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The Dragonfiend Pact(D&D3.5版)プレイレポート

使用したモジュールはGoodman Games社の2レベル用モジュール「Dungeon Crawl Classics #11:The Dragonfiend Pact」Best Adventure, 2005 Gen Con ENnie Awards に「ノミネート」された作品である!購入した理由は「2$だったから」

本稿にはネタバレがあるのでプレイ予定の方はご注意。

レギュレーション

D&D3.5版:ルールブック:コア3冊+戦士大全のみ
レベル:ECL2スタート
能力値:32点
所持金:1000gp
経験値:1100点

プレイヤーキャラクター

ネセサル(ファイター2):トライデントとネットを構えた「網闘士」
武器スタイル特技<網闘士>を習得した猛者。相手をエンタングル状態にして銛で突く漁師だった!

クリスティー(パラディン2):リーダーシップを発揮したパラディン殿。グレートソード+強打+薙ぎ払いとダメージディーラー役を担うはずであったが・・・ 

エドバーグ(レンジャー2):二刀流トリッパー当たりさえすればこかせるぜ!とクリスティーと組んで前線を構築するはずであったが・・・ 

エヴァン(コンジュラー2):力術と心術を切った召喚師。それでもパーティ最高の火力とキルマークを誇るのは何故!?総モンスターの8割は彼が倒した。 

ビージャ(ファイター2):ドワーフのタンクを担当した。的になるためのキャラだったので目立ちはしなかったが前衛ファイターズの中では頑張った方か? 

グリス(クレリック2):コアロンラレシアンを信仰する癒し手。パーティの回復を一手に引き受けた働き者。怪我しかしない前線のお守りお疲れ様。

「低レベルダンジョン冒険でローグがいない」
「2レベル目のHPはダイスの一発振りだったが、前線4人の出目は1か2」
カチコミ用鉄砲玉のようなパーティ構成だったが、まぁ良いか、ということで大変不安ながらも冒険開始。

井戸を降りる

PCたちが滞在した街で宝石やコインの窃盗が多発している。どうやら街の中央にある井戸が犯人の逃走経路になっているらしいのでPCたちは町長に雇われて中を調査することに。

まず最大の難所「垂直の井戸を降りる」!隠し扉を見つけるためドワーフのビージャが鎧を脱いでロープで下に下りていった。

無事、水面よりちょっと上に隠し扉を見つけることに成功したが、その箇所にわかりやすいようにマーキングをつける段階でバランスを崩して井戸にどぼん!

行動宣言に「息を止める」が入ってなかったので、容赦なく溺れチェックをさせる。井戸の下ではドワーフが溺れ始めたので慌てるPCたち。しかし再びロープを降りていっては間に合わない!

そこで決意した網闘士のネセサル。 

ネセサル「落下ダメージは4d6、俺のHPは15 いける!」

と、命綱を腰に巻いて井戸にダイブ!ダメージは14点でかろうじて生き残る!

あと2ラウンドで溺れ死ぬところだったビージャは間一髪助かる。

翌日、街の雑貨屋で井戸の底まで届く長さの梯子を買い込み、鎧を脱いで出目10で降りられるように工夫をしてから再チャレンジ。 

5ft幅の通路がうねうねと続くダンジョンを進んでいくと、途中で落とし格子があった。なんだろう?とレンジャーが調べるもよくわからず。近くにレバーがあったので、これで格子が上がるだろうと見込んであげてみると・・・グリフが発動してレンジャーにホールドパーソンが!そしてホールドした奴にぷすっと攻撃が加わる罠!格子の先も10ftおきに罠が続いていた!

罠1:ワイヤートラップで毒矢が飛んでくる。
罠2:ワイヤートラップでグレートアックスが殴ってくる。
罠3:ワイヤーが囮で、踏み越えた先が落とし穴! 

ワイヤーまみれのくせに捜索で見つからないことに業を煮やしたパラディンが自作でワイヤー探知機を製作。捜索+10のボーナスを得て罠2を回避したものの、罠3のワイヤーの囮を見抜くことはできずに落下。 

ボロボロになりつつもクレリックのワンドで怪我を治しつつ進むと、次の部屋ではダイアーバッジャーとの戦闘が待っていた!

ここぞ出番と意気込んで戦いに赴く戦士たちであったが・・・

2ラウンド経過してダイアーバッジャーは未だ健在。ってか無傷。攻撃を外しまくる戦士たちに冷たい視線を浴びせるキャスター陣。大騒ぎで戦っていたので、隣の部屋からボス(ワーバッジャー)が騒ぎを聞きつけて様子を見に来る始末。呼び出したラットスォームとワーバッジャーとのラスボス戦が通路で行われることになり大苦戦!

