武庫川ありす

詩が好きです。 好きな詩人はエミリー・ディキンソン

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  • 武庫川ありす詩集

    自然、孤独、愛、慈悲などの 詩を書いてます。

  • エッセイ

    エッセイ書いてます。自然や仏教、日常のあれこれなど。

  • 短編小説

  • 思い出の風景

    自然や寺など美しく素晴らしい風景を撮りました。

最近の記事

まだまだ生きたかった

まだまだ生きたかった 読みたい本もあったし 見たい映画もあったし 行きたい場所もあった そして 届けたいものがあった 本気で人を愛し 本気で人に愛されたかった だけど 突然はかなく死んでゆく人も 今も私のまわりに 懐かしい顔が 微笑みを浮かべ。

    • もっと大切なもの

      長年、タバコを吸っていた男が ある日 突然タバコをやめた 「どうしてタバコをやめたんだい?」 と私はそう尋ねた 「タバコより大切なものを見つけたからさ」 と男はそう答えた。 男はずっと独身だったから、私はまた尋ねた 「結婚したのかい?」 すると男はこう答えた 「いいや、結婚して家族ができて、タバコがやめられるくらいなら、世の中の結婚している人はみんなタバコをやめているさ。結局、みんな家族よりタバコのほうが大切なのさ」 「じゃあ、君の言う大切なものって、いったい何なんだ?

      • いつも通っている道を

        いつも通っている道を いつもより意識的に ゆっくりと歩いてみる すると新しい何かが見える 今まで気付かずにいたものにも そして、ゆとりのない自分の心も 街路樹は陽光にきらめき 風は優しく吹いて 雀たちが歌ってくれます。

        • 信仰

          時には ささやかな楽しみさえ 奪われることもあるでしょう 他の人は 普通に楽しんでいるのに どうして 私だけが・・・と そんな時 思い出します あの人が言っていた 言葉を 「それはねえ、それより もっと大切なものを 神様がいつか必ず 与えてくださるからよ だから 信じて その時まで 神様に祈りなさい」 だから私は祈ります 代わりに与えてもらったものを 大切にしながら。

        まだまだ生きたかった

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        記事

          夕焼け空が赤い

          夕焼け空が赤い 小さな町を染めて 家の前で少女が 地面に絵を描いている いつまでも飽きずに 犬や猫や花の絵を 大人になることは あきらめることなのか 酒や煙草で孤独から逃げて 寂しさをごまかして 何も楽しまず 何も生み出さず 少女はふと顔を上げ 空を見上げる その顔は喜びに包まれ 大人たちの心を癒すだろう。

          夕焼け空が赤い

          飾らない答え

          何をしている時が 一番楽しいか とそう尋ねられたら 迷わず こう答えるだろう ごはんを食べている時 それが本質 生きているもの全ての 飾らない答え。

          飾らない答え

          本当の友

          一緒にばか騒ぎして くだらない話ばかりして 過ごした者たちのことは 蜃気楼の記憶 本当の友とは 多くを語らず 互いの孤独な悲しみを 寄り添わせるような 決して 慰めあったりはしない 無理に面白い話を 作ったりしない 趣味も好みも違うけど ただ、ぼんやりと 流れてゆく雲を 一緒に見ていた そんな友の記憶だけが 今も色濃く残る 静かな優しさに 包まれていた、あの頃の。

          晴れた日の公園

          晴れた日の公園 ぼくは公園のベンチに座り ただ樹木や空を眺めながら ぼうっとしていた するとおまわりさんがやって来て 何してるのですか? と尋ねてきた 職務質問というやつだ ぼくは息をしている と答えた ぼくは生きている と答えた ぼくのリュックの中身を調べ 不審なものは何もないと わかった、おまわりさんは 最後にこう言った 「若いのにこんな所で ぼうっとして 風俗でも行って 遊んできたらいいじゃないか」 ぼくは風になりたかった 樹木の間を渡り 小鳥のさえずりを 聴

          晴れた日の公園

          真夜中の電車

          ゆるやかなリズムを刻みながら 明かりを消した電車が 真夜中のレールの上を 走ってゆく 眠りにつくために つかのまの 安らぎの 朝は眠そうな客を乗せ 夜はほろ酔いの客を乗せる 昼の子供たちは 先頭車両に乗り 運転席のうしろから どこまでも続くレールを 嬉しそうに見ている 月明かりに照らされて 今日一日の仕事を終えた 電車が走ってゆく 人々の夢を乗せ 明日また元気に 走るために。

          真夜中の電車

          落とし物

          道ばたに財布が落ちている 拾って中身を見てみると そこそこの大金だ 誰も見てないから このまま もらえばいいと 悪魔がささやく 落とした人は 困っているから 返してやれと 天使がなだめる こういう時に 人は試される 神様を信じているのか 心の奥深いところで。

          視点

          山に登ると 頂上付近に 美しい池があった 青い空と 白い雲が 池の水面に映る 空が近い それは私と池の視点 私と池が近い それは空の視点 視点が変われば 見える景色も変わる 空に心があるならば 我々の事をどう思う。

          ごみ置き場のいす

          木製のいすが ごみ置き場に捨てられている なるほど、よく見ると 足が三本しかない 折れてしまったのだろう それでも器用に立っている 吹く風に少し揺れながらも まだ私は終わっていない きっと誰かの役に立てるはずだ そんな声が風にまじって 聞こえたような気がして。

          ごみ置き場のいす

          丘の上の教会

          丘の上に行くと そこには綺麗な教会があった 美しいマリア像 美しいステンドグラス 僕は神様を信じているのだろうか いつも答えは霧の中をさまよう 半信半疑 いや疑いのほうが強いのか 争いの絶えない 悲しい世界に生きて だけど神様を信じない あの人より ずっと神様を信じている あの人が好きで 教会の鐘が鳴る 晴れた青空の下で 僕はただ、あの人のように 優しくなりたいのです。

          丘の上の教会

          楽と薬

          楽という字は 薬という字から 草かんむりを取ったもの 楽な道を選ぶべきか 苦労してでも 自分らしい道を選ぶべきか 答えはもう分かっている 何の結果も出なくとも いい薬にはなるだろう。

          ふたたび

          ふたたび ふたたび 詩を書き始める 純粋な気持ちを 少しは取り戻せたのか それとも 何かを悟ったのか。

          明日があると思うから

          明日があると思うから 今日一日が楽しめない つらい境遇であればあるほど 今日を楽しむより他にない 今日で最後だとしたら 本当の自分がわかるはず 成功することに どれだけこだわっていたかと

          明日があると思うから