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「起立性調節障害」に負けないために…⑧ 最終章・絶対に既卒になってはいけない

こんにちは。隣の芝生です。今回が本連載の最終章になります。どうぞ最後までお付き合いください。

▼本シリーズのあらすじ

 「起立性調節障害」を中学生の時に発症した関係で高校を1年休学。ようやく元気になって大学に入ったら、コロナの影響をダイレクトに被り、中高まで遡ってもガクチカが無いまま就活を迎えてしまった男のエッセイです。
 反面教師として、この病気の人間のモデル例として、どうぞ最後までお付き合いください。残念ながらこの病気に罹ってしまった方のみならず、これから就活を迎える元気な方も参考になる内容を目指しております。

 今回は第14章からのスタートとなります。過去回をご覧になっていない方は、初回と前回の下記リンクよりお進みください。


第16章 絶対に既卒になってはいけない

 新卒の段階で就職が決まらないと、取れる手段は大きく分けて二つあります。

 ひとつは卒業単位を敢えて落として、翌年「新卒」として就活をするという選択肢、もうひとつは「既卒」として就職活動を継続するパターンです。もちろん院進などと言った手段もありますが、理系ではないので現実的ではありませんね。私はどこまでも真面目なので、大学の講義はきっちりとS評価/A評価でなるべく揃えるように心掛けており、学費を無駄に掛けても仕方ないので「既卒」としての就活を選択しました。これがまぁ余計にいけなかった。

 まず受験できる会社がマジで減ります。本当に驚くほど減ります。人材募集に困らないホワイト企業ほど削れていきます。前回の記事で、「就活を通してやりたい職業を見失った」と書きましたが、その一因がこれであり、自らの志望業種でも、かなり上位の志望先が無くなっていきました。何ならニッチな業種だと、業種ごと受験不可になったところもありますね。

16-2 「既卒」と「新卒」は一文字違うだけで大違い

 次に「既卒」という物の扱い自体に関する問題です。「新卒」は学生のみを対象としているので、学歴や学生時代の取り組みなどのポテンシャルで評価されるものです。
 
 ポテンシャルだけで言ったら、英語だけでも全国模試1位なんて狙って何回も取れる物じゃないですから、頑張りや努力の経緯を少しでも評価して欲しい物ですが、それは評価の対象にならないんですよね。とにかく集団生活での取り組みが重要。


一方で、既卒は「職業人としての取り組み」が強く求められます。

 
 そんな経験なんて、新卒就活を逃してもなお、シャカリキに活動を継続している人間に作れる訳ないんですが、それでも聞いてきます。多分新卒で失敗した人を弾くという意味でも、既卒者に対して職業人としての経験を問うという行為をしているんだと推測されます。こうなってしまうと詰みますね。

 就活はきちんと正社員の内定を取りに行きたいのに、正社員としての内定を取るためには職業人としての経験が必要という、何とも矛盾した構造になっています。

 もちろん、既卒無職の人を新卒同等で扱ってくれる会社も一定数存在はしますよ。しかし、体裁上は既卒OKになっていても、実態としては採らない、あるいは職業人経験を問うことで、採用の障壁を上げている点はあると思います。

 大学で遊びまくって単位落として留年した人の方が、真面目に単位を取って真面目に就活して、それでも就職に結び付かなかった人よりも評価されるのか理解に苦しみますが、とりあえず世の中はこうやって回っています。

 起立性調節障害やその他の病気を学生時代に発症していて、経歴に残ってしまっている方は、特に企業が採用を見送る可能性が高まります。故に、既卒に回りやすくなるという点は十分に理解した上で、多少の妥協などを含めて早期決着を意識して活動してください。お兄さんとの約束だぞ。


最終章 戦いはまだまだ続く… 

 前向きで啓蒙的な内容のコンパクトな文がヒットしやすいnoteにおいて、5000字クラスの陰気な長文を、全8回・17章構成でリリースするという強烈なことをしてしまいましたが、最終章までお付き合い頂き、ありがとうございました。

 ここまでが、起立性調節障害を患った一人の人間の全てです。長くなってしまい大変申し訳無いですが、全てお読み頂ければ、なんとなーく分かって頂けるんじゃないかと思います。

 それにしても、塾の模試成績を基に受験できていたら一生安泰であったろう高校受験は、病気の性質や出席日数などの影響で、中学側から志望校受験のストップが掛かり、志望校側からも病気の生徒は受け入れ拒否。病気を理解して受け入れてくださった高校でも、実際に通えなければ転退学を勧められました。当然と言えば当然ですが、なかなか厳しいものです。

 いざ病気が寛解して元気になったというのに、センター試験の約30時間前にインフルエンザに罹患し、国公立が流れました。

 ストレートで入学できた大学で、楽しい学生生活を取り戻そうとした矢先に、新型コロナウイルスが蔓延。一気に行動制限が掛かり、授業はオンラインに変わり、サークルも一瞬で解散。プレゼミの段階から顔を売っておいたゼミは、コロナ禍でもフィールドワーク(半ば旅行に近い)をしてた関係で、例年にない高倍率になり落選。

 就活が始まれば、大学時代がコロナ禍で満足に行動できない学生が多かった関係で、中高にまで遡られ撃沈。既卒になったらなったで、世の中がコロナから戻りつつあるということで、大学時代の取り組みが問われる…と、尽く間が悪いことよ。

▼まだまだ戦おうじゃないか

 しかし、中学から志望校受験を止められた際には、中学が指定してきた学校と受験日程が被らないことを条件に、取れる選択肢の中では進学熱がある部類の学校を受験し突破。

 入った高校から転退学を勧められた際は、なんとか交渉で休学を取り付けて、翌年から既定の単位数を取って卒業。

 センター試験は、結果に結び付かなかったものの、24時間で解熱できる薬を使って、強い意志を持って強行(出席停止解除要件を満たしたのでバラ撒いてはないです)。

 既卒になろうが、受けたい業種が消えようが、いままでの勢いのままに就職活動を継続しており、最近では病気の説明(ごまかし方とも言う?)も上手くなったようで、最終まで生き残るパターンも徐々に増えてきました。


 病気で潰れた理由にストレス要因が大きかったことは事実ですが、案外自分は精神的に強いタイプなのかも知れません。

 なるべく過年度の形跡は残さないように…などと記事内でお伝えしましたが、なんだかんだ休学やら新卒就活やらを乗り切った(上手く行ったとは言ってない)経験は、自分にとって大きかったように思えます。

まだまだ人生これから。この難局もきっと乗り越えられる。

▲全編リンク▲

あとがき

 最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。本シリーズはこれにて一旦は完結とさせて頂きます。また何か進捗があったとか、書きそびれたことがあれば、追加でリリースしたいと思います。

 なるべく事細かに起立性調節障害の症状や、患った人間の苦悩が素直に伝わるように心掛けましたが、少しでも伝わっていれば幸いです。

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