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「魅惑の心理」マガジンvol.239(SNSの誹謗中傷から心を守る心理学)

SNSの普及に伴い SNSをする人が増加しています。媒体各社の公表データによると、LINE(ライン)は国内のアクティブユーザーは9,600万以上、X(Twitter)(エックス・ツイッター)は6,650万以上のユーザーがいます。ちなみにX(Twitter)の平均年齢は37歳、幅広く50代でも3割以上、60代でも2割以上のユーザーがいますし、20代は8割以上の人に浸透しています。

Xはコミュニケーションだけでなく、情報収集で利用している人も多く、地震や災害などは最速で情報が得られます。昔は地震が起きたら気象庁の HPとかYahooなどを見て更新を待っていた人も、今は Xを見るという人が多いと思います。Xで投稿される情報が一番速いです。便利です。

また、Xは鍵垢でなければ、誰もが見られて、設定を触っていなければ、誰にでもメッセージを送れます。いわゆる投稿に対して表側のメッセージ(誰でも見られる)がリプライ(リプ)であり、投稿に関係なく裏のメッセージ(アカウントの人しか見られない)がダイレクトメール(DM)です。普段話せないような芸能人や政治家にもリプを送れることができるというので、メッセージに対して「気に入らない」「そうは思わない」「かまってほしい」などの理由で、誹謗中傷のようなメッセージを送ることもできます。

芸能人どころか一般の人でも、見たことも聞いたこともないような人から攻撃的なメッセージが来ることもあります。誰でもが誹謗中傷を受ける可能性があります。となりにはトトロじゃなくて「誹謗」がいて、床下にはアリエッティじゃなくて「中傷」があり、崖の上からこちらを監視されているような時代です。そんな時代に私たちはどう生きるのか!と考えてしまいます。そこで、今回の「魅惑の心理」マガジンは、このような危険な時代に生き残っていくために、SNSの誹謗中傷から心を守る方法について考えていきましょう。フォロワーさんやインプレッション(見られている数)が少なくても、誹謗中傷はやってくる可能性はあります。

すでに誹謗中傷に困っている人は警察がこんな資料も用意してくれています。

意外と親身に聞いてくれるところと、全く聞いてくれないところがあるので、1箇所に相談して、軽く扱われたのしても諦めて泣き寝入りしないで、他にもあたってみましょう。

○誹謗中傷を受けやすい人

誹謗中傷とは、悪口や根拠のないことを言って、他人を傷つける行為です。残念ながら誹謗中傷を受けやすい人がいます。誤解してほしくないのは、「いじめられるのはいじめられる側にも問題がある」のようなことをいう人もいますが、誹謗中傷を受けやすい人がいたとしても、それは本人が悪いということではありません。悪いのは誹謗中傷をする人です。

誹謗中傷を受けやすい人は、芸能人など目立つ人、発言力がある人です。偉そうな人を攻撃することで、自分も偉くなったような錯覚を持ちます。これが一つの快楽になります。

そして真逆なことに、繊細そうに見える、弱そうな人も誹謗中傷の対象になってしまいます。誹謗中傷をする理由はいくつかありますが、多くは嫉妬心から来るストレスの発散、鬱憤ばらしをしたいわけです。なので相手が弱くて、自分の発言でダメージを受けそうな相手を選んで攻撃をするわけです。鉄のような何も動じない人、攻撃したら、訴えられる、強い相手は避ける傾向にあります。

自分の正しさを主張したくて、相手を全否定する人もいます。これは自尊感情の低い人の特徴です。日本人は世界の中ですば抜けて自尊感情が低いので、誹謗中傷をする人はとても多いのです。自分が特定されないような安全な場所から、誰かを傷つけて快楽を得るのです。

SNSをする時間が増えたことも影響しているでしょう。人は暇になるとよからぬことを考えるのです。


○誹謗中傷から心を守る心理学

では誹謗中傷を受けたらどうしましょう。もうひどいものは、上記にあるような相談窓口に躊躇しないで相談、通報しましょう。相手はこちらがダメージを受けることを楽しみにしているので、どんどんエスカレートします。一見、意見の違いを主張して、相手の意見を聞いて、「あなたの言う通りです」と意見を受け入れたとして、納得してくれるケースは稀です。なぜなら、攻撃をしたいことが本当の目的なのです。また、明らかな誹謗ではなくて、リプの欄に「4」とか「9」とか変な数字だけを残していく陰湿なものも多くあります。

そこで誹謗中傷から自分の心を守る方法をいくつかご用意しましたので、こんなことで心を守っていきましょう。この考えは予防薬のような働きがあるので、誹謗中傷を受ける前に知っておくとより機能すると思われます。

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