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先が見えてきたコロナ感染

 例によって、2024/2/18識別データベースを載せます。厚労省の患者数報告が休日で遅れたらしいので、連休を利用して各都道府県ホームページを見わたし、それぞれの患者数を得て表1を掲載しました。休日で報告を遅らせたことに責める気は毛頭ありませんが、都道府県に比べて統括報告者に意欲の無さを感じるのは否めません。

       表1定点観測下の一医療機関の平均患者数

*表1は、定点観測以来の患者数で、赤色圏はその前回時より患者数増、黒字圏は患者数減。
*左赤領域はエリス波圏、右赤領域はピロラ波圏を表します。
*3,4週の患者数が欠落していますが、エリス波はオープンデータ時発症を推測しています。

 表1は、赤と黒の領域圏を重視して定点観測全経過としました。右側の赤領域は一段落したピロラ波ですが、今後再燃する可能性を否定できませんが、エリス波時と同じようになんとなく通り過ぎた感じです。
    前回予測した感染の今後は、「ピロラ波が表1に示すような黒字圏拡大と共に衰退するか、エリス波の如く東西の違いを示しながら進行するのかのいずれ」でしたが、前者の可能性が優位になった感じです。一調査期間が1週間ですから、2週間続きの患者数減傾向は上記予測優位の信憑性をかなり高くする可能性があります。

 感染を俯瞰するため、表1の都道府県を8行政地方にまとめ、その患者数推移をグラフ化して図1としました。全てのグラフ波形に共通して左側の大きな山がエリス波で、右側の小さな山がピロラ波になります。

  図1:行政地方別にみたエリス波、ピロラ波の定点観測と補正後

*左グラフは表1をグラフ化したもの、右グラフはその補正後のグラフを示します。
   *左右全てのグラフで、左ピークはエリス波、右ピークはピロラ波し示します。  

 定点観測と補正後のグラフの見方は、定点観測では小中都市圏優勢な患者数グラフとなり、補足後は大都市圏優勢のグラフになることに注目して頂ければ、波形の読みが容易になるかもと思っています。補正後の8行政地方のグラフでは、大都市圏患者数が上部分の波形を占めますが、定点観測の大都市圏都道府県患者数の場合は、グラフ上ではほぼ各波最下位に隠れるように位置することが多いのが特徴です。

 個別の地方で気になるのは、補正後の東北北海道地方のピロラ波が患者数波形で変化に乏しいのが何故なのか気になります。同じ補正後の東京都のピロラ波形の急峻な立ち上がりと相反する波形だからです。東京都の急峻は上昇波形は、ピロラ波のJN.1変異株が主流となったことで理解できますが、東京都のピロラ波制覇は、2024/2/8に全国制覇していますので、その制覇が1~2週間の短期間が何故なのか気になります。
 補正後ですと、関東~関西地方の大都市圏でピロラ波優勢の傾向です。

 図2に、行政地方別の患者数を、定点観測下、補足後、オープンデータの各場合を比較しました。
  
  図2:定点観測下、補足後、オープンデータの行政地方別の患者数

*スケールは、3グラフで異なりますのでご注意下さい。
*左側定点観測の中小都市圏患者数は大都市圏より多い傾向が見られます。
*右側のオープンデータ時の患者数は、行政地方の人口数とほぼ一致し、
*中央の補正後の患者数は、左右のグラフの中間に位置します。

 図2は、各地方人口数(青棒グラフ)の降順を背景にして、三者の患者数(赤線グラフ)を対比させたものです。
 右端のオープンデータ時の地方別患者数は、患者数の人口数比化のもとにあったことによれば、グラフ上、感染者数が行政地方の人口数に並行するのは当然です。中央図の補正後の地方別平均患者数は、左右波形の中間形を示し、補正が不十分であった可能性を推測させます。九州地方や中国地方に患者数が多くなる傾向を認めるのは今後の検討課題になります。

 左側の定点観測下グラフで、地方人口とは無関係に患者数が横一線上にあり、且つ東京都と大阪府以外がほぼ上位を占めるのは、定点数配分に問題があった故の現象と思われます。致命率を変えてまでして第8波と第9波の波形の連続性を求めたのは、波形の意味が連続していることを強調したかったからではと推測していますが、図左と図右の両者の果たして何処に連続性を求められたというのでしょう。

 全体としては、第8波患者数を先頭にして、エリス波、ピロラ波にかけて段階的な感染者数の順減を認め、先が見えてきたかなという感じです。脅威となる変異株も今のところ見られず、二価ワクチン時のような我も我ものワクチンフィーバーが、収まりつつある社会的傾向に落ち着きを感じます。

                2024/2/26
                精神科 木暮龍雄


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