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「起立性調節障害」に負けないために…⑦ 大企業病と中小企業シールド

こんにちは。隣の芝生です。

▼本シリーズのあらすじ

 「起立性調節障害」を中学生の時に発症した関係で高校を1年休学。ようやく元気になって大学に入ったら、コロナの影響をダイレクトに被り、中高まで遡ってもガクチカが無いまま就活を迎えてしまった男のエッセイです。

 反面教師として、この病気の人間のモデル例として、どうぞ最後までお付き合いください。残念ながらこの病気に罹ってしまった方のみならず、これから就活を迎える元気な方も参考になる内容を目指しております。

 今回は第14章からのスタートとなります。過去回をご覧になっていない方は、初回と前回の下記リンクよりお進みください。


第14章 "大企業病"vs"中小企業シールド"

就活生の間で飛び交うワードの中に、"大企業病"という言葉があります。これは大企業に強いこだわりがある人が、ネームバリューのある会社にしか出願せず、最終的に全滅することを指す言葉です。

 そんな私も"大企業病"を最初から恐れていた人間ですので、新卒の段階から、一定の割合で大企業傘下の子会社や、独立系中小も多く混ぜて出願しました。これで完璧。

 しかし、実際に就活を体験してみたところ、体感では中小の方が落とされるのが顕著に早かったと思います。これには中小企業の採用人数の少なさも、大きく関係していたのではないかと思います。これを今回は、中小企業シールドと呼んでみたいと思います。


▼"大企業病"のメカニズム

 大手企業では、数千人単位で一気にESが届くのは当たり前のようです。その中から書類で振るいに掛け、面接を3回~4回繰り返して、社風や採用方針に合致した数十人~数百人を採用すると言った採用パターンが組まれています。言うまでもなく狭き門ではございますが、逆に言えば大量採用する余力があるので、病歴などにそこまでシビアではない会社も一定数存在します。

 
 私自身も、最終面接までに4回面接する一般的な大企業で、最終手前の三次面接までは病歴などについて一切掘られなかったり、掘られてもアピールでどうにかなったりと、何だかんだそこそこの割合で進んでいるのです。

 良くも悪くも大企業は、明確に一律な基準で採用を行っているところが多いように思えます。特に集団面接などを見ていると、その傾向は顕著だなと感じますね。

 一次ではコミュニケーションが取れない人を落とす、二次ではガクチカの薄い人を落とす、三次では病歴や行動特性に問題のある人を落とす、最終で一緒に働きたい人を選ぶと言ったような感じです。

 
もちろん一定ラインの学歴などが見られる場合がほとんどですし、高倍率の狭き門ながら、社風や採用方針にバチッとハマると意外と選考が進みやすいのが採用数の多い大企業の特徴です。


▼病歴のある人は要注意!"中小企業シールド"

 しかし、中小企業ではそうも行きません。毎年の採用人数が1~3など本当に少数精鋭で戦っている会社さんも多く、そういった会社では一人でも採用リスクを抱えれば、会社を左右しかねない無用な採用コストや欠員補充が発生するなど、大企業に比べて傷が大きくなります。

 そのためか、10年近く前でも重大な病歴や休学歴があると、落選する可能性が高まります。1人で定員充足するところに、常に元気な人とそうでなかった人の二人が集まったら、どちらを選ぶかという単純な問題ですね。

 説明会や採用HPが存在しない会社も多いので、そもそも何の事業をやってるかすら把握しづらい点や、大企業に比べて志望動機を書きにくいという点は確かにございますが、書類すら通らない会社の割合で言えば、中小の方が圧倒的に高いです。そのため、大企業では、純粋に高倍率を勝ち抜けるガクチカや病歴の有無が問われやすい上位面接で落ち、中小企業では休学歴の段階で門前払いをされるという、八方塞がりな状態に陥りやすくなります。現に八方塞がりなので私は無職です。

 これこそが、起立性調節障害やその他の病気になった人が、最も注意すべきポイントだと思います。

 うつ病などの精神疾患や身体障がいを抱えられている方には、別途採用枠が用意されている会社も多いですが、起立性調節障害は名前にこそ「障害」と入っていますが、そういった採用制度も適用対象ではございません。

 故に、一度なってしまった場合は、就活上は全てがマイナスに働きます。いかに経歴欄で違和感を持たれないようにするかを意識してください。面接官が見た時に、病気の名前に「障害」と入っているインパクトは測り知れません。

