられそうになってる老人たちをUFOたちが救うという現代の童話のようなストーリーで、ぶっちゃけあまり覚えてませんが、そこそこ面白かった後感はあります。

「老人たちと宇宙人」という奇抜な発想はロン・ハワード監督の『コクーン(1985)』がこの2年前の1985年に公開されており、そちらにもジェシカ・タンデイは出演しておりますね。UFOに何度も会ったおばあちゃん。羨ますぃ。

映画『NOPE』のワンシーン
映画.com

 さて、最初に「やっかいな映画だな」と書いた理由ですが、コレなんでかというと……ん~、例えばこの映画がコロッケとしましょうか。んでそのコロッケを売るためにはどうすればいいか? と考えるとしましょう……そうなると、よくわからんのですよw

 たとえば純粋なコロッケファンなら何のセールストークなしでも喜ぶでしょうや。ボクみたいな、元よりUFOやオカルト狂い、昔ながらのお粗末なSF映画なんかでも楽しめるってんであればもうそれだけで飯三杯いける。

 ただそれ以外の方、ストーリーやどんでん返し、またはドラマや恋愛や人間関係やテーマなどを求める人がいるとすると……「コレ、他にどこを売り文句にすりゃいいんだ?」って話になんのよねw

 なんとなくだが男性諸君はまあヨシとして、丸の内のOLさんとか主婦の方とか、うら若き女子高生などは楽しめるのだろうか? と少し不安になる。

 だって、ぶっちゃけ内容的には「田舎にUFOが現れて、それを撃退しました。以上!」──だしねw イヤ、ホントに。あくまで外見上はねw

 そんなの見たがるのかなと😅

 そう「外見上は」なのね。ここ大事!

「まあそれならそれで何も考えず楽しめるじゃん!」とも言えますけど。いや、むしろ、それだけなら逆にどれほどいいか。

 やっかいなのは監督があのジョーダン・ピールということ。これまで黒人の視線から「黒人にしかわからぬ独特の見解」をエンタメ的メタファーを通じて作品を出してきた彼が「それだけなはずない……ぜーったいそれだけじゃないはず!」という確信にも似た「おせっかいな勘繰り」w

 そういえば本作で馬に乗ってUFOと闘うということでフト思い出したのが『カウボーイ&エイリアン(2011)』。

 カウボーイとエイリアンを戦わせるのは面白そうじゃん──と思ったのだが、蓋を開けてみるとなんとも中途半端な感じだったな~、と。主演がインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)&007(ダニエル・クレイグ)だってのにさほど話題にもならなかったような……。なんとなくもったいない作品ですよね。

 けれどコレこそまさに完全に「エンタメ・オンリー」と言っていい作品で、いざ、この映画と『NOPE』を比べてみると、いかに『NOPE』が「外見上エンタメ」を装いつつ、どこか深みのある作品と言った意味がお分かりいただけるのではないかと。

 この映画こそ今回の『NOPE』のような迫力で「馬に乗った人vs UFO」を期待してたんだけどね😅

映画『NOPE』のワンシーン
映画.com

『カウボーイ&エイリアン』は原作がコミックということもあり監督はマーベルシリーズのハッピーことジョン・ファブロー。『アイアンマン(2008)』などの監督、そして『スター・ウォーズ』の新作劇場版『マンダロリアン&グローグー』のカントクにも抜擢されたというニュースがありましたね。監督・役者、共に多才な方であります。

 通常「エンタメ」のすぐ横には「わかりやすいテーマ(愛とか自己犠牲とかそんなわかりやすいやつね)らしきもの」をそっと置いておくはずなんよ。また、そうでなくともちょっと手を伸ばして、裂け目に腕を突っ込んでゴソゴソ~ッと探ればなんとな~く、作者の言わんとするポイントが見えてくる……はずなのだが。

 オホン。結局、行きついたところと申しますか、この映画に対する個人的結論を言いますね。

「外見上の超エンタメ」部分と「作者の言いたい内面に隠されたテーマ」この二つの距離がめっ…………ちゃくちゃ離れている──ってか、すっ…………げ~遠い!──気がする。

