papa grayhair

美術館より街場の生活文化。音響の整ったホールより街かどで奏でられるバイオリンの音色。多…

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美術館より街場の生活文化。音響の整ったホールより街かどで奏でられるバイオリンの音色。多様な人々が行き交い様々な出会い、人々の暮らしが共振して街になる。大学は芸術学(観衆論)、大学院は公共政策学(創造都市)

マガジン

  • ヨコハマ

    横浜市に18ある行政区のうち、わずか6区しか海岸線を接していないヨコハマ。でも港町のイメージで語られる。そんな港町の港近くにひいばあちゃんから四代150年近く家に生まれた僕のヨコハマ雑感。

  • まち/まち暮らし

    まちが好きだなと思う。「まち」こそが居心地だ。

  • 読書と

    最近の読書。あらためて、また読んでみた読書。思い出した読書。

  • 創作

    短編小説/ショートストーリー/ショートショート なんて呼びましょう。

  • 世相

    時計の針が進む、そのスピード。20年前にはIPhineはなかった。つまり、この20年はただの20年じゃなかったんだ。どの世代だって、今に合わせて、自分の認識をアップデイトできているだろうか。

最近の記事

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小さなスナック

L字のカウンターだけの店だから扉を開けた途端、常連が揃ってこちらを一瞥…という店もある。 その「圧」は生半じゃない。 ここはお店なんだけど。 でも居心地はいいからそうなるんだろうな。スタバじゃこうはならない。ありえない。チェーン店の居酒屋でもそう。システム上、ありえない。 そう。 あたたかい「ゆりかご」のようなコミュニティほど、外から見れば、高い壁に覆われているものだ。 それも見えない「壁」。 だから厄介だ。 内側にいる人は気が付かない。ただ新参者だけが感じる 「

    • 粛々と未来へ

      規則で縛り、統制する。 高橋源一郎さんはご子息の入学式に「あれは入学式ではなく入隊式」との感想を述べられた。でも、これは一糸乱れぬ集団生産が生産効率を上げた時代には有効だったかもしれない方便だ。 「みんなで」も効かなければ、「分担」もできない。そういう仕事こそが収益を上げる。とっくに、そんな時代になってるんだけど、まだまだ「これまでどおりでいける」という幻想の中にいるのが、わが国。 円安が単純に為替の問題ではない所以だ。 ご承知のように、アップルは工場を持たない。アイ

      • 復興

        「みなとみらい」に並行するようにある「桜木町」という街は、1丁目から3丁目が「中区」に属し、4丁目から7丁目が「西区」に属するという変則的な町組み。西区は中区から分区してできた区だから、恐らく分区以前が桜木町にそのまま残ってのこうなったんだと思う。分区は戦時中の空襲対策だったし。 桜木町というわりには桜並木があるわけでもなく、鉄道高架の長い壁と、雑居ビルが立ち並ぶだけの空虚な空間というのが、子どもの頃からのこの街の印象。 今は、その雑居ビルの多くが中高層のマンションになった

        • people sing about love

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          函館とヨコハマ

          横浜市の総人口は372万人ほど(2015年)、市役所の一般会計も1兆9、156億円(令和6年度/2024年度)くらい。 対して函館市は総人口27万人弱(2015年)。市役所の一般会計は1432億円くらい(令和6年度/2024年度)。 この数字だけを見れば函館市は横浜市の10分の一以下の都市ということになる。でも、これは、あくまでも「量」的な比較であって、それ以上でも、それ以下でもない。 五島軒の創業は1879(明治12)年、つまり創業145年。その間、継ぎ足し継ぎ足し、継

          函館とヨコハマ

          ビジネスな街

          函館という素敵な街があって、そして(例えば)「五島軒」という 素敵なお店があるんだと思うけど 逆に「五島軒」という 呼ばれてもショッピングタウンには出店しなそうな。そういう 素敵なお店が数々あって、それで「函館」という街の魅力が形づくられているのかもしれない。 今のヨコハマあたりだと、そういうお店は、案外、稀有…というか無い。確かに関東大震災に被災し空襲の被害も大きかった上に、いっときは都心部の大半が占領軍に接収されたけど、函館にだって大火や空襲被害がなかったわけじゃな

