読んだもの

赤い長靴/江國香織

ここ最近思うことと少し一致している部分があった。というのも、わたしと彼とは別の人間だということ。わたしはいつもいつも相手のことをなんでも知りたがり、見たがり、聞きたがる。しかし、彼とは四六時中一緒にいられるわけでもなく、連絡もどちらかというと不精で、そしてあまり感情を吐露しない。なのでおおよそ考えていることがわからないのだ。
これまでの相手はもっとわかりやすくて、何を思って何を考えているのか、予想がついていた気がする。今考えると思考も似ていたのかもしれない。一方彼は、お互いにお互いと違うところが良くて、わたしなんかは憧れてそれで好きになっているような感じなので、きっと物事の考え方が違うんだと思う。だから尚更わからない。
時折わかりたくて、何を考えているの?と聞いてみたりするけど、何も考えてないよとのらりくらり言われるわけである。とんでもない思慮深い人なのに。
あの人がわからないなあと思う。でもよくわからない人でいて欲しいなあとも思う。よくわかっちゃったら、それもそれでいいけど、なんだか飽きちゃいそうだから。


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