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探索はOKR、最適化はKPIで意思疎通する

 「効率の最適化」一辺倒から、他の選択肢を得るために、探索適応を取り入れていく。それは新規事業だけに限った話ではなく、既存事業においても、いや、既存事業でこそ必要としている。顧客は誰か?をあらためて問い、そして顧客を知りなおす。それは、自分たちを取り巻く環境、社会を知りなおすということでもある。

 この探索適応を仕事に取り入れようとすると、「そんな時間はない」問題と直面する。なにしろ既存事業は「効率への最適化」を磨き続けてきた前線になる。そんな場所で、どうなるかもよく分からないような活動に割ける時間など、まず認められない。だが、「昨日」の最適化の先に「明日」が連なっていくかどうか分からないのだとしたら。やはり、私達は探索によって明日への手がかりを知る必要がある。

 すべての仕事を「昨日」の延長線で埋め尽くすのではなく、少しでも探索に時間をあてることから始める。1人でも探索は始められるし、複数人のチームであればより多くのことを知ることができる。具体的に、何を目指して「探索」を取り入れるのか。ここでこそ「OKR」をはじめよう。

 そう、最適化は引き続き「KGI / KPI」で、探索は「OKR」でセットする。探索は、それまでの組織の方向性からすれば十分に野心的な試みとなるだろう。その結果を短期的な施策に結びつけるも良し、中長期な取り組みとして組織のナレッジに落とし込んでいくのでも良い。その学びを、次に実現する価値へと繋げる。

 KPIとOKR、最適化と探索を併用し始めると、必ず「あっちを立てればこっちが立たず」問題に陥る。時間はKPIの達成に割かれがちで、OKRのほうは後手に回る。これは、「評価」の話に繋がっているためだ。KPIが評価の対象ならば、自ずとそこに注力が置かれる。「評価」と切り離してOKRに取り組むならば、組織としてKPI業とOKR業の間での割合を決めておく必要がある。例えば、「10-20%はOKRに時間をあてる」といった具合に。

 こうした判断をするためには、チーム内で、あるいは部門内で、なぜ探索を行うのか、どのようにどのくらい始めるのか、その意図と方針についての合わせが必要になるだろう。もちろん、「心意気」で始められるならそれに越したことはない。たいていの組織が「探索欠乏症」にある。さっさと、顧客に、社会に、出会いなおそう。

(この話はレッドジャーニーのアドベントカレンダー6日目として書いた)


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