冷おろし

「酒をのめ、それこそ永遠の生命だ、また青春の唯一の効果だ。花と酒、君も浮かれる春の季節…

冷おろし

「酒をのめ、それこそ永遠の生命だ、また青春の唯一の効果だ。花と酒、君も浮かれる春の季節に、たのしめ一瞬を、それこそ真の人生だ!」(オマル・ハイヤームの言葉) 儚い、墓ない人生を生き抜く冷おろしです。心は20代の不良中年男性。生息地は埼玉県。大宮の繁華街がホームグラウンドです🍺

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「生き抜くための智恵」~あなたの意識が世界を変える~

 私が20代の頃の話です。学費を稼ぐために徹夜のアルバイトをしていました。夜勤明けの午後に目を覚まし、近くの喫茶店でコーヒーを飲んでいました。2階のお店から行き交う人々が見えます。日曜日のせいか買い物客や家族連れで混雑していました。  その時、お店の中でオフコースの曲が流れ始めました。その明るい曲を聴きながら窓の下を歩く人々を眺めていたら、なにか皆幸福そうに歩いているように思えたのです。明るい曲がその印象を与えていたのかもしれません。  ふと、その瞬間閃いたのです。もしか

    • 「盲目の巫女」~イタコの言葉と、消えた母の記憶~掌の小説③

       私の番が来た。周りの視線を浴びながら、おそるおそる高齢の女性の前に歩み出た。樫の数珠を手に持った盲目の巫女は、津軽弁で私に質問した。 「仏様を降ろすが、いづ死んだのが、誰を口寄せするのがも教えでけれ」  私は23年前に病死した母親を降ろしたいと巫女に伝えた。彼女は数珠をギシギシと揉みながら、口寄せ経文を腹の底から絞り出すように唱え始めた。  1人出版社を東京都内で経営していた私は、以前から興味を持っていた、東北独特の土着信仰についての本を出版するつもりだった。焦点をあて

      • 「波の花」~波の花が舞う、旅立ちの朝~掌の小説➁

         羽越本線の下り電車を私と母は待っていた。 普段から口数の少ない母は「東京に着いだら電話けれなぁ」と言ったきり、押し黙っていた。ホームから冬の日本海が見えた。  地元の高校を卒業して、私は首都圏に就職が決まっていた。前日まで降り続いた雪も止み、象潟町を離れる日は快晴だった。  しばらくして、電車の到着を知らせるアナウンスが流れた。早朝のせいか、降りる人はわずかだった。発車のベルに驚いたように、「電車の中で食べれ」と、新聞紙で包んだ弁当箱を手渡してくれた。ドアが閉まり、ゆっ

        • 映画「天使の羽根」~閉ざされた心を解き放つ、再生の物語~

             家庭を顧みなかった元校長の老人と、母親の虐待で傷つく5才の少女の物語です。あるきっかけから、老人はかつて家族と旅した場所を目指して、少女と「青い空と、わた飴みたいな雲と、白い鳥」を求めて旅立ちます。  老人にとっては家族への懺悔の旅であり、少女にとっては虐待の傷を癒す旅でもありました。  心を閉ざしていた少女が、旅の宿で老人の布団にもぐり込んで訊ねます。「おじいちゃん、サチのこと好き」 老人は嗚咽で言葉にすることができません。少女が初めて心を開いた瞬間であり、老人が

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          映画 「おくりびと」~死者に寄り添い、生者に希望を届けたい~

          「死」は新たな旅の始まりである。楽団が解散され、職を失った元チェロ奏者が次に選んだ職業は、死者の旅立ちを演出する「納棺師」だった。  故郷・山形県に戻った主人公が、「納棺師」という職業に対する偏見や、妻との確執を乗越え、プロとして成長する物語である。最初は戸惑いながらも、一生の仕事として誇りを持てるようになったのは、「おくりびと」に対する遺族の感謝の言葉だったのだろう。  ラストシーンで、彼はある人物の「おくりびと」になる。身を清め、死化粧を施す彼の目に涙が溢れる。彼がこ

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          映画 「P.S.アイラブユー」~失って初めて気づくものがある~

           亡くなった夫や妻から、突然あなたに手紙が届いたらどうするだろうか? この映画は、夫の手紙に戸惑いながらも「生きる希望」を見出していく主人公の物語ではあるが、私達一人一人に届けられた手紙なのかもしれない。  様々な形で、病死した夫ジェリーから消印のない手紙が届けられる。妻のホリーは、手紙に書いてある指示通りに行動したり、旅行に行ったりする中で、夫の愛を再確認していく。そして、最後の手紙でホリーは夫の愛から巣立ち、自分の夢を追い求める決意をする。  失われて初めて気づくもの

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          「文体診断ロゴーン」~文豪は、あなたかもしれない~

          「汝自身を知れ」という言葉があります。様々な解釈がありますが、「自分の才能を知る」という意味で使ったのは、フランスの哲学者・シモーヌ・ヴェイユでした。Note に作品を発表する皆様方も、自分の文才を知りたくないですか?  偶然に、クリエイターのHanon さんが書いた記事で、「文体診断ロゴーン」というサイトを知りました。  最大5,000文字 の文章を入力すると、診断結果が表示されます。 ①一致指数ベスト➁一致指数ワースト③文章評価④得点詳細の4つです。以下に結果の簡単な

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          「お気に入りのビール」~一目惚れの味は苦かった?~

