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10フィート棒はこう使え!:ダンジョンの歩き方~Dragon#326より~

D&Dのダンジョン攻略にはある程度「基本」というものが存在します。「ダンジョンに挑むにはどうすれば良いか」に着目して、Dragon#326 The Dungeon Delver's Guide の記事を紹介したいと思います。D&D3.5版のルールに基づいていますが、比較的汎用性の高いダンジョンハックのノウハウについて解説するコラムとなっています。

他のPLからは「君が一緒にいてくれると安心だね」と言われるように、DMからは「君がいると突破されちゃうから、今日は帰っていいよ」と嫌な顔をされるように、皆で成長していきましょう!

The Party

優秀な冒険者パーティとは、スキルや能力のバランスが取れているものです。今回の記事では以下の3つのパターンに分類してあります。

The Face 
パーティ内で外部との交渉役を務める者です。魅力の高いバードやパラディンか、交渉スキルのあるクレリックやローグがオススメだそうです。
バーバリアンの「まず殴る、それから聞く」というスタイルも一部の未開の者たち相手では有効かもしれません・・・って、マジか。

正直言ってパラディンが交渉役というのは辛すぎる気が。

プレステージクラスのために交渉(Diplomacy)に振っているPCがいたらそちらにお願いし、誰もいないのであれば、実現可能な範囲で条件提示してお話するだけで良いと思います。パーティに交渉専門家をいれるとしたら、彼が「交渉以外で何が出来るか」が重要になってきますね。

The Muscle 筋肉担当
ダンジョンの中で脅威を取り除く役割を指します。バーバリアン、ファイター、モンク、パラディン、レンジャー及びSneak Attack(急所攻撃)を使うローグ、戦闘系のドメイン(領域)を持つクレリック、破壊系の呪文を使うソーサラーとウィザードがこれに該当するそうです。・・・って、バードとドルイド以外皆筋肉になるんですが

The Brains 頭脳担当
ダンジョンの謎を解く役割を指します。知識系スキルでダンジョンにいるモンスターや、ダンジョンそのものの仕掛けなどに関する情報を収集し、筋肉担当にフィードバックするのがメインのお仕事です。知識系スキルを持っているPCと、罠を外すローグが頭脳担当に該当します。


Equipment 装備品

ダンジョンに持っていくべきオススメ品をPHBから紹介します。

Animal Companions
訓練された番犬が25gpで購入できます!Scent(嗅覚)を持っていて、SpotとListenにスキルが振ってあるので見張りとして優秀です。
実は肉体的にも優れており、メイジアーマーを掛けてやって敵の後ろに回りこんでもらえばAC=10+3(Dex)+1(Natural)+1(Size)+4(Spell)=19で挟撃状態を作り出すためのFlanking要員としてかなり有効活用できますね。・・・死んでも25gpだし

Caltrops
不意討ちにも、逃げるときの時間稼ぎにも使える良品です。(1gpで2lb、5ft四方エリア)1回ダメージを与えることが出来た相手の移動速度を半減させますし、エリアにまいておけば敵のチャージやランを1ラウンド止めることができます。グリースを掛けて滑らせてまきびしエリアへ、とかオブスキュアリングミストのエリアのなかにまきびしをまいておく、などが紹介されています。

Flammables
燃やすものは持っておいた方が戦術の幅が広がります。アルケミストファイアーが強力ですが、少々お値段高めなのでオイルを購入しておきましょう。オイルを撒いて火を放つこともよく見られるケースですしね。

かつてのミスタラの英雄達は大オイルでドラゴンを倒したそうですから

Reach Weapon
リーチのある武器は1本はあった方が良いでしょう。オススメはSimple Weaponのロングスピアです。3.5版からは仲間越しのReach Weaponにカバーペナルティが掛からなくなっているのでダンジョンで密集陣形になった場合、中衛はロングスピアを持っておくことをオススメします。武器として必要なくなったら10ft棒として使うべし!と紹介されています 

Share the Load
自分の所持品を全て自分だけで持たなくてはいけない、というわけではありません。仲間の中にStrが高いPCがいれば、彼に持ってもらえば良いのです。また、中荷重にならないように装備を削るよりも、サックに重い荷物(一般装備など)を入れておき、戦闘になったらフリーでサックを地面に落として軽荷重になることができればOKです。ラバや動物を連れて行くほど荷物が多いのは少し考え物です。お金をためて、さっさと魔法の鞄を買いましょう。

Signal Whistle
使うタイミングを間違えると大変なことになりますが、どうしてもいち早く味方に危険を知らせなければいけない場合に使用します。8spで軽いので、持って置いて損は無いかもしれません。

Thrown Weapon
戦闘中、前線に立てないPCは投げ武器を持っておきましょう。弓やスリングではPrecise shotが無いと-4のペナルティで中々当たりませんが、サンダーストーン(雷石)やタングルフットバッグ(足止め袋)、アルケミストファイアーなど遠隔接触攻撃で命中させるものをもっておきましょう。呪文を使い果たしたキャスターや、専業ローグなどが購入しておくと良いでしょう。


