夏の曙、6時12分。家族は寝ている 二度寝をしたらさぞ気持ちいいことだろう。 しかし今日はそんなことは出来ない。 あの長女(3歳)が二度寝を許すばずがない。 心の中で「よしっ」と気合いを入れ立ち上がる。 足音を立てずに支度をする。慣れたものだ。 デキる父の定義に「生活音の無さ」は欠かせない。 ボサボサの寝癖を「santamonica」の刺繍が入った 浅めのキャップを被り、無かったことにする。 車の鍵を音を立てずに取り、ドアも静かに閉める。 目的地までは片道