【ブッダボットに友達が増えたよ】仏教対話AIがさらに増えたぞ

見出し: 仏教対話AIが進化!親鸞ボットと世親ボットが登場

1. 背景

2022 年 11 月に Open AI が発表した生成系 AI「Chat GPT」は、その自然な文章生成能力と情報の多様性から、チャットボットの新たな進化を予示しました。このAIは、世界中で急速に受け入れられ、産業界だけでなく宗教界にも大きな影響を与えました。

こうした中、京都大学 人と社会の未来研究院の熊谷誠慈准教授と株式会社テラバース古屋俊和 CEO は、2021 年に Google 社提供のアルゴリズム「Sentence BERT」を用いて「ブッダボット」を発表し、宗教対話 AI の先駆けとなりました。しかし、このボットは文言を提供するのみで自然な対話を生成することができず、その後、ChatGPT4 を応用した「ブッダボットプラス」が開発されました。

2. 研究開発手法・成果

この研究開発グループは、ブッダボットプラスの成功を受け、新型の仏教対話 AI「親鸞ボット」と「世親ボット」を開発しました。親鸞ボットは浄土真宗の開祖親鸞を、世親ボットは大乗仏教の哲学である「唯識」を大成した世親をモデルにしています。これらのボットは、仏教聖典を学習し、宗教的視点から多様な質問に回答する能力を持っています。

また、新旧のブッダボットと合わせて、仏教の主要な伝道者の対話ボットが揃いました。これにより、仏教の教えを生み出した「ブッダ」、その教えを哲学的に解析した「菩薩」、そして、教えを広めた「高僧」といった異なるアプローチのボットが提供され、仏教対話 AI の多様性が実現しました。

3. 波及効果、今後の予定

これらの新たな対話 AI は、学術、産業、宗教の分野で幅広い波及効果が期待されます。学術的には、新しい仏教思想の解釈が提出され、宗教哲学の新たな発展に寄与する可能性があります。産業的には、経営アドバイスや経済分析などに活用され、メンタルケアやHR分野への応用も期待されます。宗教的には、宗教活動への新たなアプローチが開発され、僧侶と信者とのコミュニケーションが向上し、仏教の教えが広まるでしょう。

4. 研究プロジェクトについて

この研究プロジェクトは、京都大学の熊谷ラボと株式会社テラバースによる共同プロジェクトです。このプロジェクトは、AIと伝統的な知識を結びつけ、デジタル空間に豊かな伝統知を再現することを目指しています。倫理的な課題にも注意を払いつつ、今後もさらなる対話 AI の開発が進められる予定です。

ChatGPTより作成


というわけで、京都大学のブッダボットの開発の続報なわけで、新しいチャットボットとして、「親鸞ボット」「世親ボット」と新しい仲間が登場。親鸞は鎌倉時代前半から中期にかけての仏教家。浄土真宗の宗祖とされている。世親は、インド仏教瑜伽行唯識学派ゆがぎょうゆいしきがくはの僧侶で唯識思想を大成し、後の仏教において大きな潮流となったという。

このふたつのボットと今までのブッダボットを加えて、仏教の主要なタイプの伝道者の対話ボットがそろった。


で、何をしてくれるのかというと、人生で今悩んでいることを相談すると仏教家としての答えを示してくれる。実際のお坊さんもそういった相談には乗ってくれたりもするのだけれど、AIボットという機械になら相談してもいいと思える人も少なくないだろう。

さらに拡張現実技術を開発して、テキストだけでなくカメラからスマホの画面にブッダや親鸞の姿を見ながら、コミュニケーションも取ることも。

こんなのはまやかしであろうと思う人もいるだろう。本物の言葉ではないと感じる人の方が多いと思う。そういうものだから、と割り切って、このようなボットに何気なく話しかけられれば、ちょっとでも心が軽くなる人もいると思う。

いずれは、ブッディストにかぎらず歴史上の聖人や宗教家の言葉を聞くことができるだろう。中国の偉人達人から、言葉をもらってみたい。孔子だったら、韓非子だったら、ビジネスで活用したい人もいるだろう。そう考えると、未来の友達はロボットの方が沢山いるかもしれないな。


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