源カイバ

エッセイとイラストかいてます。研究員です。

源カイバ

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記事一覧

おとなちゃれんじ 〜嗅覚消失編〜

持って生まれた天真爛漫さゆえに春風邪を引いてしまった私であるが、三日三晩寝込んだ末に5/11本日、とうとう病魔を克服するに至った。 多少鼻水は出るが、熱も咳も落ち着…

源カイバ
3週間前
115

春風邪は誰が引く

私だ。 いつから言われているのか、夏風邪はバカが引くという古い言葉があるが、この私が罹患したということは春風邪を引く条件は『聡明』『チャーミング』『天真爛漫』等…

源カイバ
3週間前
74

おとなちゃれんじ ~Vtuber採用面接編~

 2024年は挑戦の年にしよう!  ──────なんて殊勝なことを考えているわけではないが、ブログのネタというものは天から降ってきたりしないため、今回はVtuberの採用…

源カイバ
1か月前
157

おとなちゃれんじ ~一年間一日一万歩編~(完遂)

 …………弱い!  前回の 〜逆ナン編〜 に比べて、今回のサブタイトルの惹きの弱さたるや、筆舌に尽くしがたいものがある。一体どこの誰が、アラサー女の健康増進に興…

源カイバ
1か月前
68

おとなちゃれんじ ~逆ナン編~

 数年前までは、ふとしたことで「寄る年波には勝てないねぇ」なんて冗談を言って友人たちからひと笑い取ったり取れなかったりしたものだが、年波がマジで寄って来つつある…

源カイバ
2か月前
50

腐ったご飯は体に悪い

 先週の月曜日あたりから、この私の珠のお肌に、ビーズを散らしたような吹き出物ができていた。ここしばらく肌荒れとは無縁だった上、従来とは少し違う荒れ方だったので不…

源カイバ
4か月前
44

恋は線香花火のように

足が冷たいと寝つきが悪い気がする。 家の中では基本的に裸足で過ごしている。 室内で靴下を履くと足の指に汗をかいて気持ち悪いので、あんまり好きじゃないのだ。 と…

源カイバ
4か月前
94

ツァラトゥストラもそうしたし

神は死んだ! というのはドイツかなんかの哲学者であるニーチェの言葉であり、彼が生きた19世紀後半には科学技術や資本主義が発達して、人々の心からキリスト教における神…

源カイバ
4か月前
33

人生はエッセイにならない

Twitterでよく見る、エッセイ漫画みたいなことが起きた。 職場からの帰り道のことである。 前日に降った大雨のせいで、流れ出した植込みの土が歩道にぬかるみを作り…

源カイバ
1年前
29

京大ロンダしたけど手取りが18万円な件について #4

22歳くらいまで──────つまり熊野寮に入寮するまで、私は人と話すことが得意ではなかった。 初対面の人との会話もそうだが、バイト仲間だとか、クラスメイトだとか、…

源カイバ
1年前
29

その窓は開けておいて

 ホームパーティー。馴染みのなさ過ぎる響きである。なさ過ぎて、いつも冒頭に入れる余談が一切浮かんでこない。仕方がないのでとっとと本題へ行こう。  今日は、このあ…

源カイバ
1年前
6

京大ロンダしたけど手取りが18万円な件について #3

春は出会いの季節というが、京都大学の大学院に入学した春は、それまで繰り返してきたどの春よりも多くの出会いがあった。 反りの合わない研究室の面々。新しいバイト先の…

源カイバ
1年前
15

よく考えて決めましょう

 ミッドサマーを観た。1年以上前に、映画館で。  ひたすらに美しい風景としゃかりきにグロテスクな展開が話題だったので、「いいねぇ」と思い、観た。  真夏のスウェ…

源カイバ
1年前
6

キエちゃん

今年で還暦を迎える私の母は、昔から、自分の古風な名前を気にしていた。仮に、「キエ」さんとしようか。片仮名2文字で、語呂にもちょっと違和感がある。そういう名前なの…

源カイバ
1年前
10

ユスリカは孫子で倒せ

(2021年4月にブログにUPした記事です。) 仙台にいた頃に、「小バエに悩まされている」みたいな内容の記事を書いたと思うのだが、大阪に移り住んだ後も、しばらく私は小…

源カイバ
1年前
4

腰は体の要です。

(2021年の4月に書いたブログの記事です。)     大阪が燃えている。  ゴールデンウィークを目前にして、大阪の新型コロナ感染者数は5日連続で1000人を超えた。本日…