          ビジネスな街

          抱きしめる東京

          この本は東京オリンピックに至る時代の東京。1970年前後の東京、そしてバブルの絶頂期の東京を、森さんの「育った町」の「私生活」を通じて活写されたもの(「抱きしめる、東京」という題名に、森さんは少し照れていらっしゃるけれど)。 僕より7歳ほど歳上の森さんは、ちょうどバブルの絶頂期に30歳代も半ばを過ぎたあたりの年齢だったと思いう。平成以降に生まれた後輩たちには「オイシイ思いをした世代」と思われているかもしれないけれど、この本のなかに以下のような一節がある。 あの頃の僕につい

          抱きしめる東京

          居心地よい時間を売る

          本屋さん、古本屋さん。業態としては「小売り」な店舗だ。 でも、その本屋さん、古本屋さんが、たんに書籍、古書を販売しているのではなく、お店という空間の雰囲気や店主さんの佇まいなどを含めて、その店に流れる「時間」を売っているのだとしたら、そのお店が「モノを売る」ばかりの「小売り」だとは言えないと思っている。 (「名物マスター&ママさんのいる喫茶店」。実は珈琲の方がおまけで、そこに居る時間を楽しむために珈琲代を支払っている…みたいな) 今はまだ「そこに居る時間を楽しむ」を収入

          居心地よい時間を売る

          やっぱり横浜都心の魅力って「量的」だな、と思う。今は特にそう。「質(しつ)的」ではない。中華街にしても「池袋チャイナタウン」の方が質的。横浜は「わかりやすくて誰にでも」で、つまり深みも奥行きもない。リピーターになるのは難しい。

          やっぱり横浜都心の魅力って「量的」だな、と思う。今は特にそう。「質(しつ)的」ではない。中華街にしても「池袋チャイナタウン」の方が質的。横浜は「わかりやすくて誰にでも」で、つまり深みも奥行きもない。リピーターになるのは難しい。

          ドラマ「女と味噌汁」

          「女と味噌汁」は1965(昭和40)年から1980(昭和55)年まで、年に数本のペースで製作されていたTVドラマ(TBS系列)。 原作は平岩弓枝さん。主演は先年亡くなられた池内淳子さんだった。小学生だったはずの僕は、なぜかこの番組が好きで、共演の長山藍子さんや結城美栄子さんにしても、今も、この番組に出ている彼女たちが一番好きだったりする。 池内さんは新宿十二社あたりの芸者さん。長山さん、結城さんも池内さんの妹分の芸者さんだ。池内さんは、いつか自分の小料理屋を持とうとお座敷の

          ドラマ「女と味噌汁」

          オリジナルの「美味い」

          横浜駅西口からしばらく歩くと、通称「岡野の交差点」に辿り着く。他所行きではない、普段着のにぎわい。家系の元祖と言われる吉村屋さんがあり、他の「家系」なラーメン屋さんもあり、他のチェーン店なラーメン屋さんも立て込んでいる。でも、どのお店もラーメン屋という「技能」を売っているわけではなく、どの店も、「ラーメンというビジネス」を売っているようなお店ばかりかな。 岡野の交差点あたりは、そんな感じ。 僕は、どのお店のビジネスにも乗りたくないので、さらに歩いて、カツカレーやカツ丼も美

          オリジナルの「美味い」

          ドラマ「あこがれ共同隊」

          郷ひろみさんや西城秀樹さんが出演された「あこがれ共同隊」は1975(昭和50)年に放送されたTVドラマ(TBS系)。「共同隊」っていうネーミングが時代を感じさせる。 wikipediaには「東京原宿・表参道を舞台に、現代(当時)の若者たちの青春の生きざまを描く」ドラマだとある。視聴率はふるわなかったけれど、小泉今日子さんが、雑誌「SWITCH」のインタビューで「子供のころ、この番組を見て原宿に憧れた」と話しておられる、そんなドラマ。 このドラマには、かぐや姫のメンバーや、

          ドラマ「あこがれ共同隊」

          これまでは「生きていく」が自動制御に過ぎたのかもしれない。でも、それって集団生産の「人手」が必要だった時代だったからだろう。その部分をAI&ロボットが担ってしまう時代が来ると、事情は変わってくる。どうやって生きていくか、点線で書いてある時代じゃなくなるんだ。就活とか。

          これまでは「生きていく」が自動制御に過ぎたのかもしれない。でも、それって集団生産の「人手」が必要だった時代だったからだろう。その部分をAI&ロボットが担ってしまう時代が来ると、事情は変わってくる。どうやって生きていくか、点線で書いてある時代じゃなくなるんだ。就活とか。

          午後 深い時間

          午後 深い時間

          ここに喫茶はあるか

          ここに喫茶はあるか