 そんな映画やな、と。 

 はい映画が終わりました。観てる間は面白い。気にはならない。でも、ともすれば「で……なに?」「なんだったの、コレ」となり兼ねない映画でもあんのよね。実際「なった」人もいるはず。ただ奥の方にな~んか潜んでそうなのは感覚でわかるんよ。でも手でゴソゴソくらいじゃ届かんのですわ。頭突っ込むしょ? 腰まで入るっしょ? ま~だ見えてこないw 

「いやおかしくね?」と。え、なんでそんな「遠く」に置いたんだろ?──て感じw

 茶菓子が目の前にあんのにお茶までの距離が100キロくらい離れてるんよ。「そこまでしてお茶を飲みに行く人がいる?」と観てるこっちが不安になるくらい。かといって「じゃあ茶菓子だけ食べとくか」てのも、なんか喉につっかえるのさ、モヤモヤすんのさ!

 流し込むためのお茶がいるんよ!

 たとえば

・「野生の生物やチンパンジー=黒人たちの歴史」みたいにも取ろうと思えば取れる。勝手に連れてこられて従わされて、突如何かのきっかけで「おかしくね?」と目覚めて暴発する──みたいにも。  

・「目を見るな」「上を見上げるな」そんな台詞にも、きっといろいろ何か隠されているはず。物理的なもの以外で。

・「初めての映画。馬に乗った黒人の2秒だけのフィルム──黒人は映画の黎明期から黒人はそこに立ち合っていた」これにも意味が必ずありそう。

・「映画」から「テレビ」を経て「ネット動画」へ。3つの進化形態。

・「見る側」と「見られる側」の存在。ルール。倫理。

・「まるで動物やおもちゃのように人や事件を使い捨てにするメディア内部やマスコミ事情、エンタメ業界」この辺りも少なからず触れている。

 とにかく細かなパズルの「ピース」が多い。

 さらにはそのピースが一見したところではぴったりと、うまいことハマらんのよ。あえてそうしてるんだろうけど。

 とはいえ、今回のこの「UFO撃退映画」に黒人差別がどーのこーの、黒人の歴史があーだこーだと結びつけようとするとかなり強引な感じになるのよ(=ピースがうまくハマらない)。

 本作に限って言えば「映画を観ました」=「バラバラのパズルを買いました」てのに近い気がする。別に箱のまま飾っておくもよし、作るんならどうぞご勝手に、でも「自分で組み立ててくださいね」って感じ。

 正直「解説」が必要なエンタメなど本当にエンタメだろうか?──という疑問もあったんよね。というかファースト・アタックで「この映画……なんかイマイチじゃね?」と頭をよぎったのはそこが大きかったといえます。

 ただ! 悔しいことに「外見上」、この作品は紛うことなくエンタメなのであるw 
 深く考えろとか、意味を考察しろなんて指示はどこからも出されてないのであるw

「ペイザンヌどん! 考え過ぎばい! 別にそんな難しく考えんでよかばい。単純に映画を楽しめばよかとよ~」とさえ言われてるようで、なんかますます悔しいw

「本当にやっかいな映画だな──」

 確かにそう思ったのであるが一方「まるでこれはSF界のヌーベルバーグやぁ~!」という震撼を少なからず感じている自分もいたりする。

 ツギハギのようなシークエンス。意味を持たせない。「なんか面白いからやってみた」感覚。それでいて作り手側は暗喩など用いて計算しつくして作ってる──はず。といったような……

映画『NOPE』のワンシーン
なかよし映画クラブ!

 前述の通り、映画を観終わった直後に関しては「む~今作はちょっと微妙なのでは」という気持ちの方が強かった。もちろん材料が材料なので個人的にはめちゃめちゃ楽しめたのだが少なくとも「すすんで人には薦めないかもな──」ってのは今も少しある。

 が、結局気が付けばこんなことを書いてるわけでいざ読み返してみると「あれ、なんだかんだでけっこう絶賛してね? わしゃ?(;゜∇゜)」という自分がまた不思議でもあるw

 んで、けっこうまた観たくなってる自分もいるのよね。

 これだから映画は少し寝かせてみないとわからないね~
( ̄▽ ̄;)

 では、また次回に!


【本作からの枝分かれ映画、勝手に10選】




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