コミケの戦利品を紹介していく3 C99

空耳アワー辞典 for 27years

空耳アワー27年史。すっかりご長寿番組となったタモリ倶楽部は今年で40周年になる。深夜番組と言えば、知る人ぞ知る11PM。11PMも当時はエッチな番組として有名で司会者が代わりながらも続いていた24年と半年。タモリ倶楽部は普段はあまり気にしないけれど、言われてみるとちょっと気になるテーマを掘り下げて、面白い番組作りを続けている。

タモリ倶楽部を見ていなくても、空耳アワーを知っている人の方が多いと思う。自分も空耳アワーの特番があるとチャンネルを変える人間。

知らない人のために解説すると空耳アワーとは、海外の楽曲を聴いてみると日本語で聞こえてくるフレーズがある。その部分を視聴者から投稿してもらって、番組がシュールな映像に仕立て上げて公開するコーナー。

数々の名作があるけれど、プリンスの「農協牛乳」やメタリカの「寿司、鶏、風呂、寝ろ」などは不朽の名作。探してみると案外簡単に見つかるので、知らない方はちょっと見てほしい。

この空耳アワーには熱狂的ともいえるファンが存在していて、自分の知っている範囲でも全ての空耳アワーを録画したつわものがいる。27年の膨大なデータを記録して、アーティスト順に掲載されている。データを作成したこの仕事を大いに評価したい。

原曲と空耳を載せているので、記憶の片隅にあるあのフレーズを見つけることが出来るだろう。しかし、この誌面はかつてのカラオケボックスのタイトルリストのようでもある。タイトルと歌い出しの部分に見えてしまうから。

だしの知識

だしの知識をあらゆる側面から調べ上げ、丁寧にまとめ上げた珠玉の一冊と言って良いだろう。この本の表紙からして、鰹だしの風味が漂い、立ち上る湯気を連想して、生唾を飲み込んでしまいそうである。

このサークルは醤油について徹底的に掘り下げた本を作っているところで、今回のだしについての本は番外編となっている。しかし、日本人としてのアイデンティティーは醤油は切っても切れないものだが、だしも外してはいけない。うま味という五味にはまらない、もう一つの味覚は日本人がずっと磨き続けていた。

しかし、日本もうまいモノがない時代が長かったという。日本は海に囲まれているので、塩と昆布を煮出していたという証拠が縄文時代から存在していたと言うけれど、昆布をだしとして使い出したのは寺院で精進料理として、昆布だしが民間に広まりだしたのは鎌倉時代あたりとのこと。

同人誌ならではの装丁のこだわりが感じる。内容なら新書並みの情報量であるし、これ一冊を通しで読めば、ちょっとだしに詳しくなれる。作るかはまた別。




めんつゆ草子

同サークルの本領と言ったところか、めんつゆについて語り尽くす味の濃い一冊。めんつゆは万能で冷蔵庫に一本入れておけば、たいていの味付けはなんとかなってしまう。

めんつゆ1つでも、製法に各企業が努力した結果、特色を見せためんつゆがたくさんある。ページをめくると各めんつゆの写真が掲載されており、一つ一つが丁寧にレビューされている。

全国高校野球選手権大会よろしく、各メーカーのめんつゆをトーナメント形式で比較する企画もおもしろい。一本一本味見していたのだろうけれど、文章がとても楽しそうに書かれているのが印象的だった。これが、商業誌だったら、すぐに出来るものではないだろう。けれど、これを一冊読み切ったら、きっとめんつゆがほしくなって通販サイトをチェックしているに違いない。


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