Basic Adventure Gear

Healing Supplies
治療道具や耐毒剤、キュアのワンドやポーションは欠かせません。

Light Source
トーチだけではなく、ランタンやサンロッド(陽光棒)を持って行きましょう。セッション中は光源を持っているPCにマーカーをつけておくとわかりやすいですね。

Pole, 10-foot

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ダンジョン対策の基本中の基本です

Rations
食事は外で調達!などと言って持たずに出るのは非常に危険です。特に低レベル時は保存食が重いし、何日の行程で旅をするのか慎重に決めましょう。1レベルで1週間の荒野の旅となると、まず帰って来ることは不可能です。

Rope
余裕があるのであれば、大目に持って行きたいところですね。崖や落とし穴など、ロープが無くて詰み!という状況も結構ありますから・・・帰りもこのロープを使えば良いや、と放置しておくと後を追いかけられる羽目になりますので、ロープは余裕を持って調達することをオススメします。

Tinder twigs
すばやく火を起こす際に必要です。Flint & Steelよりもこちらがオススメです。

Magic

Escape Trick:Rope Trick (Arcane 2)
危険なときに逃げ込んで追っ手をまいたり、休憩したりできる空間を作る呪文ですね。崖を降りたいけれど、ロープを掛けるポイントが無い!というときにも応用可能です。ただし、ホールディングバッグを持ったまま入ると大変なことになるので要注意!

Hands off:Mage hand (Arcane 0), Open/Close (Arcane 0)
手を触れずに扉を開けたり、レバーを動かしたりできる呪文ですね。捜索で見つからないといっても、低レベル時には信用できませんし、こういった小さな呪文で危険を回避するのも醍醐味いえるでしょう。

Illusionary Bait:Silent image(Arcane 1)
壁や物の幻影を作り出す呪文です。Ghost sound(Arcane0)と一緒に使用することで、説得力のある幻影に仕上げることもできるでしょう。ただし、あまり凝ったものにせず、シンプルに徹する方が良いでしょう。 

Raise the Alarm:Alarm(Arcane 1)
キャンプを張って眠っているときにも有効ですが、ダンジョンを進んでいくときにも役に立ちます。一本道の途中や分かれ道でアラームの呪文を掛けておくと、何者かが自分たちの後ろから近づいてきたら、アラームを仕掛けた位置と現在地との距離から接触までのおおよその時間も把握することができますし。スクロール1本で2時間持つので、持って行って損は無いでしょう。

Summon Monster:Summon Monster I (Arcane1)
戦闘中に挟撃要員として、攻撃を受ける壁役として活躍する召喚獣ですが、罠のありそうな通路で「クラシック式ディテクトトラップ」要員としても大活躍です。持続時間と相談して準備するレベルを考えましょう。

Skill&Feat

Combat Casting
Mage Slayer関連のFeatで気軽にDeffensive Castができない今日この頃ですが、相手と隣接した状況で呪文を唱えなければならないケースもあるはずです。オープンフィールドではいくらでも5ftステップで抜けられますが、ダンジョンの中ではそういったスペースが取れないときもしばしばですから。

Combat Reflexes
別にダンジョンの中でなくても大活躍ですが、前線キャラの1人は必ず持っておきましょう。

Heal
Take10でDC15をクリアーできるかどうかが目処になります。Healer's kitで+2あるので、それほど厳しい要求ではありませんが・・・呪文抜きで毒や病気などに対応できますし、能力値ダメージも回復できます。 

Knowledge
知識系スキルはランクを振っていないと判定すらできないので、パーティメンバー間できちんと分担しておきましょう。

Precise shot
これもまたダンジョンの中でなくてもアーチャー系には必須のFeatです。持ってないPCは取れるまでロングスピアで2列目から攻撃しておきましょう。

Search
トラップがあるかどうかを見つけることはローグの重要なお仕事です。DC25オーバーをコンスタントに出せないと、ローグ失格になりますので、リストラされたくなかったら気合入れてランク入れておきましょう。Lens of Detectionを買えたらだいぶ楽になるとは思いますけどね。

In the Dungeon

ダンジョンの中での行動の仕方について紹介します。

A Bonus is a Bonus
+1のボーナスは軽視されるかもしれませんが、+5のボーナスを与える呪文なんてそうそうありません。チマチマと+1を積み上げて行くことで優位に立ちましょう。クレリックがBlessをキャストし、Wizardが自分の武器にMagic Weaponを掛けてくれて、Rogueが敵の後ろに回りこんで、自分のPaladinの攻撃に対してAidしてくれている場合、+1(morale)+1(Enhance)+2(Flanking)+2(Aid)+2(Charge)+2(Smite) =+10と、ここまで命中値を稼ぐことができるわけですから。