           自慢ではないが、一目惚れの経験がない。外見に幻惑されることはあっても、感情の赴くままに行動する勇気に欠けているのだ。  どういう訳か、モノへの一目惚れが多い。居酒屋で流れていた曲に心を奪われ、店員に曲名を聞いてメモをしたり、カレンダーの絵に魅了され、その画家の回顧展に何度も足を運んだり、モノには不思議と熱中してしまう。  最近は「麦とホップ」という名の発泡酒に一目惚れしてしまい、ビールに浮気もせず、相性がいいのか頑固に飲み続けている。  ビールと発泡酒の違いを大雑把に

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          「時は金なり」~財布の紐と、時間の紐?は似ている~

           日本人男性の平均寿命は、81.05歳(厚生労働省の2022年「簡易生命表」による)だそうです。人生の折り返し地点を、とうの昔に過ぎた冷おろしですが、時間を大切にして生きたいという思いは、年々強くなってきました。 「時は金なり」という言葉もあります。時間を無駄にせず、お金のように大切に扱うべきだというのが一般的な意味です。この言葉の意味を考えていた時に、もしかしたら「時間の使い方=金の使い方」ではないのか? そんな閃きが起こったのです。  冷おろしはいつも朝ギリギリまで寝

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          「みんなひとり」~ 儚い人生、心友と共に歩む道~

           寂しがり屋で孤独好きな冷おろしです。犬的な性格なのですが、猫の血も混ざっているのかもしれません。招き猫? 残念ながら金運には円、いや縁がないのは間違いありません。  昔から独りには慣れていました。今後、最後まで一人だったら、墓はいらないと身内には伝えています。どうせ儚い(墓ない)人生なのですから。  でも、竹内まりやさんのこの曲を聴いたら、心を動かされました。特に、歌詞の中にある心友という言葉が新鮮でした。冷おろしには、親友ではなく、心友と呼べる相手はいるだろうか?

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          「子供の日」~ヒヨコと一緒に、日々の幸せに感謝!~

          駆け足でデパートまで行った子供の日。 無料でくれるヒヨコを貰うために。 数日後、学校から戻るとヒヨコは冷たくなっていた。 黄色い産毛を私は何度も何度もさすっていた。 どんな思いで土の中に埋めたかは憶えていない。      *          * 人口孵化で生まれたヒヨコは母親を知らない。 その母親も大量の卵を産むために抱卵を許されない。 多くの悲しみの上に私達の生活がある。 子供の日は、私にとっては日々の幸せを感謝する日なのだ。

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          「五月病」~人生はバラ色ばかりじゃない! by ロッキー~

           「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」  初夏がやってきた。心躍る季節ですが、新しい学校や職場に馴染めず、重苦しい心のまま、日々を過ごす人々もいるのです。「やる気」を喪失した彼らに、どんな処方箋があるのでしょうか?  人は、あるきっかけが無ければ、やる気を起こさない動物です。そう、人間は目の前に、ニンジンをぶら下げないと前進できない存在なのです。  人それぞれ人参は違います。家族のある方にとっては、子供や夫や妻かもしれない。独身の冷おろしにとっては、日々のお酒や本だったり、ま

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          「不良長寿」~不良親父が伝授する簡単!健康法~

           以前、ある新聞の記事で「不良長寿」という言葉を知りました。真面目な人よりも、不良のほうが長生きするという意味だそうです。  昔、フィンランドで行われた実験結果から導き出された結論らしいのです。あるグループは医者の定期健診を受けながら、酒や煙草を禁止された生活を送りました。別のグループは医者にかからないで、酒も煙草も自由だったそうです。10年後に2つのグループを調査したら、前者の死者数が多く後者の死者数はゼロでした。  真面目なグループは、身体に必要なコレステロールが薬や

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          「苦痛の法則~苦痛の果てに快楽が待っている~」※18歳以上限定記事

          〔警告〕あなたは18歳以上ですか? 下のボタンを押してから     記事をお読み下さい。  ある女性の時給が25,000円で、年収が約3,600万円と聞いたら、あなたはどんな職業を思い浮かべるだろうか?  夕刊紙で紹介されていた彼女の職業は、なんとSMの女王だった。ムチで打たれたい、ハイヒールで踏まれたいと願う男達の欲望が、女王様の年収を押し上げているのだ。理解に苦しむ性的嗜好だが、なぜ苦痛は快感に変るのだろう。  東京大学で神経科学を研究している池谷裕二教授は、神経

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          「レジ待ちの人間観察」~お嫁さんを選ぶなら~

           独身の冷おろしです。時々近くのイトーヨーカ堂で買い物をしますが、レジ待ちをしながらいつも「何故?」と思う事があります。私の前に並んで会計を待っている人や、会計後に立ち去る人々の思いやりに欠けた行動についてです。  仮に私がレジ待ちをしている時に、もしも後から重いカゴを持った人が並んだら、そっと私のカゴを前に寄せて、相手が置けるスペースを作るように心掛けています。でも、先日そんな思いやりには程遠い若い女性に遭遇しました。  私が重いカゴを持って後ろから並んでも、私を一瞥し

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          「愛情の飢餓」~もしも、光源氏になれたら~

           未だに「源氏物語」を読んだ事がない冷おろしです。先日読んだ本の中に、光源氏の女性遍歴が「愛情の欠如」に起因していると書いてありました。母親の愛を知らない彼にとって、女性が孤独を癒すために必要だったのかもしれません。  女性遍歴には走りませんが、飲酒遍歴が長い不良親父です。私も幼い頃に、親の事情で乳児院に預けられた期間がありました。仕事のストレスで酒を飲む時もありますが、それ以外にも深酒をする悪癖があるのは、幼児期の愛情飢餓がトラウマになっている気がします。  元刑事が「

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