コミケの戦利品を紹介していく6 C99

一峰大二先生のイラスト集と追悼同人誌。一峰大二先生は1960年代から70年代にかけて、特撮系作品のコミカライズを手がけていて、七色仮面、ナショナルキッド、ウルトラマン、ウルトラセブンなどが代表となるかな。

ウルトラマンはギリギリわかるけれど、七色仮面やナショナルキッドは名前は聞いたことはあるけれども、実物は見たことが無かった。しかし、なんという画業歴。82歳でコミケ初参加という創作意欲を燃やし続けるも、おととしの11月に脳出血と肺炎のために亡くなった。

いまやデジタルが主流になっている漫画の現場で筆を走らせる先生の写真を見ると積み重ねた技術のたまものか、深い畏敬を感じてしまう。このコミケがこれからも続くとして、この先生のように80代になっても続けていける人がどれだけ残るだろうか。ものを作るその姿勢とバイタリティに創作者としての将来の道を先んじて見せてくれたような気がする。


コミックマーケット45年史
でじきゃらっともすでになつかしい
最近の人気作家さんや
かっこいい
初めて見たときからすごくうまかった
かっこいいおじさんがいるのは名作の証拠
このセンスは自分の視野にはなかなか入ってこなんだ
二人ともいまや大作家ですね

コミックマーケット45年史が会場で売っていたので即買い。もっとたくさん見せたい絵があるけれども、きりが無いので。

過去にコミケに参加しており、商業で大成功したり、まだコミケの現場で活動されている方もいる。自分はもっぱら評論、ミリタリー系ばかりだけれど、壁大手の本はやはり、行列に並んで買ってみただけの価値はあるんだ。こういう優れた作家さんをたくさん育ててきたのがこの場所だった。

こうやって、大勢の参加者を引きつけて、買い専の参加者が創作側に立つ人もいた。そういった混沌とした、自由に創作できる場所として、創作意欲を駆り立てる土壌を広げていった。

2年の空白は創作意欲を減衰させてしまい、作家活動をやめてしまう人も少なからずいただろう。この場所が再開できたけれど、次も出来るかどうかはまだわからない。

世の中なにが起こるかわからないし、表現活動を規制しようとする団体からの抑圧も収まる様子もない。永遠にあるものは無いのが自然の法則だけれども、創作の場がここにいなくなってしまっても、きっとどこかで拓かれてくれると信じている。





番外 同人誌は高くて薄い本の代名詞を真っ向から矛盾する存在。2年間書きためたものを一冊にしたそうで、この厚みはまさに執念を実在化したもの。持ってみると意外に軽い。ちなみに艦これの同人誌です。

今まで買った厚い本の中で、津山事件のコピー資料とロケットエンジンの教本があったけれど、それらを大きく上回る厚さだった。これほどのものはおそらく当分見かけないだろうと思う。いや、もしかして…。


おしまい



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?