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鼠の群れはウィザードの錬金術師の火で何とかし、ワーバッジャー相手には銀のダガーで頑張る前線たち。なんとか1人気絶状態で戦いをしのぎ切った・・・

ボスの部屋を調べると小動物用の首輪がたくさんと2.5ft幅の通路がいくつか見つかった。宝箱があったものの誰も鍵を開けることができずに、結局力技で壊して開けてしまった。中のポーションが1本割れてしまっていたのは仕方なし。

そのポーションとは・・・「Improved Reduce Person!」なんと2段階サイズを小さくしてしまう呪文である(1時間/レベル)これでTinyサイズになったPCたちは2.5ft幅の通路を通ってダンジョン後半へと向っていくのだ!

FF3のミニマムかけてダンジョンに行くような感じだ

Tinyサイズに小さくなって大冒険!

マス目が2.5ft角になった結果
「呪文の効果範囲が広い!」
「5ftステップがやけに長い(笑)」
「TAが無いって新鮮!」などの感想が。

中型サイズ→超小型サイズ
【筋】-8,【敏】+4
AC/攻撃+2,組み付き-8

クロスボウアーチャーは万々歳だが、ファイター陣は大げんなりだったりするこの仕様。武器の基本ダメージと筋修正分が激減するので、急所攻撃の+1d6とか近距離射撃の+1とか魔法の弓の+1の部分が大変強い。トリッパーには嫌がらせのような仕様ではある。

しかも装備を持ち替えようとして武器を落とすと途端に呪文が解けて2段階大きくなってしまう!ので、持ち替えに標準アクションが必要になってしまう始末。 

バッジャー親子の部屋

最初の部屋にいたのは「ダイアー」ではなく、普通のバッジャー(Sサイズ)×2と子バッジャー(Tサイズ)×4。しかし、TサイズのPCたちにとっては「バッジャーでか!」となっているわけで。

子を守るために必死になる親バッジャーを

エヴァン「喰らえ!カラースプレー!範囲広ッ!」

見かけ上、普通の呪文は2倍広く届いているように見える。

そして隅っこでガタガタブルブルしている子バッジャーに対して

エヴァン「喰らえ!錬金術師の火!一網打尽!」

情け容赦なく焼きバッジャーを作り上げるコンジュラー。

川渡り

7ftの幅の川が流れていて、その途中に3つの石がある。これを足場にしてわたる、というもの。石にはコケが生えていて滑りやすくなっている。この石の脇にはSサイズの魚(鱒)が潜んでおり、石を飛んでいく小動物を餌にしているという仕掛け。

このダンジョン、さり気に<跳躍><登攀>をさせる仕掛けが多いのだが、サイズが小さくなって【筋】が激減しているのでこれが大変に手厳しい。しかも基本速度も落ちているので幅跳びの難易度が跳ね上がっていたりする。

レンジャーのエドバーグが慎重にコケを落としている途中で、魚の存在に気付き、事前に危険を排除することに成功。その後ロープを渡して出目10で渡れるようにして切り抜けた。

巨大蟻の巣

洞窟の途中でジャイアントアント(ワーカー)に出くわす。向こうはPCたちに興味を抱くことなく、自分の仕事に精を出しているらしい。Mサイズで移動50ft(小さいグリッドだと100ft相当)を誇るので、怒らせたり仲間を呼ばれると詰み確定である。

投げた保存食(手を離れるとMサイズ!)に気をとられているうちに脇を通り過ぎることに成功した。実はバッジャー親子のところでも同様に食料を投げて、その隙に通り過ぎればボーナスXPが貰えていたのだが、身に危険が及ばないと慈悲の心は芽生えないらしい。 

裂け目渡り

深さ30ftの裂け目があり、そこにロープが1本渡してある。そこにはチョーカー/ローグが潜んでいて、ロープを渡ろうとする者(【敏】が適用できない)に対して急所攻撃を行うという大変素敵な戦術を披露してくれる。 

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優秀な視認判定の結果、不意打ちこそ防いだものの、戦闘に入るや否やパラディンのクリスティーが攻撃を受ける。長いリーチ(10ft)、急所攻撃を込めたでかいダメージ、そしてTサイズ相手には致命的な「つかみ強化(Improved Grab)」!

【筋】-8、組み付き-8のちびっ子前線に立ち向かう余裕はなく、あっという間に殴られて組み付かれて追加ダメージを食らってパラディン意識不明。 

次のラウンドにはパラディンをドロップして次の獲物を狙う。落下ダメージでパラディン死亡か!と思ったときに、エヴァンの「準備アクションで、チョーカーがクリスティーをドロップしたら彼にフェザーフォール」が決まり、クリスティーはゆっくりと20ft底の足場に降りていった。 

その後激戦の末にチョーカーを倒したものの、ドワーフのビージャが倒され、30ft底に叩き落されて瀕死状態。

崖を下っていたのでは間に合わない!と思ったレンジャー

エドバーグ「落下ダメージは3d6、俺のHPは10!いける!」
と、クレリックからワンドを借りて崖下へダイブ!