Don't Touch Anything
Magehandの項で紹介しましたが、怪しい物には手を触れない方が良いですね。10foot Poleで触る、Magehandを掛ける、などなど。Summonしたクリーチャーにやってもらう、死なないPCにやってもらうなどもありますが

Fight on
知性の無いクリーチャーなどを見逃して、あとになって背後から殴りかかれないようにしておくべきです。要するにきっちりトドメをさしておけということですな。解放するのであれば、きっちりと復讐されないような処置をしておきましょう。

Information is Vital
ダンジョンの中で暮らしている者から得る新鮮な生の情報から、知識系スキルから得られるダンジョンの歴史・構造に関する情報も得られるものはすべて得ておきましょう。特に行くことになったダンジョンに関する噂・情報を得ておくことが重要です。何かの寺院だった、兵士の砦だった、Madな魔法使いの洞窟だった、などなど。

Marching Order
パーティの隊列決定も重要です。よくわかる本でも散々言われていますが、Wizが一番後ろをトボトボ歩いてくるのは危険です。

先頭:目が利く者、敵と接触しやすいのでHPの高い者

真ん中:HPが低い者(キャスター系)

後ろ:先頭に立てない戦闘系キャラ

この記事では「一番後ろが一番危ない。何故ならずる賢い敵はパーティを通過を待ち、タイミングを計って襲ってくるからだ」と、あります。よっぽどひどい目にあったのでしょうか。体がデカイキャラが出て来ると隊列の組み方にも苦労しますけどね 

Penalize Them
相手にペナルティを与えて優位に立ちましょう。3.5版になってTrip(足払い)が強くなって見直されていますね。なので、目を潰してみる、地面に倒してみる、びびらせてみるなどがオススメです。特にDexボーナスをなくす状態にすると、Sneak Attack(急所攻撃)が効くので良い感じですな。 

Prepare for Resistance
ダンジョン居住者にとって、パーティメンバーとは「招かれざる客」です。当然、先に進めないように抵抗に遭うわけですからそれに対応しておくべきです。全ての扉を調べ、通路を進む前に聞き耳を行い、罠がありそうだったら棒でつきましょう。スキルを余らせるPCがいるのであれば、SpotやListenに振っておくと良いですね。

Take Away the Advantage
ダンジョンとはモンスターにとってのホームグラウンドであり、パーティにとってはアウェイで戦うことになります。場所的な情報はモンスターの方が詳しいので、罠を張られたり不意を討たれたりします。パーティが踏破したエリアにおびき出して戦うなどの戦術が必要になってくるでしょう。

Take Cover
いきなり具体的なアドバイスですが、カバーを取ればACとRefのSTにボーナスが付きます。問題は相手にも同様なボーナスが付くことですが・・・カバーを取っている所では機会攻撃を受けないこともキーポイントですね。 

Teamwork
取れていて当たり前、内紛と陰謀は他所でやれというのが個人的な意見ですが得た情報を共有化し、危険な所に挑むには皆で相談しましょう。 

Traps Kill Monster,Too
仕掛けられているトラップに善悪はありません。発見し、有効に活用できると判断したトラップを駆使するのも手です。ただし、知性のあるクリーチャーは罠の存在を知っていて引っかからない可能性もありますが・・・生かしておいたトラップに、慌てて自分で引っかかったりしないように気をつけましょう。

Watch your Backs
パーティメンバーはお互いのことをしっかり把握しておきましょう。チャームされているのにいつもと違うことに気づかなかったり、ドッペルゲンガーと入れ替わっていることに気づかなかったりすると大変ですね。

Wrapping Up
あらゆる冒険に共通するのは「どのタイミングで撤退するか」ですね。引き際をわきまえない冒険者は死あるのみですから。

Cut Your Losses
怪我人を多く抱えてしまい、回復もできない場合は撤退を考えましょう。 

Know Your Limits
敵と戦ってみて、勝てるけど消耗が多いなどがわかった場合、速やかに準備をやり直すために撤退することも大切でしょう。必要なスクロールを買い足したり、武器を取り替えたりすることもありますし。この辺は情報収集でカバ-できる場合もありますが、厳しいと思ったら一時撤退を提案してみましょう。

Loot and Leave
お宝をゲットして荷物を抱えている場合、さっさと撤収しましょう。金貨の山や貴重なマジックアイテムをゲットした場合、いったん街に帰って補充することも重要です。それに敵から逃げ出すときに、金貨のぎっしり詰まったサックを放り投げて逃げるのも意味がないですからね。多少余裕のあるうちに引くタイミングを計ることも重要でしょう。


おわりに

いつも戦闘重視のキャラメイクをしてしまう自分にとって、かなり勉強になる記事だったと思います。

「1レベル呪文はマジックミサイルとメイジアーマーで・・・」と決め込んでしまうのは反省材料ですね。

あと一般装備はかなり参考になると思いますし、こういったアイテムでトラップなどの困難を潜り抜けるのも面白いと思います。

一般装備の欄をもう一度、読み直してみては如何でしょうか?

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