第15章 就活を通じて"やりたい仕事"を見失った

 私は、新卒の初めの頃には、金融系と小売業、それに一部趣味の業種に絞って就活を行っていたのですが、いずれともご縁が無く、そのまま既卒に回ってしまいました。

 これは友達から聞いて後になって知ったことですが、金融業は経産省からの就活時期の指示を割と守っていたらしく、全体的に募集開始が遅いようです。故に、金融に縁がないとわかった段階で、既に他の業種はほとんと募集が終わっており、不利な展開を余計不利にしてしまったようです。私はここの想定が甘かったので、完全に行き場を失いました。

 ここまま何もしなければニートが確定してしまいます。そんな状況で何も手を打たない訳ではなく、私は新卒の途中から、教育業・不動産業など様々な業種を手を広げてみました

 しかし、教育業の面接に行けば「アルバイトを通じて、早慶など難関校への指導実績はありますか」などと難しい要求をされ、不動産業に行けば、中高含めたガクチカ攻めで完敗といった感じでした。

 果たして、この難関校実績の質問は「そこまでの実績は早々作れないことを嘘偽りなく素直に答えられるか」という資質面を問われていたのか、本当に難関校への進学者を出せる人間が欲しかったのかはわかりません。自分がアルバイトしていた塾は、受験指導よりも学校の補講がメインですので、なかなか難関校を本気で目指す方に遭遇する機会自体が無いです。例によって、私はこれも正直に答えました。

 
 一方、私も評価して貰えるところを探すことに必死です。第二章付近で、通っていた塾の全国模試で英語1位を安定して何度か取って、5科平均でも安定して早慶レベルに食い込んだという、半ば自慢に近いお話を致しましたよね(話の流れ的に必要だったので…。申し訳ないです)。その出身塾ならきっと、アルバイトでの指導経験や、在籍時の模試成績にある程度の評価してくださるであろうと思い、もちろん応募してみました。
 
 就活でのアピールは、結果も大切ながら「努力の過程」も極めて重視されると聞いています。さすがにここなら分かってくれるであろうという期待を込めて。


▼いよいよ何も役に立たなかった"努力の過程"

 しかし、いざ面接をしてみると、初っ端から「あなたの在籍時とは違って、いまは英語の指導には英検一級が必要です」と出鼻を挫かれる形に。英語力の指標としてTOEICは熱心に受けて、きちんと学生受験者上位の成績を確保していましたが、英検は水物のスピーキングがある関係で、受験料が勿体ないと思い、受けていませんでした。
 
 バイリンガルでも無ければ、留学経験も無い上に、病気の関係で中高と勉強時間を確保できなかったので、最短ルートで受験英語を突破することしか考えてなかったんですよね。ある意味、浅薄な英語で突き進んできたのが、ここで見透かされた形となります。

 ただ、説明会で配布された募集要項にも「英検一級取得必須」のような文言は無かったので、現地の面接に行ってビックリという感じでした。それなら採用経費と交通費が無駄だから、先にその募集条件書いてくれた方がお互いに幸せだったのでは… と思わなくはないです。また、念のため自己PR欄に小さく書いた当時の模試成績についても、軽く鼻で笑われて流されてしまいました。

 いやまぁ、就活のPRに塾の成績書くのがおかしいことくらいは私にもわかるので、ガクチカ攻めで書くことが足りない時や、特技欄の余白が大きい時以外は基本一切書きません。

 しかし、さすがに同じ塾であれば、「中学生の段階で独自テキストの内容を一度は完璧に網羅していて、いつでも指導できる態勢にある証拠」くらいには認識して頂けると思っていたので、全く評価の対象にならなかったのはショックでしたね。

 この後はもう、手当り次第受けられる会社は全部受験くらいの勢いでやりました。Youtubeに個性的な朝礼動画が上がってるようなブラックな会社や、体調を崩しうる極端な不規則勤務や夜勤の会社などは最低限弾きますが、それ以外は志望業種とか職種とか言ってられる域では無いです。がむしゃらにやるしかないですよ。

 ただ、後に受ける会社ほど志望度は徐々に下がっていきますから、数をこなせばこなすほど志望動機は甘くなり、活動の軸がブレてきます。自分でも何を目指してるのか、正直わからなくなってしまいました。ただ行きたい業種に行けなかったから、惰性で真面目に就活しているだけの人間の誕生です。

 こういった悪循環に一度陥ると、なかなか抜け出すのは難しく、モチベーションの維持も難しくなるため、さらに面接の通過率が下がっていきます。就活生全般に言えることではありますが、この病気の人は特に"早期決着"を意識して、就活に挑みましょう。


あとがき

今回も最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。励みになりますので、いいねもよろしくお願いいたします(noteにログインしてなくても押せます…)。過去の更新回もぜひ目を通して頂けると幸いです。それでは。

▼次回記事はコチラです(最終回)▼


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