源カイバ
1年前
4
おとなちゃれんじ 〜嗅覚消失編〜

おとなちゃれんじ 〜嗅覚消失編〜

持って生まれた天真爛漫さゆえに春風邪を引いてしまった私であるが、三日三晩寝込んだ末に5/11本日、とうとう病魔を克服するに至った。
多少鼻水は出るが、熱も咳も落ち着いた。体もそんなにだるくない。

健康になれたらやりたいことは山ほどあったが、その辺の説明は割愛して、とにかくまずは食事と風呂である。発熱アラサー単身者が入浴なんかしたらもう二度と上がってこれない気がして、恐怖のあまり2, 3日風呂には

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春風邪は誰が引く

春風邪は誰が引く

私だ。

いつから言われているのか、夏風邪はバカが引くという古い言葉があるが、この私が罹患したということは春風邪を引く条件は『聡明』『チャーミング』『天真爛漫』等が考えられる。

ゴールデンウィークが明けた5/7から、鼻水が止まらなかった。透明でサラサラしたやつが、締まりの悪い水道のように延々と鼻から垂れ流れるのだ。鼻の中にずっと違和感があるので、涙も止まらなかった。

一応それ以外の症状はなかっ

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おとなちゃれんじ ~Vtuber採用面接編~

おとなちゃれんじ ~Vtuber採用面接編~

 2024年は挑戦の年にしよう!
 ──────なんて殊勝なことを考えているわけではないが、ブログのネタというものは天から降ってきたりしないため、今回はVtuberの採用面接を受けてきた。

 動画を配信するアカウントと、自分用のアバターさえ用意すれば、個人でもVtuberとして活動することはできる。しかしまとまった金を稼ぎたいと思うのであれば、芸能事務所のようにVtuberをプロデュースしてく

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おとなちゃれんじ ~一年間一日一万歩編~(完遂)

おとなちゃれんじ ~一年間一日一万歩編~(完遂)

 …………弱い!

 前回の 〜逆ナン編〜 に比べて、今回のサブタイトルの惹きの弱さたるや、筆舌に尽くしがたいものがある。一体どこの誰が、アラサー女の健康増進に興味を持つと言うのだ。

 しかし、そういうことを理解した上で、それでも記事にしようと思ったのは、一年間一日一万歩チャレンジは、既に完了しているからである。


 上の画像は、私のスマホに入っている歩数計アプリが記録した、2023年に

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おとなちゃれんじ ~逆ナン編~

 数年前までは、ふとしたことで「寄る年波には勝てないねぇ」なんて冗談を言って友人たちからひと笑い取ったり取れなかったりしたものだが、年波がマジで寄って来つつある現在においては、事あるごとに感じられる身体の機能低下から目を背けることに力を注いでいる。

 とはいえ体力面では、さほど衰えを感じていない(そもそも、元から大したことがない)。問題は内臓機能である。加齢により油物を受け付けなくなったという

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腐ったご飯は体に悪い

 先週の月曜日あたりから、この私の珠のお肌に、ビーズを散らしたような吹き出物ができていた。ここしばらく肌荒れとは無縁だった上、従来とは少し違う荒れ方だったので不思議に思っていたが、原因はどうやら作り置きしているおかずが一部腐っていたことらしい。

 たしかに吹き出物ができたのと同じくらいの時期から、冷蔵庫内が妙に臭かった。それなのに、おかずの腐敗にすぐに気が付かなかったのは、おかずの各タッパーを

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恋は線香花火のように

足が冷たいと寝つきが悪い気がする。

家の中では基本的に裸足で過ごしている。
室内で靴下を履くと足の指に汗をかいて気持ち悪いので、あんまり好きじゃないのだ。

という話を靴下屋(店名)の店員にしたところ「それねぇ、五本指ソックスが良いんですよ!」と言われたので早速買って試してみたが、私の足の発汗力が生地の速乾性を圧倒してしまい、試合に勝って勝負に負けたような気持ちになった。

布団に入って、

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ツァラトゥストラもそうしたし

神は死んだ!

