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恭庵書房(きょなんしょぼう)

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記事一覧

千々和泰明『日米同盟の地政学:「5つの死角」を問い直す』

千々和泰明『日米同盟の地政学:「5つの死角」を問い直す』

平和学徒の僕は“Si vis pacem, para pacem”(汝平和を欲さば、《戦争でなく》平和に備えよ)という言葉の信奉者だが、本書をたまたま見かけて久しぶりに国際政治の視点からじっくり考えてみることにした。

「一国平和主義」に「第三者的視点」で切り込む論点は、リアリズムの世界での我々の生き方に目を開かせた。「非核三原則」などという建前も含めて、事態の説明が言い訳や隠蔽に終始し、密約で物

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坂上 香『プリズン・サークル』

坂上 香『プリズン・サークル』

対話による更生を目指す刑務所の話。この本について知り、発注したときはどこか外国の話だと思い込んだ。本書を開いた瞬間、これが日本で起こった話だと知って驚いた。一瞬希望を感じ、しかしそこに描写されている日本社会の現実に打ちのめされながら、最後まで読むのをやめられなかった。

日本での受刑者の処遇は、国連や人権団体から繰り返し批判され、勧告を受けているそうだ。それは塀の中だけの特殊な話ではない。犯罪の前

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探求と変革

探求と変革

現代社会は複雑であり、様々な課題に直面している。その一つは、精神衛生という重要な問題だ。日本は、世界でも精神科病院の数が最も多く、長期入院者も世界一多いとされる。これは問題であるとともに、新たな発見の可能性を秘めている。

変化をもたらす上での最大の問題は、アイデアの欠如ではなく、行動を変えられないことである。願望や望む結果に向かって前進する行動は、個々人や組織によって異なる。しかし、長期的な変革

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ガンジス川のチャイハネ #世界カフェ紀行

ガンジス川のチャイハネ #世界カフェ紀行

『世界カフェ紀行 5分で巡る50の想い出』(中公文庫)を読んだ。短い50ものエッセイにレビューを書いてもしょうがないので、51番目のエッセイを書いてみました。

ガンジス川のチャイハネ

佐谷恭

大学生のころ。インドは最後に旅すると決めていた。特別感を感じていた。それに、行くのがちょっと怖かった。「卒業旅行」の行き先にインドを選ぶ人は、同じような気持ちだと思う。

2回生の冬。いろいろな旅人から

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paxi
割引あり
行動思考術 旅人経営者の1年 #38

行動思考術 旅人経営者の1年 #38

2024年3月10日配信開始の『行動思考術』を全文公開しています。8万9千文字以上あります。リンク先のAmazonでレビューしていただければ嬉しいです。

週1回できないことを、毎日の習慣にする誕生日にはいつも、新たなことを始めたり、決意したりしています。38歳の誕生日には“有料メールマガジンのスタート”を、一大イベントにすることに決めました。

実は2年ほど前から始めるように言われていました。し

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岩崎 圭一『無一文「人力」世界一周の旅』

岩崎 圭一『無一文「人力」世界一周の旅』

「できない」理由のほとんどは「お金」である。旅でも起業でも。「先立つもの」がないので行動しない。お金が少しできたとしても、未来永劫それが続く保証がないから、やっぱり行動しない。

圭さんは、行動しない理由の第一位である「お金」を、もっと明確にいうと「お金への執着」をやめて旅に出た。「お金」を全く使わないわけではない。路上でマジックを披露して、必要なものを買ったり食事をしたりもする。でも、節目節目で

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「ありえない」をブームにするオンライン相談会(書籍5冊つき):30分

「ありえない」をブームにするオンライン相談会(書籍5冊つき):30分

誰もやっていないことを実現したい、夢をかなえたい、膠着状態を打破したい。もっと楽しい人生を送りたい方々を、発想の転換でサポートいたします。

オンライン相談に『「ありえない」をブームにするつながりの仕事術』5冊つきで8900円。書籍が一冊1925円なので、それなりにお得です。
(1925 x 5 = 9625)

