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劇的な同点劇も課題は残る 第13節 熊本対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。

先週、山口に悔しい敗戦をした鹿児島ユナイテッドFC。
ユナサポが大挙押し寄せたアウェイ熊本戦を振り返ります。

ロアッソ熊本対鹿児島ユナイテッドFC スターティングメンバー

山口戦から先発の変更は3人。戸根、山口、圓道選手が外れ、岡本、中原、五領選手が入ります。GW期間中は連戦が続くので、ローテーションの意味もあるのでしょう。

基本的に熊本はショートパスをつないでビルドアップを試みます。
それに対して鹿児島は前からプレスをを掛けてボールを奪いカウンターという意図がありました。ここが試合のひとつのポイントでした。

前半2分の熊本の先制点の場面。ショートコーナーから奥まで侵入されたので鹿児島の守備が押し込まれていて、ペナルティスポット周辺にスペースができている。藤本選手がクリアミスしたボールがそこにこぼれてきて熊本の黒木選手が走り込みシュート。野嶽選手が少し遅れて行くが間に合わずまたも先制点を奪われる

そして鹿児島はボール奪取から何回もチャンスはあったが、ゴールを決めきれず。これが試合を難しくしたひとつめの理由になります。
このカウンターからの攻撃は味方も予測しにくく、選手のクオリティが出る部分でした。

熊本がショートパスでビルドアップしてくることは、事前にわかっていたので、もっと厳しく守備してもよかったと思います。相手陣内でファウルになっても、そこからのFKはあまり怖くないですからね。
この日の審判が厳しいコンタクトに笛吹かない傾向にあったのも、そのひとつの理由であります。

そして試合を難しくした、もうひとつの理由が今シーズンの継続課題である先制点を奪われることです。

前半17分 鹿児島のチャンスの場面。田中選手がボール奪取してからのショートカウンター。五領選手が個人技で突破して奥まで侵入。
田中選手がシュートしますが、GKにセーブされます。この時も熊本の選手がもう一人ゴール前に戻っています

先制点の場面はいくつかのミスが出て失点しています。
まず珍しく熊本がDFライン裏にロングボールを入れてきました。これは井林選手がカバーしたので問題ないと思われたのですが、井林スライディングしてクリアするもCKとなります。
ここは先に体を入れているように見えたので、スライディングしなくても良かったかなと思います。そしてスライディングするなら、せめてサイドラインに蹴り出したかったところです。

このCKの場面は熊本がデザインしたセットプレーだったと思います。
CKのキッカーは普段蹴らない松岡選手で、しかもショートコーナーを選択。
五領選手が慌てて行きますが、うまくブロックされてセンタリングされてしまいます。
そのセンタリングを藤本選手がクリアミス。こぼれたボールに少し遅れて野嶽選手が行きますが、ミドルシュートされ、岡本選手の股間を抜かれて失点します。

開始2分での失点は、またも試合を難しくしました。

前半19分 鹿児島のチャンスの場面。五領選手がシュートしますが、熊本の選手にブロックされます。この時も熊本の選手はゴール前に密集して、シュートコースを塞いでいます

鹿児島は先週に続いて、泉森選手からのロングボールで一気に形勢逆転を狙いましたが、熊本のDFラインコントロールは見事でほとんどの場面で対応されていて、脅威にはなっていませんでした。

熊本はビルドアップ時に最低でも5人は人数掛けていて、7人くらい掛けるときもありました。
こうなると前線の選手は少ないのですが、ボールを奪われても人が残っているので、失点を防ぐことができます。

後半58分 熊本の追加点の場面。熊本の松岡選手と1対1になり野嶽選手が対応します。彼はこの時縦のコースをケアしていますが、中のドリブルのコースを切って縦に誘導して、縦に来たら体を寄せるのが基本です。そのため中にドリブルで侵入されます
中にドリブルで侵入されたために、鹿児島は三人で対応します。結果、横にいた藤井選手がフリーになる。この時、できれば田中選手はもう一歩か二歩近くにいたかった
この時、パスをもらった藤井選手の体の向きはまだゴールを向いていないが、鹿児島の選手は寄せに行けていない。このあと藤井選手が体の向きを変えてシュートするが、間に合わずにゴールを決められます。PA内でこれだけフリーにプレーさせたら防ぐのは厳しい

またビルドアップを担う3CBの距離感も比較的近くて、ボールを奪われても中央にいて、ポゼッション型のビルドアップをするチームでは必ず問題になるカウンターを防止する役目もできていました。

また熊本はパスする時の選手間の距離が短いので、ボールロストしたときのプレスが早く即時奪還もできていました。

後半79分 鹿児島の一点目の場面。チャーリーが裏に抜けたが、熊本のCBが対応に来る。この時、まだ中央には鹿児島の選手は来ていないので、普通ならスピードを落として味方の上がりを待つところだが、チャーリーはここで縦に加速。熊本の選手も対応しショルダーチャージしてくるが、チャーリーが競り勝ちドリブルで侵入してくる
突破したチャーリーの体の向きがマイナス方向を見ていたので、相手DFはそこをケアするが、予想に反してチャーリーはゴール方向へドリブルしさらに突破し、最後はGKの脚の間を抜けてゴールする。チャーリーの強引な突破が熊本DFの予想を裏切り、ゴールにつながった

【総 評】
結果としては、最後劇的なゴールで追いついた試合でしたが、課題の守備面は解決されず、開始2分に先制点を与えて、試合を難しくし、追加点も与えています。だから両手を挙げて万歳という試合ではありませんでした。

最後の星選手のゴールも幸運だったことは認めざるを得ませんよね。

後半94分 鹿児島の同点の場面。熊本の選手がボールサイドに寄りセンタリングを防ごうとするが、それを切り返して星選手がセンタリングする
中央で鈴木選手が競ろうとするが、そこに熊本のCB二人が行くも、誰もボールに触らずに、そのままゴールイン。土壇場で同点に追いつく

2点取られても3点取って勝つというのは、聞こえはいいですが、毎試合3点を取れるチームもないわけで、守備面の課題はなんとかしないと、これ以上を上を目指すことは難しいと思います。

急に点が取れるようにはなりませんが、失点を防ぐことは比較的容易に可能です。

とはいえ今いる選手で戦わなければならない訳ですから、特に課題の多いSBの守備に関しては、CBを起用するなど少し守備面を考えた起用も選択肢として考えた方がいいかもしれません。

正直言うと試合前はロングボールを使わない熊本は鹿児島との相性がいいのかなと思っていたのですが、結果的には2点先制されて、なんとか追いつくという難しい試合となりました。

後半95分 鹿児島の決定的な場面。藤村選手が相手のプレッシャーをはねのけてセンタリング。この時、鈴木選手は一度遠くへ逃げてCBのマークを外そうとする。それに対応して熊本のCBも外に着いていこうとする
その瞬間、中央に空いたスペースに鈴木選手が飛び込みヘディングシュート。惜しくもGKに防がれるが決定的な場面を作った急激な鈴木選手の方向転換に熊本のCBはついていけず倒れてしまっている

次はホームの仙台戦となります。
仙台は上位チームなので、課題の守備面を試される試合になるでしょう。
とはいえ中二日でできることは限られています。
現地に応援行かれる方、熱い応援よろしくお願いします。

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「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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