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かにチャーハンそれから

「ねえ、あなた、かにチャーハンって食べたことあるかしら?」

「あると思うけど、こんなおそろしく晴れた日曜の昼間に、僕がかにチャーハンを食べたことがあるかどうかを聞くために君は電話をかけてきたのかい?」

「ええそうよ、わたしはあなたがかにチャーハンを食べたことがあるかを、この日曜の昼間に確認したかったの。どうしてもよ。そのかにチャーハンは、完璧なかにチャーハンだったかしら?」

「完璧な、と言われるとそうじゃなかったかもしれない。ぼくはそんなにチャーハンに詳しいわけではないけれど、それは五目チャーハンやレタスチャーハンでなかったのは確かで、かにのほぐした身がチャーハンの具として、そして上にトッピングとしてちゃんといたことも覚えているよ。」

「かにチャーハンとしての条件は満たしているように感じるけれど、あなたにとっては"完璧"ではなかったということなのね。」

「そうだね、完璧なかにチャーハンがこの世に存在するのなら、ということにはなるけど。」

「完璧なかにチャーハンならあるわ。」


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