【月の塵で太陽光を防ぐ】塵を打ち上げて地球の気候変動を食い止めるぞ

去年、アメリカがアルテミス計画を発表して、月に宇宙飛行士を送って、月面に着陸するという。アルテミスというのは月の女神のことで、実に半世紀ぶりの月の有人探査計画になった。

さらに月を周回する新しい宇宙ステーション「ゲートウェイ」を建設し、宇宙飛行士を定期的に送り込んで滞在できるようにする。

月に有人ステーションが建設できたら、今度は火星になるだろう。月に居住するというのは、どんなもんなんだろう。いずれは観光で月にいけるようになるのだろうけれど、後どれくらいかかるだろうか。それまでに自分はいけるだろうか、といけるかもしれない望みを抱いてしまう。


アメリカ、ユタ大学の研究チームは、月の塵を宇宙空間に発射すれば、地球温暖化を食い止められると発表した。

ユタ大学の科学者は、何百万トンもの月の塵を大気中に放出することで地球温暖化を抑制できると計算した。なぜ、月の塵を宇宙に放出すれば、地球温暖化が防げるのか。

太陽と地球の間に何か陰るものを備えるというアイディアは新しいものでは無く、人工衛星や太陽エネルギーの約1.8パーセントを遮断できる薄膜ソーラーシールド(人為的に気候変動を相殺するには十分な量)を打ち上げるエネルギー量は、サターンVロケット2万5000機分に相当する。

月の塵を1億トン用意すれば、太陽光を遮ることができるという。この数字は人類がこれまでに宇宙に打ち上げてきた質量を合わせたものの数千倍に相当する。

月の塵は多孔質でふわふわした構造になっており、とても質量が軽い。地球の塵よりも楽に舞い上がることができる。そして、優れた反射鏡となって、太陽光を遮ってくれる。

このアイディアは土星を取り囲むリングにヒントを得たもので、土星の輪は天体の塵でできており、光を反射することで自分は視認できている。

地球と太陽の間に特殊な軌道に乗せてパラパラと流せば、少量の質量でも奥の太陽光を遮ることができるという。

月に打ち上げ施設を建設すれば、定期的に打ち上げることが可能になる。

ただし、これは対症療法のようなもので、地球温暖化に対して、これから人類はCO2を抑制しなくてもいいというものでもないし、これからも人類の課題として、きっちりと取り組まなくてはならないだろう。

アイディアは素晴らしいものだし、これを続けていくうちに地球にリングができてしまったりするかもね。それはそれで、未来は青空に一本のリングを見る風景ができてしまうな。


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