・・・前半戦でも見た風景だな

ダメージは8で済んだため、辛うじてドワーフ共々生き残るものの・・・ふと気付くとフェザーフォールでラピュタのシータの如く、ゆっくりと地面に降りたパラディンの血が止まってない。

微妙に向こう岸に近く、崖下から10ft登った足場に落ちていったため、回復手段を持ったキャラがたどり着けない。クレリックでは鎧が災いして跳躍しても届かない!

・・・哀れ、パラディンは最後の血止め判定にも失敗して、束の間の救いの手から漏れて息を引き取ったのだった。 

ドラゴンの部屋

無数の財宝(1100CP)の上に寝そべるドラゴン!フィーンディッシュ・スードゥドラゴン・ソーサラー(Tサイズ)2レベルパーティにドラゴンをぶつける策としては変化球ではあるが愉快な策だと思う。

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パーティにTAが無いことを良いことに、ブレス代わりにバーニングハンズの呪文で1d4ダメージを与えて回る。武器はダメージ減少5/魔法で弾き、火のダメージはフィーンディッシュの耐性5で防ぎ、エヴァン渾身のレイ・オブ・エンフィーブルメントは呪文抵抗19で弾いた! 

眠る毒でたびたび戦線を離脱させられつつも、エンラージパーソンが掛かってSサイズに巨大化した網闘士ネセサルがリーチでTAを張って戦線を構築し、なんとかドラゴンを退治することに成功した。

PCレベルでは既にラスボス戦を済ませた気持ちだったみたいだが、真のボスが奥にいるので容赦なく先を進める。

ボスの部屋
ボス(クレリック5)×1
ゴブリン(ファイター2/ローグ2)×1
人間のスケルトン×5

ボスはディスガイズセルフでドラウのウィザードに変装している。小さなグリッドでは全員が4マスを占める巨大生物ばかり。

まずはクレリックがアンデッド退散でスケルトンを撃破。ボスは壁がなくなってサモンモンスター2を使う戦術も取れず、それ以外にはブラインドネスとかインフリクトライトウーンズしかない。

武器熟練(ダガー)を持ち、装備しているのがダガー+1、スペルストアリング(ビストウカース入り)でゴブリンと挟撃できるように立ち回ることに。

リーチがないので相手のマスに機会攻撃を受けながら入って、それで何とか1ダメージ与える、という哀れな小動物のような戦術を駆使してボスを追い込むPC一行。

ゴブリンの急所攻撃クリティカルで瀕死まで追い詰めるものの、クレリックが救急箱として甲斐甲斐しく治療に専念した結果、意識不明に陥ることなく敵を撃破することに成功した。

ゴブリンは武器のショートソードにグリースを掛けられたのでこれを捨て、ウィザードと隣り合ってロングボウVS錬金術師の火の投げ合いを行うも、確実な着火ダメージが重なりあえなく昇天。何とかボス戦を勝ち残ることが出来た。

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事件の真相

ボスのクレリックは街の有力者だった。かねてより街を支配したいと思っていたのだがカリスマ不足が祟って民衆は彼を選ばなかった。

彼はゴブリンの傭兵を雇い入れ、先代の町長の暗殺に成功したものの、町長の座は死んだの町長の娘に奪われてしまった!

街の支配を諦められないクレリックは偶然洞窟を発見し、そこで祭壇と陰謀の神の書物を手に入れる。祭壇に通って書物で勉強するクレリックに興味が湧いたドラゴンはベントロリロキズムで彼に神の啓示を与える。

「更なる力が欲しければ、多くの富を捧げよ!神の使いとしてこのドラゴンを貴様に託す」と、さりげなく自分を売り込んでいたりする。

ドラゴンにアドバイスを貰ったクレリックは街で盗んだ宝石を鼠に括りつけ、小さなダンジョンを抜けて街の外に運び出していたのだ。

全ての戦闘で瀕死状態になり、HP1桁の状態で戦い続けるというこれぞD&D!という素敵なバランスでセッションを行うことが出来た。

また、跳躍や登攀をフルに駆使しないと進めない自然洞窟はフライなどが無い低レベルの冒険の醍醐味と言えよう。

DMとしては大満足のセッションであった。

シナリオを読んでガチだと思ったところ
・垂直の穴、崖を上り下りさせるシナリオ
・水中に落ちたときに振動感知で襲ってくる毒蛇
・後半戦はほとんどの敵が小さく、<武器の妙技Weapon finesse>を持ってる
・依頼人NPCのデータ:交渉人Negotiator、スキル熟練Skill Focus(交渉)を持ち、魅力18で<交渉>にMax振り込んでいるエキスパート3レベル。判定値が+15・・・賃上げなんそ死んでも応じないぞと言わんばかり。

PCが罠に引っかかってくれたり、崖を前にびびったり、敵の強さに驚いてくれるのが大変に新鮮であった!

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