コミケの戦利品を紹介していく2 C99


デザインというのは、暮らしの中で住みやすい形を提供したり、美的な感性を生活に加えたり、望まれた要望を設計するなど、美術的や哲学的な観点から考えていくと、望む形が大きく変わるのが楽しい。

要望があって、その枠組みやシステムを考えていく。小さなデザインが社会を少しずつ変えていくのは、歴史からみても明らかである。

コミケに行くとこのデザイン系の同人誌も少なくない。同人誌のノウハウ本が結構ある。今はネットでも調べられるけれど、手元に書籍があるといつでも引くことが出来るのが強みだ。

評論系は解説が多めになるので、テキストが増えてしまい字面ばかりになってしまうから、手に取ってもらってみても、初見さんには中身をよくわかってもらえない。

マンガとは違って、一目で印象をつかめれば買ってもらえるチャンスが出来るではないか。一目で好印象を与えるにはどう設計すればよいのか。

プロのデザイナーが会場限定の頒布でそっと教えてくれるのがこの本。読む人のためにきちんとレイアウトした本は読んでて気持ちが良いものである。これは意識しないと感じないもので、テキストを読んで疲れてしまうのはライターの技量不足だけではなくて、文字の大きさや行間の幅を考えず、見せたい部分を主張できず、あやふやな印象を与えてしまうレイアウトにも問題があるかもしれない。

後ろの2冊は他のサークルが作成した同人誌のレビューとアドバイス副読本。実際の本からプロの視点で至言のアドバイスをしていく。

表紙は本の顔。会場を見て回る参加者の目線は新刊の表紙を一秒も見てない。一期一会のチャンスをつかむために、チラ見して過ぎ去っていこうとするその眼球に一目でわかる情報を届けるのだ。


日本の研究はどこでどんなことをしているのかって、積極的に調べないとわからないし、研究ってどれくらい大事なことなのかって、もっと知られるべきだと思う。

元の取れない研究はいっぱいたくさんあるけれど、大事な基礎研究はその先にある発展する文明のための礎。財政を考えろという人もいるんだけど、研究開発が遅れたら、その先を行く他国の研究所からより高いコストで技術料を払うことになるし、独り占めされてしまうかもしれない。

写真に写っているのは核融合発電の研究所。日本でも核分裂じゃなくて、核融合の研究を進めているんです。以前の記事にも紹介していたんだけれど、この鋼鉄のうろこに包まれた実験装置はまるで生き物のように見えます。

近年工場見学が流行っていたけれど、ここの見学はとても難しいようで、何度も何度もお邪魔して、取材にこぎ着けたと覚えている。つまり、ガチの工場取材。ではなくて研究所の見学ってあまり聞いたことがない。

解説の濃度も濃いけれど、写真と一緒にテキストを読んでくれるギリギリの範囲で流していて、読み疲れないし、また読みたくなる。正直、解説の内容はほとんど理解できないけれど、何かのきっかけで理工学のフックが理解の扉を開くときが来るだろうと思う。

いつか、一冊の厚い本でまとめてくれないかな。こういう本が本棚にあるとちょっと誇らしくなる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?