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【業界研究】売上・取扱い物量実績 フォワーダーランキング

こんばんは! 業界研究編の記事投稿です。
今回は、最新フォワーダーランキングをご紹介したいと思います。
自動車や電子部品などのモノづくりに関しては、世界トップレベルの会社が多く存在する日本ですが、フォワーダー業界における日系企業の立ち位置を見ていきましょう!

最新フォワーダーランキング (世界)  

Armstrong & Associates社の2020年度の売上・取扱い物量に基づいた、最新ランキングから引用をしたいと思います。

詳細は上記URLから確認可能ですが、以下は一部抜粋です。

A&A社WEBから引用

ランキング首位のDHL Global Forwarding社とKuehne + Nagel社については、毎年、首位争いをしている不動の2社です。DHLはアメリカ発祥の会社ですが、ドイツポストに吸収されてからはドイツに本社を構えております。インテグレーターとしてスモールパッケージの輸送が主軸ですが、そこのフォワーディング部門になります。

Kuehne + Nagle社(キューネ アンド ナーゲル)は、こちらもドイツ発祥の会社ですが様々な同業を買収しながら事業を拡大していき、今はスイスに本社を構えております。指標を見てもお分かりの通り、K+Nについては海上輸送のシェアが突出していることが読み取れます。
同じ首位でも、Airは、インテグレーターの利を生かしたDHL、Seaは、買収を重ね拡大をしていったK+Nとそれぞれの特徴を上げる事ができます。

その中で、日系フォワーダーについては、5位に日本通運が堂々のランクイン。12位に近鉄エクスプレスとなっております。他には、14位に郵船ロジスティクス、18位に日立物流と続いております。

DB Schenkerと同立2位のDSV Panalpinaは元々DSV、Panalpinaと別々の会社でしたが、2019年にPanalpinaがDSVを買収する形で統合し、一気にランキング順位を押し上げております。

このランキングにある通り、フォワーダー業界においては、欧米系(4位:Expeditors, 6位:CEVA Logistics等)、中華系(3位:Sinotrans, 8位:Kerry Logistics)が圧倒的なシェアを持っており、日系フォワーダーは彼らの背中を追いかける形になっています。

日本国内のフォワーダーランキングだと、1位:日本通運、2位、3位を近鉄エクスプレスと郵船ロジスティクスが常に争い、4位、5位をにしてつと阪急阪神エクスプレスが常に争うそんな感じにいつもなっています。
大体いつも、上位3社で日本全体の25%以上のシェアを占めています。

ただ、2020年からのコロナ禍の市況においては、航空輸送については大手3社(日通、近鉄、郵船)だけで50%近くのシェアになる時期もありました。
コロナ禍による渡航規制の為、航空機の運休でマーケット全体の貨物輸送スペース供給量が減るなか、元々高いシェアを持っていた業者がより、優先的にキャリアと交渉ができるような市況に変容してもいます。
物流業界は、完全に取扱いの規模の大きさがキャリアとの交渉において優位に働くので、現在のコロナ禍においては、大手優勢の状態と言えます。

日本版のフォワーダーランキングをまとめているサイトは無いのですが、日刊カーゴ紙や日本海事新聞などの業界紙で各社の実績などを確認できますので、興味のある方は覗いてみてください。

一方で、世界ランキングでトップにランクインしている企業は、日本のマーケットではトップ5にも入っておりません。これは、日本の顧客が求めるサービスレベルの高さや特に港湾運送業者は保守的で昔からの繋がりを重んじる部分があり参入しづらい等の日本の独特なマーケットの特徴によるところが大きいといわれております。しかし、A&A社のランキングトップ12位までに入っている外資系フォワーダーのほとんどは日本に支店を出しています。グローバルで見た時の彼らの圧倒的なスケールメリットや最新のIT技術を駆使したシステムは、引き続き日系フォワーダーにとって脅威になってます。

おわり

先にも書きましたが、物流業界はその会社が持つ取扱い規模(物量)が何よりも重要です。これは、キャリアと優位に交渉を進めたり、新サービスを作るきっかけなどになります。DSV Panalpinaの合併劇にも見るように、企業の買収によりスケールメリットを打ち出す経営戦略が今後ますます盛んになっていくのではないかとも思ってます。

日系フォワーダーに身を置く者としても、世界のメガフォワーダーと戦っていく為、企業価値を高めながら、日本の高品質なサービスを世界中に広められるよう微力ながらも頑張っていきたいものです。

明日からは中国春節休暇も明けるので、また一週間頑張っていこうと思います。

最後まで、ありがとうございました。

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