発達児は、生きて中学を卒業できれば満点
わたしの人生は、希死念慮と手を繋いで歩いてきた。
今日こそもうダメだ。今年はもう乗り切れない。もうすぐあちらに引っ張られる…そう思って生きてきたから、いまこうして、すこし図太いおばさんとしてまだこの世にいることが不思議でならない。完全に余生だ。
そんなわたしだからこそ、誰かがSNSで言ってくれた“発達児は、生きて中学を卒業できれば満点”という言葉は一瞬で理解できた。
だって、わたしの身の回りは、歯の欠けた櫛みたいに、ぼろぼろ死んでいったから。
ところで、この記事は恩田陸「Spring」のへたくそな感想文なのだけど…読みました?
この小説、この小説こそ、わたしと同じように「ここではないどこか」に行けると信じて、なんとか生き残った人が“青春時代に読みたかった本”だと思う。
わたしは昨年、息子に死の匂いを感じとっていた。このままではヤバい…生き残れたとしても、希死念慮との戦いだけでどれほどの時間を無駄にすることか…
猶予はない、迷ってる暇もない
息子をとりあえず海外に送り込もうと思った。
“ここではないどこか”に行かせようと思った。
「Spring」には、強い苦悩はあまり描かれない。そのなかで、唯一群を抜いて母親が絶望を感じるエピソードがあって…発達児を「この子の居場所はあそこではないのにな」と思いながら毎日送り出す親の胸に深く、深くつき刺さる。
わたしたちの使命は、生きてこの先の世界“ここではないどこか”へこどもを送り出すこと。
たしかに不安。放っておいていいわけでもない。
ただ、わたしは忘れてはいけない。
生きて中学を出られたら満点。
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