1人でもいいし、5人までのチームを対象とします。お申込みいただくとまず書籍をお送りし

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《一箱古本市》本に親しむ夏休み! きょなんブックフェアー

《一箱古本市》本に親しむ夏休み! きょなんブックフェアー

夏休み、本屋さんになってみませんか!
オリジナルの棚をつくり、自分が好きな本、紹介したい本を展示して、販売してみよう。

朗読会や読書会、ビブリオバトルなど、本に関するイベントに参加したり主催したりすることもできます。

開催期間: 2022年7月22日(金)〜8月28日(日)のうちの金土日月の各曜日
営業時間: 11時から16時まで
参加費用: 2500円(一箱あたり)
開催場所: パクチー銀行

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恭庵書房のオススメ書籍 2022/4

恭庵書房のオススメ書籍 2022/4

笹生 浩樹『房総の頼朝伝説』

鋸南町を歩いていてもそこかしこに見つけられる源頼朝の足跡を、わかりやすく解説した本。鋸南の竜島海岸に上陸してから鎌倉へ行くまでの、頼朝の辿ったであろうルートを示してくれている。この本を元に、頼朝の道を走ってみようと思う。

南房総地域を旅する人に、ぜひ目を通して欲しい一冊。

『地球の果ての歩き方〜一度は行きたい世界の「端っこ」を景観&旅の雑学とともに解説』
#地

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パクチーハウスのパクチー料理(3)

パクチーハウスのパクチー料理(3)

パク塩アイス・シャーベット・パクリーム・パクローストビーフ・キッシュパクレーヌ・根っこの活用・フランス特集・中南米特集

パクチーハウスのKindleレシピ集第3弾。
人気のパク塩アイス、シャーベット、パクリームなどのデザート系ほか、パクチーを気軽に活かせるレシピが満載です。
国・地域別特集として「フランス」と「中南米」にフィーチャーした際の料理レシピのほか、「黄色いパクチー料理」「根を活用するた

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『つながりの仕事術』 無料キャンペーン

『つながりの仕事術』 無料キャンペーン

今朝、別の投稿でも書いたけど、日本で初めてのコワーキング本『つながりの仕事術 「コワーキング」を始めよう』が出版されて本日5月11日でちょうど10周年。この本はすでに絶版なんだけど、僕が書いた第1章(コワーキングの意義とエッセンスが詰まった章)をKindleで出してあります。これを無料公開しておきますので、ぜひスマホなどにダウンロードしてください。

たった今登録したので、あす12日から16日の5

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恭庵書房のオススメ書籍 2022/3

恭庵書房のオススメ書籍 2022/3

高橋 大輔『ロビンソンの足あと 10年かけて漂流記の家を発見するまで』

「地球はもう探検しつくされている」というドラえもんで聞いた言葉を鵜呑みにしていたが、僕が旅を始めた頃にこんなに素晴らしい探検と探求、そして結果を出していた人がいたとは。自分の好奇心を追い求め、人々の心を動かし、くじけそうになりながらも前に進んでいく。

「探検とは誰もが気に留めない路傍の石や遺構に光を当てることに違いない」と

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ことばの焚き火

ことばの焚き火

この本は対話の本なのか、いや対話の本ではない。では対話とはなんだ?? この本で、対話はキャッチボールではなく、焚き火の薪をくべるようにめいめいが言葉を置いていくと書かれていた。相手に向かって言葉を発出しなくてもよい、黙ったり保留してもよい。自分が思い込んでいる対話の概念とは違うことが書かれていた。そこには他者への思いやりや余白もある。

対話によって何を得たいのか。それを純粋に追求したら、言葉のや

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恭庵書房のオススメ書籍 2021/12〜2022/2

恭庵書房のオススメ書籍 2021/12〜2022/2

ベスト5井崎 英典『ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方』

コーヒーは好みも流派も多様なのに、コーヒーと一言で表される。そして、流通しているほとんどが粗悪品。世界で認められたバリスタも、それぞれ意見が違う。毎年のコンペで、トレンドは変わる。つまり、コーヒーは自由である。ほんの少し知識を得ようと調べると、とても厳しく何かを書いてあるが、それは一つの説であり、いろ

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