というのはドイツかなんかの哲学者であるニーチェの言葉であり、彼が生きた19世紀後半には科学技術や資本主義が発達して、人々の心からキリスト教における神様や天の国に対する信仰が失われつつあった状況を表現したものらしい。

ニーチェ……。敬愛するミステリー作家、伊坂幸太郎の初期の作品に、よくその名前が出ていた気がする。私は伊坂幸太郎を読んでニーチェを知ったのだ。

伊坂がニーチェを愛する

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人生はエッセイにならない

Twitterでよく見る、エッセイ漫画みたいなことが起きた。



職場からの帰り道のことである。
前日に降った大雨のせいで、流れ出した植込みの土が歩道にぬかるみを作り、そこに自転車で通りかかったおじいさんがタイヤを取られてド派手に転んだのだ。

私は驚いて駆け寄り、おじいさんに怪我はないかと声をかけながら自転車を起こして、自転車のカゴからこぼれた荷物を拾い集め、もう一度おじいさんに声をか

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京大ロンダしたけど手取りが18万円な件について #4

22歳くらいまで──────つまり熊野寮に入寮するまで、私は人と話すことが得意ではなかった。
初対面の人との会話もそうだが、バイト仲間だとか、クラスメイトだとか、『同じコミュニティに属してはいるけど親しくはない人』が相手だと特に緊張してしまって上手くしゃべれず、後で自己嫌悪に陥ったりするので、班行動とかバックヤードでの世間話が本当に嫌だった。

思い返せば当時の私は、誰かと話しているときも、気に

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その窓は開けておいて

 ホームパーティー。馴染みのなさ過ぎる響きである。なさ過ぎて、いつも冒頭に入れる余談が一切浮かんでこない。仕方がないのでとっとと本題へ行こう。

 今日は、このあいだNetflixで観たThe Invitationという映画の話をしようと思う。以下はネタバレをふんだんに含む内容となっているので、観る予定のある人は聞かないでほしい。

 物語は、主人公がホームパーティーに向かう道中から始まる。主人公

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京大ロンダしたけど手取りが18万円な件について #3

春は出会いの季節というが、京都大学の大学院に入学した春は、それまで繰り返してきたどの春よりも多くの出会いがあった。
反りの合わない研究室の面々。新しいバイト先の人々。そしてこの先の2年間、一つ屋根の下で暮らす、熊野寮の寮生たちである。


無事に入寮面接をパスした2週間後、どういう星の巡り合わせか、私は例の談話室部屋に入居することとなっていた。しかも寝床は、色々あって例の押入れの上段だ。

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よく考えて決めましょう

 ミッドサマーを観た。1年以上前に、映画館で。

 ひたすらに美しい風景としゃかりきにグロテスクな展開が話題だったので、「いいねぇ」と思い、観た。

 真夏のスウェーデンが舞台になっているので、南国とはまた違う淡い緑色の森と、優しい空の青色と、草原に咲く小さな花たちを見ると実際に現地へ行きたくなったし、ふやけて膨らんでいたり、スイカみたいに割れていたりする精巧な屍たちを観ると、「ハイビジョンで映す

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キエちゃん

今年で還暦を迎える私の母は、昔から、自分の古風な名前を気にしていた。仮に、「キエ」さんとしようか。片仮名2文字で、語呂にもちょっと違和感がある。そういう名前なのだ。

母の実家は北関東の、山と田んぼに囲まれた小さな村落にある。電車はおろかバス停すら見かけないような、本当の田舎だ。毎年お盆と正月には、母と姉と私の3人で母の実家に里帰りするのが、私たち家族の恒例行事だった。

母の実家は村の端にあって

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ユスリカは孫子で倒せ

(2021年4月にブログにUPした記事です。)

仙台にいた頃に、「小バエに悩まされている」みたいな内容の記事を書いたと思うのだが、大阪に移り住んだ後も、しばらく私は小バエに悩まされていた。というか実際のところ、仙台にいた頃の50倍くらい悩まされていた。何を根拠に弾き出した50倍なのかというと、単純に湧く小バエの数である。もう最悪だった。

去年、大阪に引っ越して来て1ヶ月ほど経った頃から、台所、

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腰は体の要です。

(2021年の4月に書いたブログの記事です。) 

 

 大阪が燃えている。

 ゴールデンウィークを目前にして、大阪の新型コロナ感染者数は5日連続で1000人を超えた。本日4月25日からは3回目の緊急事態宣言が発令され、繁華街の飲食店は営業時間の短縮だけでなく酒類の提供も禁止されるらしい。世も末、という言葉がこれほど似つかわしい時代も珍しいだろう。将来教科書に載ること間違い無しの歴史的パンデミ

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